HEALTH
毎年、梅雨の時期になると「なんだか体が重い」「お腹の調子まで不安定」と感じていませんか? 実はこうした梅雨の不調の背景には、自律神経の乱れだけでなく、腸内環境が関わっていることもあります。梅雨に不調が起きる理由や腸内環境との関係、梅雨の不調対策に効果的な腸活を紹介します。
梅雨に不調が起こりやすくなる理由は、気温差や高い湿度などの気候の変化に対応しようとして、自律神経に負担がかかるからです。
自律神経は体を活動モードにする交感神経と休息モードにする副交感神経の2つからなり、通常は両者がバランスをとりながら働いています。しかし、気候の変化が重なって自律神経に負担がかかるとバランスが乱れ、だるさや胃腸の不快感、食欲の低下などの不調につながりやすくなるのです。
また、湿度の高い時期は体内に余分な水分が溜まって水分の巡りが滞り、むくみや消化不良につながることもあります。
腸と脳は互いに深く関係しあっており、この関係を「脳腸相関」といいます。自律神経は脳の視床下部という組織でコントロールされているため、ストレスなどで脳の機能が低下して自律神経が乱れると腸の動きも乱れやすく、反対に腸内環境が乱れると自律神経にも影響して不調が起きやすくなります。
また、腸はセロトニンの分泌にも関わる器官です。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神の安定などに関わるホルモン。光を浴びたりウォーキングなどのリズム運動をしたりして分泌を促すことができますが、梅雨の時期は曇りや雨が続いて日照時間や外で過ごす時間が減少し、セロトニンの分泌量も減りがちに。加えて、腸内環境が乱れているとセロトニンの分泌量が少なくなり、イライラややる気の低下などにつながります。
さらに、湿度の高さによって水分代謝が乱れると、腸にも余分な水分が溜まって下痢や軟便などの不調になることも。
このように、梅雨の不調には腸内環境も深く関わっているのです。
梅雨の時期は高温多湿になりがちなので、暑さから冷たいものを摂る機会が増えるという人もいるでしょう。しかし、冷たい飲み物やアイス、冷たい麺類などをよく摂っていると、内臓が冷えて腸の動きが鈍り、腸内環境の悪化につながることがあります。
また、雨で外出が面倒だからと室内で過ごす時間が増えている場合も要注意。運動不足によって血行不良が起き、体内の水分の巡りが滞りやすくなります。
梅雨の不調をやわらげたいときは、腸を労わる食事と体を冷やしすぎない工夫が大切です。毎日続けやすい腸活を5つ紹介します。
まず意識したいのは、腸内フローラを整える食事です。ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品には善玉菌が含まれており、腸内の善玉菌を直接的に増やすことができます。
ただし、食べ物から摂った善玉菌はあくまで“お客様”であり、数日で体外へ排出されます。腸内の善玉菌を増やすためには、善玉菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂りましょう。
食物繊維は野菜や海藻類、豆類、果物などに含まれています。食欲が落ちている場合は味噌汁にわかめを加える、デザートに果物を食べるなど無理のない組み合わせがおすすめです。
また、食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維に大別されます。特に、下痢や軟便が続くときは海藻類などに含まれる水溶性食物繊維を中心に取り入れると、腸の働きが整いやすくなります。
気分の落ち込みなどがある場合は、セロトニンの材料となるトリプトファンを積極的に摂りましょう。トリプトファンは肉や魚、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ、大豆製品などに含まれます。
朝食にヨーグルトとバナナを食べる、夕食に豆腐や卵を使った料理をプラスするなど、普段の食事に組み込みやすい食材を取り入れてみましょう。
室内でできる軽い運動を習慣にするのも効果的。例えば、お腹をひねるストレッチや深呼吸をしながらの前屈、寝る前の軽いストレッチなどで腸周りの筋肉を刺激すると、腸のぜん動運動を促すことにつながります。
また、運動で血行を促進すると体内の水分の巡りも改善でき、余分な水分が汗や尿として排出されやすくなるのです。まとまった時間が取れなくても、休憩時間に足踏みをする、移動時に階段を使うなどちょっとした運動でこまめに体を動かすと、梅雨の重だるさやむくみ対策にもつながります。
お腹周りが冷えると胃腸の不調につながることがあるため、体の内・外両側から冷えないように心がけましょう。
飲み物はできるだけ常温か温かいものを選ぶのがおすすめです。例えば、朝は白湯や温かいスープを飲み、日中も氷入りの飲み物は避けるようにしましょう。
冷房がかかっている場所では薄手のカーディガンや膝掛けを活用するのが効果的。電車などでは冷房の冷気が直接当たらない場所に座ることを心がけましょう。
食事が不規則になりやすいときや忙しくて十分な栄養が摂れないときは、サプリメントを活用するのも一つの手。特に、乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維などを含むものは、腸内環境を整えるのに役立ちます。
ただし、サプリメントはあくまで補助的なもの。これだけで腸内環境を整えると考えるのではなく、食生活の見直しなどのセルフケアとセットで考えるのが基本です。サプリメントを活用するなら、1日の摂取量を守って適切に取り入れましょう。
梅雨は、頭痛やめまい、だるさ、むくみ、胃腸の不快感、下痢などが起こりやすい時期です。特に、雨の日は気圧が下がりやすく、自律神経のバランスが乱れることで心身の不調が出やすくなります。「この時期になると毎年つらい」と感じるなら、気候の影響を受けている可能性も考えられます。
胃腸の調子が落ちているときは、温かくて消化の良いものがおすすめです。おかゆや柔らかく煮たうどん、スープ、煮野菜などは負担が少なく取り入れやすいでしょう。ネギや生姜などの体を温める作用があるものもおすすめです。反対に、香辛料などの刺激が強いものや脂っこいもの、冷たいもの、アルコールやカフェインは刺激になりやすいため、不調が続いているときは控えめにしましょう。
便やおならのにおいが強すぎない、便の色は黄色から黄褐色、便の形はバナナのようにほどよいもの。このような場合は腸内環境が整っていると考えられます。反対に、黒っぽい便や強い悪臭が続くときは、腸内環境が乱れているサインです。便の状態は毎日の体調を映すサインのひとつなので、毎回チェックする習慣を持っておくと自分の変化に気づきやすくなります。
監修してくれたのは…医師・後藤利夫さん
1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。サプリメント「今日から腸活!」の監修も務める。
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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2026年11月16日(月)23:59まで
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