2016/6/20 PEOPLE

『アドラー心理学』ってキレイになれる!?

嫌われる勇気を持つってどういうこと？ベストセラー『嫌われる勇気』の著書でアドラーブームの火付け役となった哲学者、岸見一郎さんに、今なぜアドラーが人気なのか聞いてみました。

人間関係が複雑な現代にこそ〝アドラー〟が必要です

アドラー心理学は時代に求められている

精神科医アルフレッド・アドラーはフロイト、ユングと並ぶ「心理学界の3大巨頭」。
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』（ともに岸見一郎・古賀史健／ダイヤモンド社）各￥1,500 合わせて150万部を超えるベストセラー。

自分なりに美しくあればいい！「嫌われる勇気」を持てば楽に生きられます

アドラー心理学は「どうしたら人は幸せに生きることができるか」という問いに、具体的な答えを示したものです。現代社会は情報量が多く人間関係も複雑で、生きにくいと感じている人が増えている。だからこそ、物事をシンプルに考える、アドラーの言葉が受け入れられるのでしょう。アドラーは「世界が複雑なのではなく、あなたが世界を複雑にしている」と指摘します。つまり、あなたの考え方が変われば、世の中はもっとシンプルで生きやすくなるのです。

そうはいっても、「持って生まれた性格や考え方はそう簡単には変えられない」そう思う人もいるかもしれません。でも、人は誰でも変われます。「変われない」と思っている、その性格すらあなた自身が選びとったものなのです。今のあなたを語るのに、過去の出来事に原因を求めるのも間違っています。「トラウマ」など存在しない。過去の経験にどんな意味を与えるかは、あなた自身が決めること。どんな体験も失敗も、受け止め方次第で意味が変わってきます。

では、どうしたらシンプルに考えることができるようになるのか。それは「嫌われる勇気」を持つことです。多くの人は「人からどう見られているか」に囚われています。でも、「どう見るか」は結局、他人が決めること。ほかの人があなたをどう評価するかは、その人の課題であって、あなたの課題ではありません。アドラーは「自由とは他人から嫌われることである」と言っています。人に褒められるために、他人の価値観に従って生きるのは、不自由なこと。「人から認められたい」という気持ちから解放されたら、対人関係は驚くほど楽になります。人から褒められたり、評価されたりしなくても、自分の価値を自分で認められることが、アドラーの言う本当の「自立」です。同じように、他人の価値観を変えようとするのも不健全なこと。夫や子供がいうことを聞かないと嘆くより、自分自身が変わるのです。「他人はあなたの期待を満たすために生きているのではない」とアドラーは言います。厳しい言葉ですが、人から愛されるかどうかは自分では決められない。でも、愛されるに値する努力は必要です。

人は自分に自信がないから人より優位に立とうとして競争する。劣等感の裏返しです。自分が「美しい」かどうかは、勝ち負けじゃない。あなたがあなたなりに美しくあればいいのです。人と比べなくても、ありのままの自分で魅力があると思えることが大切。何が与えられたかではなく、与えられたものをどう使うかを考えてみてください。