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「疑惑の果てに・・・」
A子さん 主婦 46歳

私は学生時代のテニスサークルの先輩だった夫と大恋愛の末、卒業後すぐに結婚しました。お互いの大学が違っていたので、授業が終わる頃、週3回は学校の門まで私を車で迎えに来てくれて、映画、食事、パーティと友人たちからも羨ましがられるようなデートを楽しんでいました。私が大学1年、主人は2年生の夏が始めての出会いでした。

いつも私に優しく接してくれて、暖かく包み込むように大切にしてくれました。「箱入り彼女♡」と周りからは言われているくらいでした。

当時の恋愛は今の自由な考え方と違って、結婚するまでは肉体関係を持たないという人たちが多かったのではと思います。紛れもなく私もそうでした。でももちろん、好きな人とセックスをすることに対して否定的ではありませんでしたが……。

遊びに行った帰りに家まで送ってもらい「さよなら」するときは「結婚したら大好きな人と毎日一緒にいられる……。おやすみ♡と言って一緒のベッドで眠りたい……」と純粋に思っていました。

主人はそんな私の気持ちを理解し、待っていてくれました。

 

結婚が決まり、心の中の貞操から解き放されたとき、私は始めて主人に抱かれました。
そして、結婚。3人の子供の母として、変わらない優しさを持った主人とごく普通の幸せな生活をしていました。

そんなある日、悪夢のような電話が私の携帯にかかってきたのです。「A子さんの携帯ですか?私、あなたのご主人の愛人なんです……。実は私も結婚していてそろそろ別れたほうがいいと思って別れ話を切り出したんですが、ご主人が私と別れたくない! って何カ月もメールや電話があるんです。だから、まだ会っているんですが……」

なにかの間違い?それとも悪戯?と頭のなかの衝撃はすぐさま体中を駆け巡っていきました。眠っていたたくさんの神経にぶつかりながら……。

間違いでも悪戯でもありませんでした。3年間も続いていた愛人関係。私はまったくと言って知る由もありませんでした。あの電話がかかってくるまでは・・・・・・。

「私のどこがいけないの?なぜ・・・・・・」と言う自問自答の日々が続きました。
その相手は偶然にも私の友人の知り合いだったんです。ですから、このことは友人に調べてもらい事実だということがわかりました。

なぜか、主人に問い正すことが怖かった私。

あんなに信じていた主人が自分を裏切っていたことを認めたくなかったんです。

 

ゆきどころを見失い、夜な夜なクラブやバーに通い始めてしまいました。今までの人生で主人なしで夜遅くまで外出したことがなかった私にとって驚きでもあり、新鮮でもあり、そしてとにかく嫌なことが忘れられて解放された気分になっていきました。

それはもう、悲しみ傷ついた女がクラブにいたら、「男たちの格好の餌食」でした。毎回のように話しかけられ、少しでも気に入ったら体まで許してしまうようになりました。
数カ月で5人との関係。そのときはどこにも発散できない気持ちが解消できたと思っていました。

でも、愛のないセックスの哀しさに気付くのに、そう時間はかかりませんでした。
ただただ、そのときだけ私の体を求めて貪るように抱いていく。優しさもなにもない……
空しさだけが残るようなセックスに、いつしか私は嫌気がさしていたのです。

 

「やっぱり私は主人が好き!誰にも取られたくない!」という思いが溢れ出てきました。

それからは、主人に私からセックスをせがみ、狂ったように毎日のように愛し合いました。

私の豹変振りに、主人はかなり戸惑っていたようでしたが、お互いの高揚にいつしか、「愛のセックス」から「快楽のセックス」へと変わっていきました。

そして、皮肉にも、セックスがこんなに気持ち良く、体に悦びを与えてくれるものだということを知ることができたのです。

私はまだ、主人の疑惑を正していません。
主人を死ぬほど愛していて、大切に思っていることが一番の幸せなんです。
友人は「そんなのおかしい……」といいます。

私も時々そう思います。でも今更、真実がわかっても私が主人を愛する気持ちはずっと変わらないのですから。

 

20代で永遠の旅という約束の下で航海に出た私たち、20年経って「永遠の愛」を確かめるために停泊、リセット、そしてまた大海原へと船出していくようなふたりだけの愛のSTORYなんです。

 

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