PEOPLE
私が主人と知り合ったのは、20代後半、会社の同僚、仕事仲間としてでした。
同じ部署の同じチームでたくさんの大事な企画を任され、常に一緒に動いていたので、心が通い合い、助け合っていくうちに、どちらからともなく自然に好きになり……なんとなく結婚まで発展していた、という感じでした。

主人は、いわゆるイケメンで仕事ができる人。
会社ではもちろん、取引先でも“モテオーラ全開”でした。
女性からのアプローチが耐えない人で、私という妻がいることを知りながら、理不尽にも誘ってくる女。それにまた主人も平気で答えてしまう。
接待と称して、結婚指輪をはずして夜の盛り場に出かけて行くことも少なくはありませんでした。
何をしているんだか……と疑うときもしばしばありましたが、「接待だから」ときつく言われるとなにも反論できなくなってしまい、密かに調べることもなく、“放し飼い”状態でした。
まさか主人は私を裏切ることまではしないだろう、とどこかで根拠のない信頼感を抱いていたのだと思います。
結婚5年目の35歳のとき、そろそろ子供が欲しいということもあり、私は会社を辞めて
家事に専念することにしました。
夫も、そのほうがいいという話し合いで私が家に落ち着いていたのにも関わらず、仕事、接待の数が今までの倍以上に膨れ上がったと、夜も休日もなにかと理由をつけては私とは一緒に行動しなくなりました。
仕事も辞めた、子供もいない、夫はまったく私に関心がない……。
そんな空虚な日々が1年以上続きました。
もちろんこんな生活ですから夫婦生活は何年もまったくありませんでした。
私は主人のことを愛していたからこそ、彼を求め、子供も欲しかったんです。
でも私のことを受け入れてくれない……。
肌の触れ合いもなく、挙句の果てには、ふたりのためのダブルベッドに夫と一緒に寝ることがなくなりました。

なんとも言葉では表せないくらい悲しい、虚しい毎日でした。
それでも夫を疑う気持ちは1ミリもなかったんです。
夫のどこを信じていたのか、信じる気持ちがどこから湧き上がってきていたのか、今となってはまったくわからないのですが……。
夫婦生活がない=浮気をされている、なんていう発想には考えが及びませんでした。
でも……、
やはり恐れていた、信じられないことが起こりました。
主人は、私と結婚する前から、既婚で子供もいる得意先の女性と、8年以上不倫関係を続けていたのです。
接待と信じていた夫の時間すべてがその女性との密会だったのです。
それは、思いもよらぬきっかけで発覚しました。
夫のライバル会社の社員が、探偵を雇って調べぬき、夫の素行の悪さが発覚、大口の契約も破棄させられたのです。その噂が一気に流れ、仕事の失敗だけでなく、愛人の存在のことまで私の耳に入ってきたのです。
私は、家事はもちろんのこと、会社関係の夫婦で出席するパーティやホームパーティでのホステス役はあたりまえのようにこなし、自他共に“いい夫婦”のつもりで、以前の同僚や友人にもさらしていたので、今さら、みっともないような、裏切られた気持ちでいっぱいでした。

いったい私たちの結婚生活はなんだったんだろう……。
やり場のないこの気持ちをどのようにして処理したらいいのか……。
「離婚」。
そのなかには「恨み」「仕返し」「自殺」のような今まで考えたこともない恐ろしいことまでもがありました。
心もからだも冷え切っていたのです。
そんな自分が嫌になって、悶々とした月日を過ごしていたある冬の日、どこかへ一人旅に出かけたくなり、知らず知らずの間、何時間も車を走らせ、雪国に向かっていました。
日が暮れていくと別世界のような荒れた天気に変わっていき、

