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千秋さんが語るポケビ復活と25年ぶり紅白出場…「今の世代に届けられてよかった」と語る歌も

昨年末、ポケットビスケッツとして25年ぶりにNHK紅白歌合戦に出場した千秋さん。1996年にリリースした代表曲「YELLOW YELLOW HAPPY」を変わらぬ美声で歌い上げるさまに胸を熱くした人は多いのではないでしょうか。千秋さんいわく「『YELLOW YELLOW HAPPY』は自己肯定感の歌」。そのメッセージを今の時代だからこそみんなに届けたいと思った、と話します。

まるで同窓会のよう!夢のようだった25年ぶり紅白歌合戦出場の裏側

お話を伺ったのは…千秋さん

《Profile 》
千葉県出身。タレント、声優、歌手、デザイナー。1991年、フジテレビのオーディション番組「ゴールドラッシュ!」で初代グランドチャンピオンとなり、芸能界デビュー。1996年にバラエティ番組「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ)の企画から生まれた音楽ユニット・ポケットビスケッツのボーカルとしてCDデビューし、ミリオンセラーを連発する。現在は「ノンストップ!」(フジテレビ系)金曜レギュラーほか、2006年から声優を務めるアニメ「ドラえもん」(テレビ朝日)のドラミ役などで活躍中。YouTubeチャンネル「千秋の歌YouTube」では「歌ってみた」動画や、ファッションや日常をテーマにしたコンテンツなどを配信している。

もしかしたら、私が歌を歌う人だっていうことを忘れている方がいらっしゃるかも知れませんね。若い世代の方では、そもそも「千秋が歌手なのを知らなかった」という方々もいるかと思います。
そういう状況のなかで昨年末の紅白歌合戦にポケットビスケッツとして25年ぶりに出場できたことは、私にとってすごくうれしい出来事でした。出場したことでファンの方々や家族、友人たちが喜んでくれたし、私が歌を歌う人だと知らなかった方々は「ただテレビで喋っている人じゃないんだ!」と思ってくれたんじゃないかな(笑)。

紅白では、ウッチャン(内村光良さん)やウドちゃん(ウド鈴木さん)とステージに立てたことはもちろん、ブラビ(ブラックビスケッツ)のみんなも一緒だったので、まるで同窓会のようでした。ポケビやブラビの誕生のきっかけになったテレビ番組「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」のメンバーに会うと、一瞬で25年前の空気に戻れるんです。またあの空気のなかにいられたことが、本当に夢のようで楽しかったです。

「YELLOW YELLOW HAPPY」は自己肯定感の歌。今の時代の人たちにこそ届いてほしい

紅白では「YELLOW YELLOW HAPPY」を歌いましたが、ポケビが活動していた当時応援してくれていた世代の人たちが「やっぱり好き!」と思い出してくれたり、当時を知らない若い世代の人たちからも「この歌すごくいい!」という反応をいただいたりしました。

ポケビの歌は私が作詞をしています。「YELLOW YELLOW HAPPY」は自己肯定感の塊のような歌。“もしも生まれ変わっても また私に生まれたい この体とこの色で 生き抜いてきたんだから”という歌詞そのままに、「自分のことが大好き!」ってみんなもっともっと言っていい。そういう考え方なら、もっと生きやすくなるはずです。
今って、SNSの発達で日常生活のあらゆることが他者から評価されますよね。着ている服、持っている物、作ったごはんまで。でもそれぞれの物差しで幸せなら、それでいいと思うんです。
そんなメッセージを「YELLOW YELLOW HAPPY」を通して今の時代の紅白で届けられたことが本当に嬉しかったし、「世の中にはこんなに大きな声で自分のことを大好きって言っちゃう人がいるんだな」っていうことがみんなの勇気になっていたらいいなと思います。あの歌を出した頃から時が経って、自分も母親という立場になったからこそ、よりそんな気持ちが強くなっています。

