PEOPLE
ニューノーマル時代真っ只中を生きる私たちにとって、今までにない不自由な日常はストレスの連続。そんな時こそ、五感を研ぎ澄まして自分にとっての本当の心地よさを追求し、ざわつく心を癒したいもの。女優常盤貴子さんのとっておきの心の整え方を伺いました。
筆を持って集中する時間は、私にとって〝無になれる時間〞。無心に立ち向かうことで気持ちもキリッと引き締まります。小学生の頃に好きだった書道のお稽古を再開して早5年。なかなかコンスタントに通えず、ゆるゆるとしたペースですが、何事もとりあえず始めて継続してみると、気づけば時間も経験も積み重なり、確実に得るものがあるんですよね。
お稽古は硯で墨をするところから始めますが、だんだん濃くなってゆく墨の色や硯のひんやりした感触、音、心地よい香りを感じながら、ひたすら単純作業に没頭することで日常から離れていく過程が好き。ひと筆ひと筆に神経を集中させて筆のしなりを感じながら運ぶ。さらに文字の意味を考えたり文字そのものの美しさを堪能したり、書道は五感を総合的に刺激するアートだと思います。家でお稽古する時は、キャンドルを灯して和服で机に向かうことも。コスプレ感覚で非日常の雰囲気を作ることでより気持ちが上がるんですよ。
書道に限らず音楽や本、アートなどは自分の中で眠っている未だ見ぬ感覚を呼び覚ます最高の手段。五感が刺激されて脳が活性化して閉じていた扉が開き、自由な気が溢れ出すんです。常識で凝り固まってしまった自分の感性を解き放って、違う一面を引き出すための必需品ですね。日常空間の中にささやかなハッピーを見出して楽しむことも大好き。最近は、自宅で育てている植物の成長に夢中です。常にこちらの想定を覆して自由奔放に育っていく自然の造形ほど面白いものはない! 動でも静でも、無になり集中できることは心のリセットやリフレッシュに繋がりますね。
《Profile》
常盤貴子さん・女優
’72年神奈川県出身。’91年のデビュー以来、国内外のドラマ、映画に多数出演し日本を代表する女優として活躍中。大林宣彦監督の遺作となった『海辺の映画館-キネマの玉手箱』絶賛公開中。
お稽古の後に自筆の書を眺めることも五感を刺激する楽しみのひとつ。その時々の自身の心模様が文字に表れることも。
硯に水を注いで墨をする作業は書道の始まりの儀式。色の塩梅を計りながら仕上げていくうちに漂い始める墨の香りが非日常へと誘う。
➊アーティスト鈴木康広さんデザインの「りんごのけん玉」とそれをモチーフにした絵本『りんごとけんだま』。見方を少し変えてみると〝見慣れた現実〟が想像力豊かな世界に。鈴木さんの柔軟な発想力に常盤さんも心酔。
➋旅先でも東京でも骨董屋さんを覗くのが好き。のせるお料理が想像できて毎日使えることが購入の決め手。
➌『野のなななのか』『The ROSE』『さらば、わが愛』。心に触れる名画3選の中でも故大林宣彦監督との初共演作である『野のなななのか』は女優人生の礎となっている大切な一作。
➍想像力を駆り立てられる詩集や絵本が好き。突出した自由な発想力で描かれたヘンリー・ダーガーの絵本『In the Real ms of the Unreal』としなやかな女性らしさの中に凛とした潔さを感じる『茨木のり子全詩集』は折に触れて開く名著。
2020年『美ST』12月号掲載
撮影/彦坂栄治〈まきうらオフィス〉(人物)、尾島翔太(静物) ヘア・メーク/板倉タクマ〈nude.〉 スタイリスト/市井まゆ 取材/森島千鶴子 編集/漢那美由紀
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