まるで、世界から取り残されたような、ひとっこひとりいない寂しい道で、
激しく降る雪にそのまま連れて行かれ、二度と戻れなくてもいいというような思いになっていきました。
心から信じ、最愛だと思っていたはずの夫にずっと裏切られていたのですから……。
気がつくと、私の目からは涙が止め処もなく溢れ出していました。
からだを切るような横殴りの細かい雪は全ての視界を遮ぎり、恐ろしい大きな冷たい手が私をどこかへさらっていくような感覚に襲われました。
そのとき、
急に目の前が眩しくなり、凄まじい音量とともに激しく叩きつけられ、すぐに目の前が真っ暗になったんです。
なにが起きたのかわからず、だたただ、からだが動かない……冷たい……。
目頭からしみ出る涙さえも冷え切っていました。
すると間もなく、トントントンと車の窓を叩き、「大丈夫ですか?大丈夫ですか?」と男性の声がしてきました。

その声は行き場のない私をまるで天空に誘ってくれるような、心地よい、優しさと誠実さで満たされたものでした。
どのように車の鍵を開けたのか、覚えていないくらいの衝撃でした。
そして、大丈夫という意味で必死に首を縦に振っていましたが、彼には通じていなかったようで、彼は「自分の不注意であなたの車にぶつかったんです!すみません」と何回も謝りながら、携帯で救急車と警察を呼んでいました。
山奥の雪道……、
どれくらい時間が過ぎていたでしょうか……。
冷え切った心とからだは、降り積もった今までの不信と悲しみで氷のように硬くなっていました。
でも、「大丈夫ですよ、もうすぐ助けがきますよ」という、優しい彼の声を遠くに聞いていると、とっくに忘れ去っていた心の温かみを取り戻していくようでした。
それだけじゃなく、彼の大きなからだの温もりまでも伝わってきて、守られているような幸せな時の流れを感じていたのです。

零下の雪道でのスリップ事故。
彼は、助けが来るまで私をずっと暖めてくれていたのです。
事故は私の前方不注意で、むしろ私が加害者でした。
街の病院へ運ばれ、私は全治2週間の軽い怪我ですみました。
彼は被害者であるのにもかかわらず、その後も東京から週2回は美味しいお惣菜を持って、私のところにお見舞いに来てくれるようになりました。
主人といえば、1回顔を出してくれただけ。
彼は32歳。
私より7つ年下でした。
彼には私のことをすべて打ち明けました。
彼も、あの事故のときは怪我をしている私を必死に助けようと暖めていたけれど、
時間が経つにつれて、不思議なくらい私を愛おしいと思うようになっていった、と話してくれました。
退院後、私は主人と離婚しました。
あれから、1年。
今、私は奇跡的な出会いをした彼と一緒にいます。

自分の存在がなくなってもいい、と思って出かけたはずの旅で、雪山に舞い降りてきた「幸せ」という贈り物を手にしたのです。
彼とはすべてにおいて、とても相性がいいんです。
彼とのセックスでは、誰にも見せたことがなかった自分を出せるようになりました。
ありのままにリラックスすると、海原を泳ぐ魚のようにしなやかになり、心の奥から気持ちがいいと思えると、高揚し愛が溢れだしてくる……。
溢れ出す私の愛に彼も気持ちいいと感じてくれるとき、私たちは今までにないくらい
のぼりつめるのです。
のぼりつめた私たちは、いつも同じ瞬間にクライマックスを迎えます。
彼の愛で、私は激しさをたおやかに表現できる女になりました。
彼は愛し合っているとき、
「一生でもう二度とこんな素晴らしい出会いはない」といつも言ってくれます。
彼と巡り会って、「愛のあるセックスが幸せのすべて」と感じるようになりました。

実は今、
私のお腹には、彼との新しい命が宿っています。
彼との結婚も決めました。
あのときは、もう人を信じることは二度とないと思ったけれど、彼は私にもう一度「信じることのすばらしさ」を教えてくれました。
これからずっと、誠実な彼の元で、愛を育んでいきたいと思っています。
私の幸せな「セカンドチャプター」の始まりです。
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