HEALTH
ヘルシーな食事をしているつもりなのに、「年々太りやすくなっている」と感じる方、多いのではないでしょうか。そんな方にぜひおすすめしたいのが、今、注目の「短鎖脂肪酸ダイエット」です。短鎖脂肪酸とは、ビフィズス菌などの腸内細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作り出す物質のこと。短鎖脂肪酸を増やす食生活を続けることで太りにくい体に導いてくれると、腸活ブームの最新トレンドとなっているのです。
◆あわせて読みたい
今回、腸内環境研究のスペシャリストで、テレビ等でもおなじみの慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授の福田真嗣先生に、短鎖脂肪酸がダイエットに有効な理由と、どんな食事をすればよいかを教えていただきました。また、短鎖脂肪酸を増やすための食材やポイント、そして簡単で美味しいレシピを、管理栄養士の金丸絵里加さんに伺いました。
福田真嗣先生
博士(農学)。 慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授。世界から注目を集める「腸内環境」の最先端研究を行う。腸内環境を適切にデザインすることで病気ゼロ社会を実現するため、2015年(株) メタジェン設立。
管理栄養士 金丸絵里加さん
テレビ出演、雑誌取材、書籍の出版のほか、旅館やレストランのメニューコンサルタントとしても従事。健康的な食生活のため、またダイエットアドバイスなどを加えながら、「おいしい!」と顔がほころぶ、食べてホッとするような「お家ごはん」が得意。
【目次】
「米ワシントン大学の研究チームが行った腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と肥満の関わりを調べる一連の研究をきっかけに、その新たな役割が世界で注目されるようになった『短鎖脂肪酸』。短鎖脂肪酸とはビフィズス菌などの腸内細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作り出す物質です。近年、短鎖脂肪酸には体脂肪の減少や、基礎代謝の向上、便秘解消などダイエットをサポートする働きがあることが明らかになってきました。太りにくい体質になるには、良好な腸内環境をつくることが不可欠なのです」(福田先生)
「理想的な腸内環境のため、まず大切なのは、いろいろな種類の腸内細菌がバランス良く存在していて多様性があること。2つめは、短鎖脂肪酸をつくる腸内細菌が多いこと。短鎖脂肪酸をつくるビフィズス菌や酪酸産生菌など、さまざまな種類の腸内細菌が腸内にいる状態を作ることと、それらのエサになる食物繊維が豊富に含まれる食材や素材を継続的に摂取していくことがカギになります」(福田先生)
「そして重要なのは、どんな『エサ』を与えるかです。野菜や果物、きのこなどに含まれる食物繊維が大腸に届くと、腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸がつくられます。特に、チコリやごぼうなどに多く含まれるイヌリンや、バナナなどに多く含まれているフラクトオリゴ糖などの、水溶性食物繊維やオリゴ糖が短鎖脂肪酸の産生に有効です」(福田先生)
「腸内の短鎖脂肪酸の産生を高めるためには、『ビフィズス菌入りヨーグルト100g+水溶性食物繊維2g』を毎日摂り続ける習慣をつけることがポイントです。この2つをセットで摂ると、短鎖脂肪酸が増え、太りにくい体質につながる良好な腸内環境を維持できるようになるといわれています」(管理栄養士・金丸さん)
水溶性食物繊維2gを摂るには何をどのくらい食べればいいのでしょうか。
「便秘解消などでおなじみの不溶性食物繊維は比較的摂りやすいものの、水溶性食物繊維は食品に含まれている量がとても少ないので、2gを摂るのが意外に難しいです。今回紹介する水溶性食物繊維を含む食材を覚えておくようにしましょう」(金丸さん)
「ヨーグルトには『乳酸菌のみ』『乳酸菌+ビフィズス菌入り』などの種類がありますが、乳酸菌は主に小腸で働くのに対し、ビフィズス菌は主に大腸で働き、乳酸に加え、短鎖脂肪酸のひとつである酢酸を産生することができる重要な腸内細菌の一つです。日本人の腸内には1~40兆個のビフィズス菌がすんでいて、腸内細菌全体の約10%を占めています。有用菌のなかでもっとも優勢で中心的な菌なのですが、加齢、偏食や運動不足などが原因で、ビフィズス菌が減ることで、腸内環境の悪化など、さまざまな不調の原因になる可能性があります」(金丸さん)
短鎖脂肪酸を増やす食習慣のおすすめは、ビフィズス菌入りヨーグルト 100 g + 水溶性食物繊維 2 gを合わせて摂ること。野菜やドライフルーツなどをたっぷり使って、満腹感があるボリュームながら、飽きずに食べられるヘルシーなメニューを6つ用意しました。
切り干し大根やドライフルーツをヨーグルトで戻すアイディアなど含め、ぜひビフィズス菌入りヨーグルトと水溶性食物繊維の組み合わせの参考にしてみてください。簡単なのにどれもとっても美味しいですよ!
