HEALTH
「爪は健康のバロメーター」という言葉を聞いたことはありませんか? 爪の色や形状は健康状態を反映しており、爪をチェックすると体の不調を知ることができます。今回は様々な爪のトラブルと、そこから考えられる全身の不調を解説。改善すべき生活習慣やおすすめの漢方薬など対処法も紹介します。
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【目次】
指を保護したり、物を握るのをサポートしたりする役割を担う爪。爪の下にはたくさんの毛細血管が通っているため、爪を見ると血液循環や栄養状態などをある程度推測することが可能です。
東洋医学では、爪は自律神経や感情に関わる「肝」 の状態を反映しているとされています。肝の状態に乱れが生じると、爪が割れやすくなる、色ツヤに変化が生じるなどの爪トラブルが起こりやすくなると考えられているのです。
爪の形状別の代表的な不調を把握しておくと、自分の健康状態をチェックするのに役立ちます。
爪の形状別に、考えられる不調について解説します。ただし、これらはあくまで目安であり、対策をしても状態が改善しない場合は自己判断を避けて医療機関を受診することをおすすめします。
手指の爪が白っぽくなる原因として、貧血傾向や指先の冷えなどが考えられます。
貧血予防のためには、鉄分を多く含む赤身肉のレバー、マグロやブリなどの赤身魚を積極的に食べるといいでしょう。ほうれん草や大豆製品にも鉄分が豊富に含まれていますが、これらの鉄分は肉や魚に比べて吸収されにくいのが特徴。鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると体内への吸収が高まるので、柑橘類などビタミンCの豊富な食材もバランス良く食べましょう。
指先の冷え解消には温かい飲み物を飲んだり、指を「グー」「パー」と動かす運動をこまめに取り入れたりするのが効果的です。
東洋医学では、冷えの背景には血(けつ、全身を巡る栄養)の不足があるとされています。爪が白っぽくなる場合には、血流を良くして爪に栄養を届ける「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などの漢方薬が適しています。
爪が黄色っぽくなる場合は、新陳代謝の低下が関わっていることがあります。定期的な運動習慣や、体を冷やさない生活を送ることで新陳代謝アップを目指すといいでしょう。
また喫煙や付け爪の使用、栄養不足などが原因で爪が黄色っぽくなる場合も。
その他の要因として、全ての爪が黄色っぽくなって伸びなくなる「黄色爪症候群 」という病気がありますが、正確な診断には医療機関の受診が必要です。
爪が紫っぽい人は、血行不良で指先の血液の巡りが滞っている可能性が。体が冷えている人も、爪が紫色に見えることがあります。
体を温めて、全身の血液の巡りを良くする漢方薬を服用するのがおすすめです。代表的な漢方薬として、「温清飲(うんせいいん)」が挙げられます。血液を増やして血の巡りを改善し、爪や全身に栄養を行き渡らせる漢方薬です。
爪が割れやすくなる原因として、血行不良や爪に必要な栄養が不足していることなどが挙げられます。
改善には、マッサージで血行を良くしたり、爪の材料となるたんぱく質や、貧血解消に役立つ鉄分が豊富な食材をしっかり食べたりすることが大切。赤身の肉や魚にはたんぱく質や鉄分が多く含まれているので、爪に必要な栄養を効率良く補うことができます。
また乾燥も爪が割れる原因になるため、ハンドクリームを爪に塗るのも良いでしょう。
爪が割れやすい人には、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「温清飲(うんせいいん)」が適しています。当帰芍薬散は血流を良くする働きがあり、女性特有の月経困難症や更年期障害にも用いられる漢方薬です。温清飲は血液を増やして血の巡りを改善し、爪先や全身に栄養を届けます。
爪の縦線は加齢のサインの一種と言われており、コラーゲンの減少などによって爪にできる「しわ」のようなものだと考えられています。睡眠不足や偏った食生活など、生活習慣の乱れも爪の加齢変化をもたらす一因となるため、生活習慣を振り返ってみましょう。
また、爪が乾燥すると縦線が入りやすくなります。ネイルオフの際に用いる除光液は爪の乾燥につながる場合があるので使い過ぎに注意しましょう。
爪の縦線が気になる人には「四物湯(しもつとう)」などの漢方薬がおすすめ。四物湯は皮膚が乾燥して色つやの悪い人に適した漢方薬で、皮膚や爪に栄養を与える働きがあります。
爪に横線や溝ができてしまうのは、一時的に爪の成長が滞っていることが原因と考えられます。
栄養不足や睡眠不足、体調不良、ストレスなどの背景が考えられるため、自分の生活を振り返ってみましょう。生活習慣で思い当たる点があれば、改善することをおすすめします。
爪の伸びるスピードには個人差がありますが、手指が1か月で3ミリ程度、足指が1か月で1.5 ミリ程度といわれています。そのため生活習慣を改善しても横線がすぐに解消するものではありませんが、気長に対処していきましょう。
漢方薬では「四物湯(しもつとう)」や「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などがおすすめです。
反り返った状態の爪は「スプーン爪(さじ状爪)」と呼ばれ、鉄欠乏性貧血の人にしばしば見られる症状。爪の真ん中がくぼんで、先端が反り返るのでスプーンのような形になります。貧血で爪が薄くなり、弱くなった爪が指先に加わる圧力に耐えきれなくなって反ってしまうのです。
スプーン爪の解消には、鉄分豊富な食生活が大切です。貧血の自覚がなくても、子宮筋腫のように体内で出血を起こす病気にかかっているケースも見られるため、症状が気になる場合は早めの受診を。
「少し爪が反っているかも?」という場合には、全身に栄養を補って巡らせる「四物湯(しもつとう)」などの漢方薬がおすすめです。皮膚疾患や婦人科系の不調にもしばしば用いられています。
丸く盛り上がって大きく見える状態の爪が「ばち爪」。太鼓のばちに似ているため、ばち爪と言われますが、ばち爪の人には心臓や肺の疾患が隠れている可能性があるため要注意です。
心臓や肺の疾患によって指先の血流がうっ滞し、指先の組織が増殖・肥厚した結果としてばち爪が起こる場合があります。ばち爪が見られる場合は、心臓や肺の検査を受けることをおすすめします。内科や循環器科、呼吸器科に相談をしましょう。
漢方薬を服用する際は、自分の症状や体質に適したものを選ぶことが重要。不適切な漢方薬を飲んでも効果は得られず、場合によっては副作用につながることもあるので注意しましょう。
自分に合った漢方薬を見極めるのは難しいので、漢方薬に精通した医師や薬剤師に相談することをおすすめします。最近ではオンラインで利用できる漢方相談サービスもあり、比較的に気軽に相談することが可能です。
教えてくれたのは…「あんしん漢方」薬剤師 中田早苗さん
編集/根橋明日美 写真&イラスト/PIXTA
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