【吉瀬美智子さん】50代に突入も「自分は自分！」と自信を取り戻せた理由

「なんでもラクなのが好きなの。ストレスを溜めないで、ナチュラルな自分でいたい」と語る吉瀬さん。そして、ふと周りを見た時、自分というより周りの誰かのために頑張ることで、それを面白がれる自身を見つけたのだそう。今の自分を肯定し、さらに充実させる方法。大好きな旅を含めた生活の中で学んだ、新しい生き方について語っていただきました。

50代に突入――！そのタイミングなのか、昨年から旅に出る機会が激増しています。仕事では盛岡、小豆島、鎌倉、海外はシドニーにも行って、プライベートでも夏休みに子供たちを連れて海外や温泉に行きました。そもそも私は福岡の田舎っこ。上京してモデルから女優になって、ざわついた都会にちょっと足を踏み入れたけれど、旅に出て山の緑に触れたり、川の流れを感じて、自然の中に入っていくと、なぜだか自分を取り戻せます。いい気をもらうのでしょうね。地のエネルギーは、映像だけではだめ、やっぱりそこに行かないともらえないと思うから。都会にいるとちっちゃいことで悩んだり迷ったりの連続ですが、1歩旅に出て自然を楽しんでいると「どうでもいいわ」と思えてくる。日々、情報もいっぱい入ってくるし、人のことが気になったりもするんだけど、必要ないものが選別でき、「自分は自分」と自信を取り戻せ、自然に生き方を教えてもらえるんです。

昨夏、「鶴瓶の家族に乾杯」で鶴瓶さんと盛岡に行ったとき、地元の方々に「お母さん、何やってんねん」と誰にでも堂々とフランクにお声がけされる姿に圧倒されました。
私はと言えば、かつては街中で写真を撮られそうになると逃げ腰になり、隠れ気味に歩いていましたが、それ以来、肩の力を抜くように。気負わず、自分からコミュニケーションを取ると、すごくラク。その方が結局は自分を解放するってことだと実感しています。

シングルマザーになって4年。当時は旅はおろか外にも出たくない気分でした。でも知人に「みっちゃんは大丈夫よ。そのまんまで」と背中を押されてからは元気になって、家族の大黒柱として一生懸命働きました。徐々に精神的にも旅に行ける余裕が生まれ、今はその地に行けるだけで嬉しい、そこにいること自体が楽しいと思えるようになりました。娘たちともずっと一緒にいられるし、もうそれだけでハッピー、満足しちゃっていますね。旅って、難しいこと考えないでとにかく楽しむってことじゃない？ 毎年友人家族とシンガポールに1週間くらい滞在するのですが、私も水着になって、娘たちと一緒に流れるプールで泳いでいると母娘の距離も近くなって「わ、幸せ」っていう表情になり、心から癒されています。

「長女が11歳、次女が8歳になりました。すでに友達みたいな母娘です。長女が携帯・パソコン関係に強くて、頼りになる！ いつも教えてもらってます」

「目に見えないものを結構信じる方で、常に財布には幾つかお守りが入っています。神様同士喧嘩しちゃうか心配ですが、担当制だといいように考えています」。

2025年『美ST』3月号掲載
撮影／ISAC（SIGNO）　ヘア・メーク／山下景子（KOHL）　スタイリスト／道端亜未　取材／安田真里