フランスの定番家庭料理「キャロットラペ」をカレーヨーグルト風味にアレンジ。きんかんのさわやかな甘みがポイント。おもてなしにも使えるおしゃれメニューです。
【材料2人分】
にんじん……大1本(200g)
塩……小さじ1/2
ゆで大豆……80g
レーズン……40g
きんかん……4個(50g)
くるみ(無塩・ロースト)……40g
<A>
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
カレー粉……小さじ2
粉チーズ……大さじ2
砂糖……大さじ1/2
塩・こしょう……少々
※水溶性食物繊維を含む食材:にんじん、ゆで大豆、レーズン、きんかん、くるみ
【作り方】
①にんじんはせん切りにし、塩をもみ込んでしんなりしたら軽く水気を絞る。きんかんは薄切り又は半分に切る。くるみは粗く刻む。
②ボウルにAとレーズンを入れてよく混ぜ、①のにんじんとゆで大豆を加えて混ぜてなじんだら、きんかんとナッツとくるみを加え、軽く混ぜ器に盛る。
おかずにもおつまみにもなる一品。切り干し大根をヨーグルトで戻すことで、マイルドで食べやすくなるうえ、食物繊維とビフィズス菌&乳酸菌を一緒に摂取できて一石二鳥です。
【材料2人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
切り干し大根……40g
春菊……1束(180g)
白菜キムチ……80g
ゆで卵……1個
<A>
すり白ごま……大さじ2
しょうゆ……小さじ2
みりん……小さじ1
※水溶性食物繊維を含む食材:切り干し大根、春菊、白菜キムチ、すり白ごま
【作り方】
①切り干し大根はさっと洗ってから、厚手のビニール袋に入れ、ヨーグルトを加えてそのまま冷蔵庫に一晩おいて戻す。
②春菊は3~4㎝の長さのざく切りにしてさっとゆで、粗熱が取れたら軽く絞る。
③①の切り干し大根を食べやすい長さに切って漬け込んだヨーグルトごとボウルに入れ、Aを加えて混ぜる。キムチ(大きければ食べやすく刻む)と春菊も加えて和え混ぜて器に盛り、切ったゆで卵を添える。
※乾物をヨーグルトで戻そう!
ドライフルーツや切り干し大根などの乾物を、ヨーグルトにひと晩漬け込んで戻すと、栄養価も食感もアップします。乾物のまわりの水切りヨーグルトも濃厚でおいしい!
メインとたっぷり野菜を一皿で。らっきょうたっぷりのヨーグルトタルタルソースは、魚はもちろん、チキンや野菜などとも相性抜群。
【材料2人分】
鮭の切身……2切れ
塩・こしょう……少々
小麦粉……適量
里芋……3個(210g)
ブロッコリー……1/2個(80g)
トマト……1個(150g)
オリーブ油……大さじ1
<A>
白ワイン・水……各大さじ1
しょうゆ……小さじ2
<B:ヨーグルトソース>
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
はちみつ・粒マスタード……各小さじ2
らっきょう(甘酢漬け)……70g
すり白ごま……大さじ2
塩・こしょう……少々
※水溶性食物繊維を含む食材:里芋、ブロッコリー、トマト、らっきょう、すり白ごま
【作り方】
①里芋はよく洗って上下を切り落とし、耐熱皿に並べてふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で3分加熱、粗熱が取れたら皮をむいて2~4等分に切る。ブロッコリーは小房に分ける。Bのらっきょうは粗いみじん切りにし、残りのBの材料を混ぜてヨーグルトソースを作る。
②鮭は塩少々をふって10分ほど置いて出てきた水けをペーパータオルでふき、こしょうをまぶして、小麦粉を薄くはたきつける。
③フライパンにオリーブ油を中火で熱し、鮭を並べ入れて皮に焼き目がつくまで軽く焼き、あいたところにブロッコリーと里芋を入れ、Aの材料を振り入れて、ふたをして3~4分ほど蒸し焼きにして火を通す。器に盛り、食べやすい大きさに切ったトマトを添えて、ヨーグルトソースをかける。
※温度に注意!
