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夜中に何度もトイレに起きる、映画館ではトイレに行くために途中退席をしがち、トイレに行けないから交通渋滞が怖い、などのお悩みを抱えていませんか?頻尿だと、生活が不便に感じますよね。頻尿の原因には感染症やストレスなどが挙げられますが、適切な対処をすれば改善を目指せる場合があります。今回は、頻尿のメカニズムに加え、セルフケアの方法をご紹介します。セルフチェックもありますので、ご自身の症状を確認してみてください。
まずは、頻尿の原因についてご紹介します。頻尿の主な原因は以下の5つです。
過活動膀胱では、突然トイレに行きたくなることがあります。尿があまり溜まっていなくても、膀胱が勝手に収縮するためです。トイレに行くまで我慢ができず、尿失禁を起こす場合もあります。
尿路感染症にかかると、トイレに頻繁に行きたくなる場合があります。尿路感染症は、細菌が膀胱などに感染して起こります。細菌の感染は、膀胱が炎症を起こす原因になります。この炎症が刺激となって膀胱が収縮し、尿意が近くなります。
眠りが浅いなどの睡眠障害は、頻尿を引き起こす原因のひとつです。睡眠障害は心身にとってのストレスとなり、交感神経を優位にします。交感神経は膀胱を収縮させるため、頻尿を引き起こす可能性があるのです。
食べ物や飲み物には、利尿作用があるものもあります。たとえば、カフェインやカリウムを多く含む、コーヒーや紅茶、コーラ、バナナやスイカ、きゅうりなどです。こういった飲食物は尿量を増やし、結果として頻尿を引き起こす可能性があります。
頻尿は、重大な疾患のサインである可能性もあります。子宮筋腫や前立腺肥大などの疾患でも、頻尿の症状が出ることがあるのです。頻尿が一時的なものでなく、しばらく続いている場合は医師に相談しましょう。
頻尿の症状を確認できるセルフチェック(*1)を用意しました。当てはまる症状にチェックを入れてみてください。
□ 1日8回以上トイレに行くが、尿量は少ない
□ 突然尿がしたくなる
□ トイレに行くまで間に合わず、尿をもらすことがある
□ 残尿感がある
□ 尿を我慢すると下腹部が痛む
ひとつでも当てはまる症状があった場合は頻尿の可能性があるため、病院での受診を視野に入れましょう。加えて、セルフケアでの改善方法も試してみるのがおすすめです。
頻尿改善のためにできるセルフケアをご紹介します。
下半身の筋肉を鍛えることは、頻尿対策に有効です。スクワットなどを取り入れ、下半身の筋肉を鍛えましょう。特に、骨盤底筋を意識したトレーニングがおすすめです。
❶まず、足を肩幅に広げ、ひざを曲げながらゆっくりと腰を落としていきます。
❷ひざが90度に曲がるところまで行ったら、ゆっくりと戻ります。
このとき、ひざがつま先より前に出ないように注意しましょう。また、戻るときに肛門のあたりにぎゅっと力を入れると、骨盤底筋にアプローチできます。最初は10回程度から始めて、毎日少しずつ回数を増やしましょう。1日3セット、週に3〜4回程度の継続的なトレーニングが効果的です。
お腹周りを温めると血行が促進され、膀胱の機能が改善する場合があります。カイロなどを使ってお腹を温めてみましょう。腰のあたりや下腹部に貼るのがおすすめです。
夏は、冷房に当たりすぎて体が冷えないよう注意しましょう。すぐに羽織れるような上着を持ち歩いたり、夏用腹巻を着用したりするなど、お腹周りを冷やさない工夫が必要です。
膀胱トレーニングや尿意コントロールも頻尿の改善におすすめです。
膀胱トレーニングでは、トイレに行きたくなっても5分程度我慢します。慣れてきたら、トイレに行く間隔を10分ずつなど徐々に延ばしていきましょう。トイレを我慢している間は他のことに集中し、なるべく尿意を忘れるように心掛けましょう。自宅にいるときに行うと安心です。
尿意コントロールは、尿意を一時的に抑える効果が期待できます。尿意を感じたとき、肛門のあたりにぎゅっと力を入れます。 この状態を数秒キープしたあと、力を抜いてください。この動作を行うと、尿意が一時的におさまるのを感じるでしょう。
塩分の多い料理や、利尿作用のある飲食物を控えるのも、頻尿に効果的です。塩分を摂りすぎると喉が渇き、水分を過剰に摂取してしまいます。1日の塩分量は、男性であれば7.5g未満、女性であれば6.5g未満を目指しましょう(*2)。また、果物はカリウムを多く含み、水分量も多い食材です。長距離移動や会議の前など、長時間トイレに行けないシーンでは食べ過ぎないように注意しましょう。飲み物であれば、コーヒーや紅茶、コーラなどは控え、水や麦茶を選ぶのがおすすめです。
「頻尿をどうにかしたい」という方には漢方薬もおすすめです。頻尿は、睡眠障害や飲食の影響などに加えて、加齢による腹筋や膀胱の筋力の低下やストレス、過剰な排泄を抑えるはたらきの低下などが原因として考えられます。そのため、膀胱の機能を正常化する、ゆるんだ筋肉を引き締める、自律神経の乱れを整え、排尿のコントロールを改善するなどの作用をもつ漢方薬を選び、頻尿の根本改善を目指しましょう。
トレーニングを継続するのは大変という方でも、漢方薬なら毎日飲むだけで頻尿の緩和を目指せます。また、漢方薬は心と体のバランスを整えるので、頻尿だけでなく、さまざまな不調の同時改善が期待できます。
胃腸が弱く疲れやすい人に。頻尿の他、残尿感、排尿痛にも用いられます。
疲れやすく手足の冷えがある人に。頻尿の他、排尿困難やむくみなどにも用いられます。
ただし、漢方薬を選ぶ際、その人の状態や体質に合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。
頻尿は、日常生活に影響を与えることがあります。頻尿の原因としては、感染症や睡眠、飲食物などが挙げられます。また、子宮筋腫などの疾患も頻尿を引き起こす場合があるため、必要に応じて病院への受診も検討しましょう。
北里大学卒業後、産婦人科門前の調剤薬局で働く中で、女性特有の不調に悩んでいる方が多いと実感。漢方薬による根本治療の大切さを広めたいと考え、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、精度の高い漢方をお手頃価格で提供するオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師としてサポートを行う。あんしん漢方(オンラインAI漢方)はこちら
参考
(*1)未病女子navi 頻尿のセルフチェックhttps://joshi.me-byo.com/knowledge/selfcare/selfcheck12.html
(*2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版 『日本人の食事摂取基準』 266-272, 2019 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
編集/根橋明日美
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