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小沢真珠さん(47歳)「牡丹と薔薇」を見た10歳の娘に言われた意外な一言は

2004年に放映された伝説的な昼ドラ「牡丹と薔薇」。美ST世代の中には夢中になった方も多いのではないでしょうか。そしてカルト的な人気を博すうえでの立役者となったのが、女優・小沢真珠さん。そのエキセントリックとも言えるセリフや演技は回を追うごとに熱を帯び、「牡丹と薔薇」は熱狂的なファンを生んだのです。「この役こそ、私の殻を破ってくれるかもしれない。そんな直感があったんです」。周りに心配されながらも直感を信じて身を投じた「牡丹と薔薇」との出合い、撮影エピソード、過激すぎると話題になったあのシーンの裏話まで、たっぷりと語っていただきました。

お話をうかがったのは…俳優・小沢真珠さん(47歳)

《Profile》

1977年1月3日生まれ。東京都出身。1993年、渋谷でスカウトされ事務所に所属。同年、ドラマ「神様の罪滅ぼし」でデビュー。その後も、映画『ろくでなしBLUES』、連続テレビ小説「甘辛しゃん」などに出演。2004年の昼ドラ「牡丹と薔薇」の香世役の強烈ないじめっぷり&女王様っぷりを熱演し人気を集める。その後は、ドラマや映画の他にバラエティ番組でも活躍。現在は10歳と8歳の女の子のママ。

27歳で出合った「牡丹と薔薇」が私の殻を破ってくれるという直感があったんです

16歳でデビューし、女優として模索していた20代前半を経て、昼ドラ「牡丹と薔薇」のオファーがあったのは27歳の時でした。台本を読んでまずびっくり!これまでも常識的な範囲での意地悪な役はやったことはありましたが、常軌を逸した意地悪な役はなくて(笑)。事務所の人は、これまできた仕事については「やってね」というスタンスだったのですが、「これ、大丈夫?」と初めて心配されました。
でももう私の中では「やる!」と決めていました。台本を読み終えた時、この役が私の殻を破ってくれる、という直感があったんです。それに、自分なら面白く演じられそう、と初めて思えた役でもありました。模索の時代を経て、理想の女優像や演じてみたい役柄が何となく具体的になってきた時でもあり、それを形にできるチャンスだ、とも。クランクインまで楽しみで、指折り数えたのを思い出します。

監督からの「もっとやれ!」に応え続けて、追いついたときにはガッツポーズ

とはいえ使ったことのないエネルギーで演じる役だったので、最初は大変でした。リハーサルで演じてみて、「もっと!もっとやれ!」と監督から怒号が飛ぶ。それでもっともっとで演じると、「本番ではもっとやれ!」と言われる(笑)。あまりの体育会系に「こんなにやってるのに!?」と辟易しつつ、「できません!」なんて絶対言いたくなくて、「向かいます!」という気持ちでした。

そうしているうちに「もっとやれ!」コールがなくなってきて。「私、追いついた!」と内心ガッツポーズ。監督達が求めるエネルギーに到達できたんだと思いました。そこからまたグッと香世という役を演じるのが楽しくなりましたね。ドラマは中盤に差し掛かっていました。当時脚本家さんはオンエアを観ながら脚本を書かれていたのですが、どんどん香世を面白く描いてくださるようになり、台本を渡されるたびに想像を超えてきて、「やばい…!けど、私、もっとやれる!」と舞い上がりながら臨んでいました。

バットを振り回すシーンは実はアドリブ。相手が奈々ちゃんだったからこそできました

監督の「自由に動いて、思い切り暴れろ!」のゲキで、本当に色んな引き出しを開けてもらえた現場だったのですが、やはり相手役の奈々ちゃん(大河内奈々子さん)の存在には感謝してもしきれません。何かのインタビューで奈々ちゃんが、「リアルな感じを出すために、小沢さんとはあまりコミュニケーションをとりませんでした」とおっしゃっていて。奈々ちゃんと私が不仲だとか色々言われたこともありますが、そんなことは全くないし、あえてコミュニケーションをとらない彼女の姿勢は同じ現場にいて少しも嫌ではありませんでした。コミュニケーションがなくてもお互いの間に強い信頼感があったので、私がどう暴れても上手く受け止めてくれると思えた。本当に器の大きな女優さんです。

後半でバットを振り回すシーンがあったのですが、あんな奇天烈なことができたのも相手が奈々ちゃんだったから。あのバットのシーンは、実はアドリブなんです。台本には「嫉妬した」とだけで、具体的な行動は書かれていませんでした。部屋の中にある物を使い、どうやって嫉妬と怒りを表現しようかと思ったら、咄嗟にバットが目に入って…。本番で私が何をするか、監督すらわからないんです。リハーサルはもちろんやるんですが、「本番はもっと違うことをやってくれるよね」って(笑)。自由にやらせてくれたから、私は私で、いかに監督をはじめ身近な演者やスタッフさんを驚かせるか、毎回サバイバルしていました。

「ボタバラ」を観た娘に、「ママ、あれはダメじゃない?」とお説教されています

「牡丹と薔薇」の放映から20年が経ち、今や長女が10歳、次女が8歳になりました。娘達には教育上良くないかな?と思って(笑)、「牡丹と薔薇」は観せないようにしていたんです。だけど実家に帰った時、何を思ったのか父が娘達に観せていて!私が芸能界に入ることに猛反対だった父も、今や私が出ているドラマやバラエティを楽しんでくれるファンのひとりになってくれていますが、まさか娘達にまでとは思いもよりませんでした。「牡丹と薔薇」を観た娘達からは、「ママ、あれはダメじゃない?」とお説教までされる始末。あれは演技だからね!と前置きをしたうえで、「ママがやってたああいうことは悪いことだからね。絶対に人にやっちゃダメよ」と、今では娘達への反面教師の材料にしています(笑)。

《衣装クレジット》

ブラウス¥14,500パンツ¥12,000(ともにバナナ・リパブリック)靴¥33,000(ツル バイ マリコ オイカワ)ピアス¥9,900リング¥9,720(ともにアビステ)

【ショップリスト】
アビステ  03-3401-7124
ツル バイ マリコ オイカワ  https://tsurubymarikooikawa.jp
バナナ・リパブリック  br_info@bananarepublic.jp

撮影/神谷美咲 ヘア・メイク/陶山恵実(ROI) スタイリスト/中村智香子 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希

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2024年11月号

2024年9月17日発売

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