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「最近、目が疲れやすい」「夕方になると目がかすむ」このような目の悩みを抱えていませんか?40代、50代になると、疲れ目に悩む方が増える傾向があります。慢性的な疲れ目は、生活に支障が出て困りますよね。今回は、疲れ目の原因やケア法についてご紹介します。
疲れ目の主な症状は、目の充血や乾き、痛み、しょぼしょぼするなどです。疲れ目が悪化すると、肩や首のコリ、頭痛、吐き気、めまいなど目以外にもさまざまな体の症状に繋がることがあります。また、単なる疲れ目ではなく、なかには「白内障」「緑内障」「眼瞼下垂」などの病気が隠れている可能性もあるので、症状がひどい場合はかかりつけの医師や薬剤師に相談しましょう。
以下では、40代以降の疲れ目の原因を3つご紹介します。
目の周りにある筋肉「毛様体筋」は、ピント調節の大きな役割を持っています。40代以降に目が疲れやすくなるのは、毛様体筋の収縮力が低下し、ピント調節が大変になるためです。また、パソコンやスマホなどを長時間見ることも、毛様体筋の負担になるので、目の疲労の原因になります。
ピントを合わせるには、目の表面が涙に覆われて滑らかになっていることが必要です。しかし、40代以降は涙の量が減り目が乾きやすくなるので、通常ならピントが合っている状態でもぼやけて見えてしまいます。よって、目のピント調節機能を酷使することになり、目が疲れてしまうのです。
目に栄養素や酸素が足りない場合、疲労が回復しづらくなるので、疲れ目が悪化します。40代以降は、食べる量の減少や肝臓機能の低下で栄養が不足しがちです。また、ストレスや睡眠不足などで自律神経が乱れ、血液循環が悪くなることも目に栄養がいきわたらなくなる原因になります。
「疲れ目を自分で何とかしたい」という方へ、簡単なケア方法を5つご紹介します。
目の周りを温めると血流が良くなり、目に栄養素や酸素が運ばれて疲れ目が軽減されます。目の疲れを感じたら、ホットタオルで目元を温めましょう。濡らしたタオルを電子レンジで30〜40秒ほど加熱し、やけどしない温度に冷ましてから目に乗せるだけなので手軽にできます。また、市販品のホットアイマスクを使うのもおすすめです。
目の体操で、目の周辺の筋肉の緊張をほぐすと、疲労が和らぎます。眼球を上下左右に動かしたり、ぐるぐる回す動きを気持ちいいと感じる程度に繰り返しましょう。ほかにも、目をぎゅっと強く閉じてから大きく開く動きも、目の疲れを緩和します。
目の疲労回復には栄養素が必要です。バランスのいい食事を意識しつつ、目にいいとされている「ビタミンA」「ビタミンB群」「アントシアニン」「ルテイン」などの成分を食材やサプリメントから摂取しましょう。
右手の親指と人差し指で、目頭の内側の上方のくぼんだ部分をつまむようにします。ゆっくり円を描くように押しながら、ぎゅっと目を閉じます。1分間ほどマッサージすれば効果的です。
慢性的な疲れ目の場合、原因一つひとつに対処するのではなく、漢方薬で根本改善を目指すのもおすすめです。疲れ目は、腎臓や肝臓の働きが低下し、目に必要な栄養や潤いが足りなくなることが原因と考えられています。そのため、水分調節に関係する腎臓の機能を良くする働きをもつ生薬や、筋肉の緊張をほぐし、肝臓から目に栄養や酸素を届ける血流改善作用のある生薬を含む漢方薬を選ぶと良いでしょう。水分や血液の循環を良くすることで、目の栄養不足や筋肉の緊張などの症状を同時に改善できるのが漢方薬のメリットです。以下では、疲れ目におすすめの漢方薬を2つご紹介します。
体力が中等度以下の方向けの漢方薬です。加齢により腎の機能が低下した方、めまい・耳鳴り・難聴・ひざや腰のだるさ・手足のほてりなどの症状がある方に適しています。肝と腎を補い、目のかすみや疲れ目も改善します(※1)。
体力があまりない方向けの漢方薬です。腎の働きを高めることで、かすみ目、疲れ目、目の痛みを改善します(※2)。
漢方薬は、自分の状態や体質に合うものを選ぶことが重要です。うまく合っていない場合、効果を感じられないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、必ず医師や薬剤師など、漢方薬に詳しい人に相談しましょう。
疲れ目は、かすみ目や目の痛みなどの症状だけでなく、顔全体の印象にも影響します。疲れ目対策には目のケアも大切ですが、専門家に相談して漢方薬で内側からアプローチするのもおすすめです。疲れ目から解放され、美しく健康的な瞳を手に入れましょう!
「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)の薬剤師。お薬最適化薬剤師。認定運動支援薬剤師。就実大学薬学部卒業。病院薬剤師として約7年間勤務後、漢方薬局で2年間勤務。「生涯健康で楽しく」をスローガンに病気を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。また、「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーにお薬の選び方を広める活動や、ファスティングマイスターとして100名以上のファスティングをサポート、TiktokやInstagramでファスティング・美腸の普及活動も行っている。Medicalhealthチャンネルに出演中。
[参考URL]
(※1) 小太郎漢方製薬株式会社 漢方処方解説「杞菊地黄丸 (こぎくじおうがん)」
https://www.kotaro.co.jp/kampo/explain/kogikuzio-exp/
(※2) 小太郎漢方製薬株式会社 漢方処方解説「滋腎明目湯 (じじんめいもくとう)」
編集/安岡祐太朗
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