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「我が子のためなら!」と思うがあまり、子どものちょっとした局面で、つい踏み込んだ干渉をしてしまっていませんか? 親としてはよかれと思ってやったつもりが、子どもから見れば「ただウザい親」になっていることも。実際にあったやりすぎエピソードをもとに、子どもとのちょうどいい付き合い方を専門家の方に教えていただきます。1回目は、距離感の難しい恋愛についてうかがいました。
\この方にお話をうかがいました/
家族問題評論家・エッセイスト。22年間の電話相談室勤務後、フリーライターとして新聞、雑誌、テレビ、講演等で活躍。『輝ける熟年』(東京新聞)、『孫ができたらまず読む本』(NHK出版)、『団塊世代の孫育てのススメ』(中央法規出版)など著書多数。
Oさんの息子は大学の体育会所属。最近Aちゃんという彼女ができ、試合も見にきているようなのですが、近くにいても知らんふりされたりとなかなか話す機会がなかったそう。
ひょんなことからAちゃんのお母さんの同級生と知り合いになり、Aちゃんの学生時代の様子や評判を根掘り葉掘り聞き出しているようなんです。
Oさんの家は代々由緒正しい家庭のようで、親族もほぼお見合い結婚。家柄を気にするのはわかるのですが・・・。
息子さんにも「彼女にするならこんな人、結婚するならこんな人」と食事のたびに言うので、最近は外で食事を済ませるようになったとか。
「”先手必勝”の母親を何気にスルーしている青春真っ盛りの彼らに拍手!出会いがあり、語り合い、恋をし、信頼や愛が育まれ、あるいは失恋する経験が若者を成長させます。モグラ叩きのように潰していたら、男性生涯未婚率25%か、30代で交際相手ナシ70%にまっしぐらでしょう。まずは「放し飼い」、結婚話になってから「私設興信所」をしても遅くはありません」(宮本さん)
Nさんは子供たちの恋愛に寛大なほうで、子供たちも彼氏彼女ができるとすぐ報告してくるそう。特に娘には相談されることも多く、お酒好きも手伝って彼氏含め3人で飲みに行くことも増え、彼氏とも打ち解けてタメ口で話す仲に。そこまでは良かったのですが、彼氏と母親がラインを交換。彼氏の「彼女が飲み会に行くから心配」「喧嘩した」といったラインにアドバイスをするようになっていきました。
娘さんは自分の知らないところで母親と彼氏が策略を練っていたりすることにうんざり。結局その彼氏とは別れてしまったそうです。
「若い人たちの反応は全員、「気色悪い」でした。「父親が息子の彼女と・・・」の逆バージョンなら「ほとんど犯罪」だとも。結婚後の家族団らんでもないのに、世代をまたいでワイワイノリノリとプライバシーに立ち入ってくる「無神経さ」が嫌だという人のほうが多いのです。それでもNさんの浮かれ行為で娘に彼の本性を気づかせたのは、結果オーライかもしれませんね」(宮本さん)
子どもの恋人情報を欲しいのは親の共通心理ですが、「秘すれば花」で美化したいのが恋の常道ですからね。まず若い世代だけで喜んだり悩んだりしてもらって、プライバシーに土足で踏み込むような真似をしないのが大人の度量でしょう。
失恋もまた、人生では不可欠な挫折体験です。批判がましいことを言わずに、落ち込むわが子に寄り添ってください。結婚話になってからが親の出番です。当事者たちの言動に直感的に不安や違和感を持ったら、調べるなり、問いただすなり、積極的に行動しましょう。のぼせたわが子の頭を冷やし、ときに泥をかぶる覚悟を持つのも親の仕事です。
1.「気がついたらマンホールに落ちている」のが恋で、落ちる穴を探し回る人はいません。恋路の邪魔はNG。失恋経験は人を成長させる必須要件です。
2.結婚を前提の付き合いを始めたときは、「本人たちのことだから」と決定責任の丸投げをしないこと。「年の功」で相手を見極めるのは親の仕事です。
3.子どもに嫌われたくないという忖度は無用です。親の反対に真摯に向き合うほどの根性がない相手だったら、断固として譲らないこと。それが親心です。
4.「友だち親子」は円満そうですが、意見が割れると「母子vs彼か彼女」の多数決になって彼か彼女を孤立させがち。親世代、カップル世代と棲み分ける努力が必要。
イラスト/室木おすし 取材/大佛摩紀 編集/浜野彩希
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