中村アンさん・37歳、結婚について語る！「若い時は全然望まなかったですが…」

美しくしなやかなボディに、周りまで明るく照らし出すようなとびっきりの笑顔、俳優としても日ごとに輝きを増し、誰しもを魅了する女性、中村アンさん。憧れを集め続ける存在感は、常に理想に向き合い、そのために実際に行動に移す、驚くほど実直な努力の賜物でした。さまざまなターニングポイントに直面するたび、迷いながらも、小さなことの積み重ねを大切に歩み続ける、等身大の姿に迫ります。

役者に転身後、最初は映像の中で違う人を演じきれず、お芝居ってどういうことなんだ？ と悩みました。でも4年前、映画『名も無き世界のエンドロール』で感情を露わにして演じたとき、違う自分を表現する楽しさがちょっとわかって。ただただ諦めずに1つ1つ重ねてきたことが徐々に身についたのかなと、最近になって感じる瞬間があります。

運動もその1つ。この仕事はラッキーチャンスが突然来ます。そのとき、あたふたしない体でいるためにも、運動で準備していました。それに〝運を動かす〞とも言いますよね。ソファに座ってじっとしていたら多分運は動かないもの。チャンスを摑めるかは自分次第。小さな積み重ねこそが実を結びます。運動以外でも、料理を頑張る、読書する、毎日を整えるなど、コツコツと小さなことの積み重ねが、気が付くと大きな自分の味方になっているんですよね。

と言いつつ、私、陽キャに見せかけて実は陰キャです（笑）。落ち込んだら誰かに相談するより1人で悩んだり怒ったりして自己解決ばかり。誰かに悩みを打ち明けると余計自分が辛くなって、人に言わないことで自分を保っているところがありますね。仕事終わりに車の後部座席で泣いても、人の前では泣けない。1人で泣くだけ泣いたらすっきりするんです。

「家の照明はオレンジの明かりの間接照明がメイン。暗めの空間が落ち着きます。家でひとり飲みをすることも」。

何に悩んでいるのか、どうしたいのかはっきりしないときは、箇条書きにして明確にします。静かな父が、母に背中を押されているシーンをいっぱい見てきたのもあるからかな、「幸せにしてください」じゃなく、「一緒に幸せになろう」って思います。

若い時は全然望まなかった結婚も、そろそろしたいと思うようになりましたが、自分が積み上げてきた軸も大切にしながら、1人より2人でもっと楽しく支え合える人がいたら喜んで、という感じです。

私、結構いろんな自分がいるんです。最近はそれでいいのかなって肯定するようになりました。基本はひまわりみたいな元気な人でいたい大前提があるんですけど。40代は優しい人になりたいです。今まで仕事中心でしたが、家族を持ち、メリハリのある豊かな人生を1つ1つ積み上げられたら最高です。

2025年『美ST』2月号掲載
撮影／伊藤彰紀（aosora）　ヘア・メイク／渡嘉敷愛子　スタイリスト／伊藤美佐季　取材／安田真里