ビフィズス菌は50℃以上になると死滅してしまうため、ビフィズス菌入りのヨーグルトを煮込んだり、アツアツのものにプラスするのは避けましょう。温める場合は、電子レンジで温度設定するなどして、温度が上がりすぎないように注意して。
ヨーグルトでひと晩戻したぷるぷるのドライフルーツがたっぷりのった朝食にぴったりのトースト。やさしい甘さがクセになります。
【材料1人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……100g
ドライプルーン……3粒(30g)
ドライマンゴー……20g
ライ麦パン……1枚(60g)
はちみつ……小さじ2
ミント……適宜
※水溶性食物繊維を含む食材:ドライプルーン、ドライマンゴー、ライ麦パン
【作り方】
①ヨーグルトにドライプルーンとドライマンゴーを入れて、そのまま冷蔵庫で一晩漬ける。
②ライ麦パンをトースターで焼き色がつく程度に焼き、はちみつを全体に塗り広げる。
③①をドライフルーツごとのせ、好みでミントを散らす。
水溶性食物繊維が豊富なオートミールをたっぷり使った、寒い季節にもぴったりのレシピ。甘酒を使って腸活パワーをプラス。
【材料1人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……100g
オートミール……40g
甘酒……100ml
バナナ……小1本(80g)
キウイフルーツ……1/2個(50g)
ブルーベリー……50g
※水溶性食物繊維を含む食材:オートミール、バナナ、キウイフルーツ、ブルーベリー
【作り方】
①オートミールに甘酒を加えて軽く混ぜ、ラップをせずに電子レンジ(600W)で約2分加熱、取り出したら上下に混ぜて熱を逃がし、そのまま5分ほどおいて粗熱を取る。
②バナナは1㎝幅の輪切り、キウイも食べやすい大きさに切る。
③①のオートミールに、ヨーグルト、(トッピング用のバナナを3~4枚残して)バナナを崩しながら混ぜて器に入れる。トッピング用バナナとブルーベリー、キウイを盛り合わせる。甘みをプラスしたい場合は、好みではちみつ(分量外)をかけても。
※温度に注意!
ビフィズス菌は50℃以上になると死滅してしまうため、ビフィズス菌入りのヨーグルトは、オートミールの粗熱をとってからのせるなど、温度が上がりすぎないように注意して。
秋冬の旬の食材をたっぷり使った甘酸っぱいヘルシースイーツ。冷やしてしっかり味を馴染ませてからヨーグルトと和えるのがポイント。
【材料2人分】
ビフィズス菌入りヨーグルト(無糖)……200g
さつまいも……1本(220g)
りんご……1/2個(120g)
ドライプルーン……6粒(60g)
レモン汁……小さじ1
砂糖……30g
シナモンパウダー……適宜
※水溶性食物繊維を含む食材: さつまいも、りんご、ドライプルーン
【作り方】
①さつまいもは洗って皮付きのまま1~1.5㎝厚さの半月切りにして、たっぷりの水につけ、水が白く濁ったら水けをしっかりときる。りんごは皮をむいて芯を取り除いて、ひと口大に切る。
②鍋にさつま芋とドライプルーンを入れて、ひたひたの水と分量の砂糖を入れて強めの中火にかける。煮立ってきたら落し蓋をして、弱火にして10分煮たら、りんごを加えて再度落とし蓋をしてさらに7~8分煮る。最後にレモン汁を加えて火を止め、そのまま冷まして味をなじませる。
③器にヨーグルトを半分ほど敷いて、その上に②をのせ、上から残りのヨーグルトをかけてシナモンパウダーをふる。
最後に、短鎖脂肪酸を増やす食生活を毎日コツコツ続けて短鎖脂肪酸ダイエットを成功させるためのコツ3つをおさらいします。
短鎖脂肪酸を効率よく産生するためには、「ビフィズス菌入り」のヨーグルトを選ぶことが大切です。
ビフィズス菌だけでは短鎖脂肪酸はつくることはできません。重要なのは、どんなエサを与えるか。短鎖脂肪酸の産生に有効な色々な水溶性食物繊維を、ビフィズス菌入りのヨーグルトと一緒に摂るようにしましょう。
理想的な腸内環境のためには、ビフィズス菌も水溶性食物繊維も、継続して摂ることが重要です。「ヨーグルトに季節の果物をトッピングする」「腸活に有効な食後や夜など決まったタイミングに食べる」など、自分のルーティンを決めてみることがおすすめ。
短鎖脂肪酸ダイエットを毎日の習慣にして、太りにくい体を手に入れましょう!
◆こちらの記事もおすすめ
構成/美ST ONLINE
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
HAIR
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
HAIR
PR
SKINCARE
PR
SKINCARE
PR
MAKE UP
PR
HAIR
PR
HAIR
PR
2025年11月16日(日)23:59まで
2024年11月16日(土)23:59まで
2025年11月16日(日)23:59まで
2025年11月7日(金)23:59
2025年10月16日(木)23:59まで