100冊の自作歌詞ノートで直談判。「絶対に歌詞は私が!」と思っていた

私は小さい頃から作詞家になりたかったんです。あとはお洋服が大好きだからデザイナーにもなりたくて。とはいえ歌を歌うことも切り離せないから歌手にもなりたかった。どれか一つに絞る必要はないと思っていて、でもどうしたらいいかなと考えた時、芸能人になれば全部できるんじゃないかと思ったんです。それが、私が芸能界を目指した理由です。

ポケビが結成されて曲を出すことになった時、作曲はパッパラー河合さんで決まっていたんですが、作詞は誰がやるのか決まっていませんでした。そこで番組のプロデューサーさんに「私がやりたい!」と直談判。今思えば新人のクセにいい度胸だなと思うのですが、どうしても作詞をしたかった。
そこで子供の頃から書き溜めた作詞ノートを100冊持ってプロデューサーさんたちに見せたんです。そうしたら「だったらやってみろ」と言ってもらえて。そうして誕生したのがポケビのデビューシングル「Rapturous Blue」です。
その流れで2曲目も私が作詞をすることになり「YELLOW YELLOW HAPPY」ができました。サビの“もしも生まれ変わっても〜”という歌詞は、私が書き溜めていたノートからパッパラーさんが見つけてくれた言葉です。その言葉を元にメロディーを作ってくれました。
私は自分が思ったことを正直に書いただけ。当時は自己肯定感の歌なんていう意識はなくて、この歌の持つ意味に気づいたのは自分が母親になってからなんですよね。絶世の美女ではないちんちくりんな私が歌うことで、みんなに「私も自分を大好きになろう!」と思ってもらえるんじゃないかな(笑)。

「嬉しい」も「悲しい」も全部自分の匙加減。そう思って前向きに生きてきた

私自身、子供の頃から前向きな人間だったと思います。クラスメートの動向やクラスのパワーバランスをすごく観察するような子供で(笑)、同時に人や自分の感情を分析する癖もあったんですが、分析するうちに「嬉しい」も「悲しい」も全部自分の匙加減だと思うようになって、ずっとそう考えて生きてきました。
例えば中学生の時、友達が泣いていたんです。「なんで泣いてるの?」と聞いたら、「片想いの子に告白したら上手くいかなくて失恋した」って言うんです。「上手くいくって思ってたの?」「上手くいかないとはわかってたけど」「わかってたんならなんで悲しいの?」ってどんどん聞いていくと、「うーん、なんでだっけ?」ってなるんですよね。
告白して振られたから悲しい。受験で失敗したから悲しい。でも実は「悲しい」と思うかどうかは自分で決められる、と私は思っているんです。
振られても好きなら好きでい続ければいいし、また別のもっと素敵な人を好きになったっていい。受験で失敗したって別の明るい道が開けるはず。こじつけでも何でもいい。落ち込んでごはんも食べられずそれが1週間続いてるなんて、すごくもったいない気がします。だったら気持ちを切り替えていいほうに考えたいですよね。

ポケビは紅白で一夜限りの復活をしましたが、私は今YouTube(「千秋の歌YouTube」)をやっていて「チャンネル登録者数100万人を達成すれば、ポケビ復活!」と掲げているんです。ウッチャンもウドちゃんもそれを了承してくれていて。昔「ウリナリ」の企画で、ポケビの「POWER」という曲はリリースするために100万人の署名を集めなくてはならなかったのですが、蓋を開けてみると180万人近い署名が集まったことがありました。あのときのように絶対達成したいと思っています。ポケビでやりたいことや歌いたい歌が、いっぱいありますから。

《衣装クレジット》
ブラウス・ベルト付きスカート・シルバーネックレス/Jane Marple  パールネックレス・イヤリング/スタイリスト私物 リング/本人私物

撮影/寺田茉布(LOVABLE) ヘア・メイク/anna スタイリスト/小松未季(ROOSTER) 取材/キッカワ皆樹 編集/根橋明日美

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千秋さんが語るポケビ復活と25年ぶり紅白出場…「今の世代に届けられてよかった」と語る歌も

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2024年11月15日発売

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