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40代、50代になってから体臭が気になる。自分のにおいが自分ではわからなくて心配…。そんな悩みを抱えていませんか?歳を重ねると更に気になってくる体臭。男性の悩みというイメージが強いかもしれませんが、もちろん女性にも体臭はあります。今回は、体臭の原因とにおいを抑える方法をご紹介します!
はじめに、体臭の種類を3つご紹介します。
1-1.加齢臭
加齢臭は、40代〜50代の男女に多く見られます。汗のにおいやワキのにおいとは別物で、背中から生じて「古い油のようなにおい」と表現されることが特徴です。加齢臭の原因は、皮脂に増えるノネナール。ノネナールは油臭くて青臭いにおいを発する物質で、年齢を重ねると体内で生成されやすくなるため、加齢臭が生じます。
1-2.ミドル脂臭
ミドル脂臭とは30代半ば〜50代の男女に多く見られ、「枕が臭い」場合にはミドル脂臭の可能性が高いでしょう。ミドル脂臭は首や後頭部から生じるにおいで、こちらも「古い油のようなにおい」と表現されることが多いようです。ミドル脂臭の原因はジアセチルという物質。汗を作り出す機能が低下すると、汗の中に乳酸が分泌されるようになり、皮膚の上に常在するブドウ球菌により乳酸が分解されることで、ジアセチルが生成されます。また、ミドル脂臭は加齢臭よりもにおいが強いため、厄介な存在です。
1-3.口臭
口臭は、40代の女性で一番強いといわれています。大きく分けて、生理的口臭と病的口臭の2つがあります。生理的口臭は、唾液の分泌量が少ない場合に、口の細菌が増殖して口臭が強くなることを指し、生活習慣の改善や時間の経過により気にならなくなるものです。対して、病的口臭は歯周病や歯垢、舌苔などの口腔内問題が原因で生じます。こちらは日々のケアでは改善できないため、歯科医院でのケアなどが必要になります。
年齢を重ねると体が酸化し、30代~40代ではジアセチルの分泌量が、40代〜50代ではノネナールの分泌量が増えるため、体臭が生じやすくなってしまいます。また、日々の食事で動物性脂肪を多く摂っていると、酸化しやすい体になり、早いうちから体臭が気になりだしてしまうかもしれません。動物性脂肪は「飽和脂肪酸」を多く含んでおり、コレステロールや中性脂肪の原料となります。コレステロールや中性脂肪が増えると、過酸化物質の分泌量が増えて体の酸化が進んでしまうのです。
体臭の原因が分かったところで、次に体臭を抑える方法に着目していきましょう! 自分のライフスタイルに組み込めそうなものには、ぜひ挑戦してみてくださいね。
3-1.食生活を改善する
まずは、体の酸化を進める食材を減らすことを心掛けましょう。たとえば、動物性脂肪の摂取を減らすことです。動物性脂肪を多く含む食材には、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類や、ラード、バター、牛乳、生クリーム、チーズなどの乳製品があります。ほかにも、酸化した油脂を使用する揚げ物に注意しましょう。ジャンクフードや唐揚げ、天ぷらなどがこれに含まれます。これらはとても美味しい食べ物ですが、直接過酸化物質を摂取してしまうことになるため、できるだけ減らすようにしましょう。
3-2.汗腺を鍛える
汗腺を鍛えることで汗がサラサラになり、乳酸が生じにくくなるため、体臭を抑えることができます。汗腺を鍛える方法としては、有酸素運動と半身浴がおすすめです。ウォーキングやストレッチなどの適度な有酸素運動をするといいでしょう。日々、少しの時間であっても運動を取り入れることで、代謝がよくなり、発汗しやすい体を作ることができます。半身浴は、36℃程のお湯で10分〜15分間、みぞおちあたりまで浸かるのがおすすめです。体の芯から温まることができ、じんわりと汗をかくことができます。
3-3.腸内環境を整える
腸内で悪玉菌が増えると、腸内のたんぱく質を分解することで、アンモニアなどのにおい物質を生成してしまいます。そして、腸で生成されたアンモニアなどのにおい物質は、腸から血管に入り、体臭としてあらわれるのです。腸内環境を整えるためには、善玉菌を活性化させる食品を摂るようにしましょう。食品の例としては、ヨーグルト、キムチ、納豆、漬物、味噌などが挙げられます。これらを積極的に食事に取り入れて、腸内環境を整えましょう。
3-4.漢方薬で体臭を抑える
体臭を抑える方法のひとつに漢方薬があります。体臭には「水分の循環を改善して体内の余分な老廃物を排出する」「血流の改善によって汗腺の働きを回復したり、胃腸の働きをよくすることで腸内環境を整える」などの作用をもつ漢方薬を選ぶのがおすすめ。血行や水分の循環が改善されると、栄養と酸素が全身に届けられることで、疲れにくく、イライラなどのストレスに負けない体を手に入れられます。
腎臓の働きが低下した状態を改善する漢方薬です。歳を重ねると、腎臓や膀胱などの水分の代謝を調整する器官が衰え、口の渇きや疲れ、手足のしびれといった症状が出てくることも。口が渇くと、口臭が生じやすくなってしまいます。知柏地黄丸は、このような症状に用いられることがあり、症状を和らげる効果が期待されます。
体臭の元になる汗のコントロールをする漢方薬です。水分代謝を調整して、むくみや多汗を改善します。
疲労感が続く人の衰えた胃腸の働きを活発にし、代謝を高めてくれます。代謝改善によって体の疲れが取れやすく、乳酸が生成されにくくなり、多汗や体臭の改善が期待されます。
漢方薬を服用するときは、自分の体に合った漢方薬を選択することが重要です。自分の体に合わない漢方薬を服用したり、間違った組み合わせで服用したりすると、効果が出ないどころか、副作用が生じてしまうこともあります。必ず医師や薬剤師など、漢方薬に詳しい人に相談しましょう。
年齢を重ねると気になりだしてくる体臭。体臭が強いと人間関係にまで響いてしまう可能性があるため、放っておきにくい問題ですよね…。今回紹介した方法をぜひ試して体臭を改善し、悩みのない生活を送りましょう!
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」という生活を送るようになる。現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)はこちら
編集/安岡祐太朗
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