HEALTH
最近、何もない場所でつまずくことが増えたと感じていませんか? つまずきやすさを放置していると、転倒による骨折などのけがにつながる可能性があるため注意が必要です。つまずきやすくなる原因や予防のためのセルフケアを紹介します。
何もないところでつまずくのは、筋力の低下や姿勢の悪化などによる影響が考えられます。具体的にどのように影響しているのか紹介します。
運動量が低下して筋肉が使われなくなると、太ももやお尻、ふくらはぎの筋力が弱まりがちです。脚を持ち上げる力や、体を支える下半身の筋力が低下し、わずかな段差や床の凹凸でも足が引っかかりやすくなります。
また、女性の場合は女性ホルモンの減少も影響します。更年期にエストロゲンの分泌量が減少することで筋肉量が低下しやすくなるのです。エストロゲンの減少は骨の成長にも影響し、つまずいて転倒した際に骨折する可能性も高まるため注意が必要です。
姿勢の悪さもつまずきやすさに関係します。猫背や反り腰などになっていると、骨盤が本来の位置からずれ、足の運びが不自然になりやすくなります。
また、姿勢が崩れると体の重心が前後左右に偏り、下半身の筋肉がうまく連動しません。その結果、歩幅が狭くなったり、足先が上がりにくくなったりして、何もない場所でもつまずきやすくなります。
サイズや形が合わない靴は、足裏全体で地面をとらえにくく、バランスを崩しやすくなります。特に、ヒールなどのかかとが安定しない靴や足先に余裕がありすぎる靴は、歩行時の重心がぶれやすくなります。
また、足に合わない靴を履き続けることで、無意識のうちに不自然な歩き方が癖になることもつまずきやすくなる原因の一つです。
つまずきが頻繁に起こる背景には、病気が関係している可能性も。例えば、パーキンソン病の場合、筋肉がこわばって歩行が難しくなったり姿勢を保つのが難しくなったりします。
また、脳梗塞によって視野が狭くなり、つまずきやすさにつながっている可能性もあるため注意が必要です。
歩きにくさや視界の違和感、手足の動かしづらさを伴う場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
つまずきを予防するには下半身の筋肉の維持・向上のためのセルフケアを取り入れることが大切です。今日からできるセルフケアを紹介します。
ストレッチや軽い筋トレなどで下半身の筋肉を鍛えましょう。太ももやお尻、ふくらはぎを意識したストレッチや、片足立ち、浅めのスクワットは、下半身の筋肉を刺激して鍛えることにつながります。
ストレッチや筋トレをする際、呼吸を止めると筋肉がこわばるため、呼吸を止めないことを意識しましょう。自分に合った無理のない範囲で、できるだけ毎日続けることが筋肉量の維持や増加につながります。
普段の姿勢を見直すことも大切です。日常生活の中で立つ・歩くといった動作の姿勢を整えるだけでも、下半身の筋肉が正しく使われ、歩行が安定しやすくなります。
立つ際には、耳、肩、腰、かかとが一直線になるように意識するのがポイント。天井から糸で吊るされているような感覚で背筋を伸ばしましょう。
普段履いている靴を見直すことも、つまずき予防につながります。足のサイズだけではなく、足幅や甲の高さも確認し、かかとがしっかり固定される靴を選ぶのがポイント。
仕事でヒールのある靴や革靴などを履くことが多い場合、通勤時には足にフィットするスニーカーに履き替えるなどをして足への負担を軽減させましょう。
また、かかとが固定されないスリッパやサンダルはできるだけ使用を控えることも効果的。室内でスリッパを履く場合は、つまずきにくいよう工夫されているものを選びましょう。
筋肉の材料となるたんぱく質を積極的にとることも大切です。たんぱく質には、大きく分けて肉類や魚類、卵などに含まれる動物性たんぱく質と、大豆などに含まれる植物性たんぱく質の2種類があります。
どちらかに偏るのではなく、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質を組み合わせてとるようにしましょう。肉や魚のメイン料理と、豆腐などの大豆製品を使用したおかずを組み合わせて日々の食事に取り入れることで、筋肉の維持を内側からサポートできます。
体力や筋力の衰えが気になる場合は、体質に合わせた漢方薬を選ぶ方法も。漢方薬は自然由来の生薬でできており、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないとされています。飲むだけで良いため、セルフケアの一つとして続けやすいのも特徴です。
つまずきやすさの改善には「胃腸の機能を高めて栄養状態をサポートする」「加齢による足腰の衰えを補う」「血流を良くして脳や神経に栄養を届ける」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
エネルギーや栄養を補い、疲労倦怠や虚弱体質に働きかけ、体に活力を与えることで、元気を取り戻すサポートをしてくれる漢方薬です。冷え症で、体力がなく、貧血のある人に向いています。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の機能を良くして体力を回復し、気力を充実させる効果が期待できる漢方薬です。体力がなく、疲れやすい人におすすめです。
症状や体質によって合う漢方薬は異なります。自分に合う漢方薬をセルフケアに取り入れるなら、専門家に相談するのが安心です。ほかのセルフケアと組み合わせて、体の内側からつまずきやすさの改善をサポートしましょう。
年齢とともにつまずきやすくなるのは、筋力の低下や姿勢の乱れなどが重なり、足の運びが不自然になるためです。特に、筋力が低下すると足が十分に上がらず、小さな凹凸にもひっかかりやすくなります。また、女性の場合、更年期になり、エストロゲンの分泌量が減少することで筋肉量が減少しやすくなることも、つまずきやすさにつながる要因です。
手足の筋肉が動かしにくくてつまずきやすくなっている場合、パーキンソン病の可能性が考えられます。パーキンソン病は筋肉が萎縮して手足の震えやこわばり、姿勢の悪化などを招く病気です。
また、脳梗塞の前兆として視野が狭くなり、結果的につまずきやすさにつながることもあります。つまずきやすさ以外に手足の動かしにくさや視野の違和感などがある場合は、早めに脳神経内科や脳神経外科を受診しましょう。
筋力をつけるには、無理のない範囲でストレッチや筋トレなどを続けることが大切です。筋肉は使わないと減少するため、通勤時や家事の合間、就寝前などにストレッチなどで筋肉を動かしましょう。
また、筋肉の材料となるたんぱく質を意識した食事を心がけることも大切。日々の食事の中にたんぱく質を豊富に含む食材を取り入れましょう。
教えてくれたのは…医師 木村 眞樹子さん
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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2026年11月16日(月)23:59まで
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