MAKE UP
この連載「編集Iの『30年目のコスメ愛』の第一回は2019年10月、吉川康雄さんがカネボウでクリエイトしていた「CHICCA(キッカ)」ブランド展開終了の話でした(https://be-story.jp/article/13533)。
そしてついに、待ちに待った吉川さんの新ブランド【UNMIX(アンミックス)】が誕生です。美ST公式インスタグラムでもお知らせしたとおり、一部での先行販売を経て2021年4月1日より一般発売されるにあたって、先日、ローンチ発表会がありました。吉川さんの思いがこもったお話を交えてお届けします。
【UNMIX(アンミックス)】の始まりのアイテムはリップスティックです。まだマスクが手放せない今、どうして口紅からなのでしょうか。「コロナがもたらすことによって、いろいろなことを考えました」と吉川さんは言います。
「マスクで口が隠れていると街の風景がモノトーンに見え、とても寂しい。顔の中で血色を感じさせるものは唇しかない、それが隠れるとこんなに寂しいんだ、と思いました」(吉川さん、以下同)
「最初は、ワクチンが行きわたりマスクをあまりしなくなったらつけてほしいと思っていたけれど、今だからこそ唇の話がしたいんです。今でも食事の時などマスクを取る機会はあります。目の前の人がマスクを取った時、また自分でマスクを取る時、ものすごくドキドキしますよね。その瞬間を楽しめる素晴らしいモーメントにできるのではないでしょうか。今は、自分をケアする気持ち、自分の気持ちを盛り上げることが大事。マスクをとるXデーのためにではなく、今日からやってみてほしいんです」
右から、
「UNMIX モイスチャーリップスティック グロウ」01 レッドローズ(4月1日発売)
「UNMIX モイスチャーリップスティック ステイン」01 レッドローズ(4月1日発売)
「UNMIX モイスチャーリップベース」(4月1日発売)
「UNMIX モイスチャーリップスティック グロウ」02 ピンクサファイア(5月1日発売)
「UNMIX モイスチャーリップスティック グロウ」03 サンセットオレンジ(6月1日発売)
「UNMIX モイスチャーリップスティック グロウ」04 フィグ(7月1日発売)
※リップスティックは各3,960円、リップベースは3,630円
「血色は生命感であり、唇は女性の美しさに最もつながるもの。華やかさだったりセクシーさだったり。生まれ持っている唇の質感を活かし、薄い化粧膜で色とツヤ、きらめきを与えます」
吉川さんは、「キッカ」の時から〝5分の2発色〟というリップスティックを出していました。今回の「UNMIX モイスチャーリップスティック」も、とても薄い化粧膜によって自分なりのリップの色を作ります。この〝超薄膜〟は、ソリッドオイルを配合したことで実現。そのため硬めに作られていますが、スルスルと伸びるのでまったく痛くなく、ピタッとつく感触が絶妙です。ティッシュオフしたり、リップブラシで馴らしたりする必要がなく、ちょっとくらい触ってもくずれません。マスクを取る瞬間になっても慌てなくていいんですよね。保湿力にも優れており、純度を高めたホホバ種子オイル、アボカドオイル、オリーブ果実オイル、ヒアルロン酸などが配合されています。
「このリップで直接唇に塗ると、真ん中が当たって両端がつかないんですね。輪郭を自然にぼかしたいと思っていて。輪郭を描くと自分の唇の特徴が必要以上に目立ってしまうので、自然にぼかしたほうが自分らしくなるから」
「シャネルの『ルージュ ココ シャイン』が出たときに、あ、この丸みってスタンダードになるな、と思った」と吉川さん。そこから発想して、もっとカーブを大きくしているそうです。直接塗るだけでエフォートレスな印象になるので、そこもありがたい点です。
「年齢を重ねていくと赤みだけ減っていくんです。だから少し赤を足すといいんですね。だけど決して、いわゆる赤い唇になってほしいわけじゃないんです。一般的にくすみと呼ばれるかげりは、唇に表情をもたらすことができます」
そのかげりをニュアンスとして加えたのが、「01 レッドローズ」。グロウとステインの2タイプがあります。どちらも透け感があるので、人によって違った発色に。グロウはツヤというより、独特の〝濡れ感〟でみずみずしい唇になります。ステインは透明感のあるセミマットで、落ち着いた雰囲気を与えながら自然な仕上がりに。
「UNMIX モイスチャーリップベース」は上につけるリップスティックの色がきちんと出るように、色もちを高めるためのものです。リップクリームをつけた後に唇の上で口紅が滑ってうまく塗れなかったり、色がきれいに出づらい経験があるはず。このリップベースは、唇の表面を適度に均一に引っかかる状態にしているので、その心配がありません。また、艶を抑えてセミマットの口紅をつける際、質感に影響しないようにしています。もちろん10種の保湿成分によって乾燥対策と、SPF24で紫外線対策も万全。
限定色はありません。今後出る新色もすべてが定番になるのが嬉しいです。私の一番好きな色は「03 サンセットオレンジ」。控えめなゴールド感とフレッシュで生き生きとした大人のオレンジカラーが新鮮。自分の唇の色とミックスして浮かない旬の唇になれます。
右から、01 レッドローズ(グロウ)、01 レッドローズ(ステイン)、02 ピンクサファイア(グロウ)、03 サンセットオレンジ(グロウ)、04 フィグ(グロウ)
「【UNMIX】とは〝混じり気のない〟という意味。今は社会からいろいろと言われがちな時代ですよね。社会生活の中でバランスを取ることは大切です。でも、自分を大事に思う気持ちの中に〝社会〟は存在しないですよね。自分に対する愛情は100%自分中心でいいと思っています。この名前には、あなた自身を愛せるように、という思いが込められています」
自分自身の素の肌を活かして好きになれるように、私たちでも吉川さんのテクニックがひと塗りで再現できるように、細部まできちんと作られたコスメ、これからもずっと期待しています。そしていつか、私的キッカの名品だったアイライナーとマスカラのバージョンアップ版が出るのを、お待ちしています。
〈Information〉
UNMIX オフィシャルサイト https://unmixbeauty.com/
※、2021/4/1(木)より、UNMIXオンラインストア、イセタンミラー(首都圏17店舗)、meeco、アットコスメトーキョー、アットコスメショッピングにて発売開始。
文・撮影/編集I
編集I/ビューティ編集歴30年。愛ある視線で厳しく化粧品を選ぶ。アジアエンタメ、「NODA MAP」、「大人計画」関連好き。美ST本誌で連載「新・名品コスメの殿堂」が2020年1月号から再開。私のイチオシ韓国俳優、ピョン・ヨハンさんが、公開中の日本映画『太陽は動かない』に出演中です。予想以上に出番が多く、造型が洒落ていてかっこいい(衣装替えもたくさん)! アクションも韓国語、英語、中国語(留学していたので上手)、日本語、スペイン語?での台詞もバリバリです。コロナで公開が遅れてしまったけど、最初の日本映画出演がこの映画で良かった! 吉田修一さんの原作小説を読んでから観ましたが、主人公の少年時代と現在のシーンが交互に出てくる演出がとても上手く編集されていました。とにかくアクションのレベルがものすごく、主演の藤原竜也さんと竹内涼真さんが素晴らしいです。ぜひ映画館で観ていただきたいです。
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2024年12月16日(月)23:59まで
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