HEALTH

「体が冷えてつらすぎ…」と感じたら試したい温活ストレッチ3選【薬剤師監修】

寒い日が続くようになり「手先や足先がいつも冷たい」「肩周りや腰がなんだかこわばっている」と感じることはありませんか? そんな「冷え」からくる不調には、ストレッチがおすすめ。体を内側から温め、冷えに負けない体づくりに役立つ温活ストレッチを紹介します。

1.「冷え」によって、さまざまな悪影響が起こる

私たちの体は、冷えを感じると血管が収縮して体の熱を逃がさないようにします。その結果、血行不良が起きやすくなり、手足などの末端が冷たくなってしまうことがあります。
また、体全体に栄養や酸素を届ける流れが滞って内臓の働きも鈍くなったり、筋肉がこわばりやすくなったりします。これにより、消化不良や便秘、免疫機能の低下、肩こり、腰痛などの不調にもつながります。
さらに、筋肉が硬くなることで血管が圧迫され、より血流が悪くなるという悪循環に陥りかねません。早めの冷え対策が重要です。

2.温活ストレッチの効果って?

私たちの体の中で、熱の産生量が多い器官の一つが筋肉です。筋肉量が少ないと基礎代謝も低くなり、生み出される熱の量も少なくなります。
ストレッチで体をゆるやかに動かして筋肉を刺激することで、発熱が促され体の内側から温まりやすくなります。さらに、筋肉を使うことで筋肉量の維持・向上につながり、基礎代謝を上げて冷えにくい体づくりにもつながります。
また、冷えてこわばった筋肉がほぐされると血行が促進されるのもメリット。全身の隅々まで血液が巡りやすくなり、末端の冷え解消につながります。

3.体を温める温活ストレッチ3選

温活ストレッチは継続して取り組むことが大切です。生活の中に取り入れやすい3つを紹介します。

①座ってできるストレッチ

(1) いすに浅めに座り、姿勢を整える(イラスト左)
(2) 右足を上げて前に伸ばし、つま先を天井に向ける(イラスト右)
(3) 足を上げたままでつま先を前に倒す
(4)足を床に下ろして、 反対側も同様に行う

デスクワーク中にもできるストレッチ。座っていると固まりがちな下半身の筋肉をじんわりと伸ばします。血行を促進するほか、むくみの解消にも役立ちます。

②立ってできるストレッチ

(1) 壁などに手を添えて体を支える
(2) かかとを上げてつま先立ちをして5秒キープしたら、かかとを下ろす(イラスト)
(3)次に、つま先を上げてかかと立ちをして5秒キープしたら、つま先を下ろす
(4) 2と3を5回程度繰り返す

家事の合間など、立ったままでできるストレッチ。つま先立ちとかかと立ちを繰り返すことで、ふくらはぎの筋肉を刺激します。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれており、ストレッチで刺激することで血流アップが期待できます。転倒しないよう、壁などに手を添えて体を支えながら行いましょう。

③寝たままできるストレッチ

(1) 仰向けに寝転がり、両足を肩幅に開いて膝を立てる
(2) 3秒かけて腰を上げる
(3) 3秒かけて腰を下げる
(4) 2と3を10回繰り返す

下半身には全身の筋肉の約7割が集中しているため、下半身を鍛えることで血行促進や体温の上昇が期待できます。ストレッチを行う際は、ゆっくりと呼吸することを意識し、途中で呼吸を止めないようにすることがポイントです。
リラックスタイムや就寝前など、タイミングを決めて行い、ストレッチを習慣として定着させましょう。

4.ストレッチ以外のセルフケア

ストレッチだけでなく、日常に組み込めるセルフケアも併用することで、冷えによる不調をより改善しやすくなります。

①ツボ押しをする

冷え対策には、血行を促進し体を温める効果が期待できるツボ押しをしてみましょう。例えば、手足の冷えに悩んでいる場合は「指間穴(しかんけつ)」がおすすめです。

・指間穴

手や足の指の間の水かき部分に当たるところにあるツボで、八風穴(はちふうけつ)とも呼ばれます。
手の指間穴を押す場合は、両手を組む形で指を押し入れてグッと握りましょう。足指の場合は、手の指を押し入れたり、手の親指と人差し指でつまんだりして刺激します。
起床時や寝る前などに押すと手足がポカポカするため、朝は目覚めをすっきりとさせ、夜は寝付きをよくする効果が期待できます。

②漢方薬を活用する

慢性的な冷えが気になる場合は、漢方薬を活用するのも手です。漢方薬は自然由来の生薬でできており、不調の根本原因にアプローチして体質から改善することを目指します。飲むだけで良いため、日々のセルフケアとして取り入れやすいのも特徴です。
冷え対策には「血流を促進して熱を巡らせる」「胃腸の機能を高めて熱を作る」「水分の偏りを整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。

<冷え対策におすすめの漢方薬>

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血行を促進するとともに、水分代謝をアップさせて肩こりやむくみ、冷え症を緩和する漢方薬です。婦人科系疾患などにも用いられます。

・大建中湯(だいけんちゅうとう)
胃腸の調子を良くすることで、胃腸を温める漢方薬です。腹痛や腹部膨満感などにもよく用いられます。

自分に合う漢方薬を知りたいなら、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談することが大切です。上記以外にも冷えに効果的な漢方薬はあるため、専門家と相談しながら自分の体質に合うものを選びましょう。

教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん

教えてくれたのは…あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子さん

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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