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【心と体と性】「“そっちだよね?”に救われた」若手注目ヘアメイクが自分らしさを見つけるまで

前回の「LGBTQの子を持つ親」の声に大きな反響が!それを受け、美ST世代のLGBTQ+当事者に取材をしました。今回はヘア・メイクアップアーティスト只友謙也さんにお話を伺いました。

【LGBTQ+当事者の体験談】一緒に考えよう「私が私らしく」いるために

お話を伺ったのは…
只友謙也さん(35歳・ヘア・メイクアップアーティスト)

美STインスタライブでも大人気。Yahoo!ニュースのコメントに感動の声が寄せられる「美ばぁば」企画でもヘアメイクを担当。モデルやタレントからも指名が多く、只友さんがいる撮影現場はハッピーで笑いが絶えない!

僕の場合は、メイクの師匠や先輩が背中を押してくれました。ありのままであたり前のとても素敵な時代だと思っています

僕は心が男性、性的指向が男性、いわゆるゲイです。幼い頃からそう自覚はしていましたが地元は「男は男らしく」という価値観がまだ根強く残っています。女子といるほうが居心地はよかったですが、中学生になって男子グループに入らなきゃ! とあがいた時期も。でも、男子特有のノリがどうにも肌に合いませんでした。

高校では部活の水泳に打ち込んで、部のメンバーとは家族同然の「スイムファミリー」(略して“スーファミ”に。初めて性的指向を打ち明けたのも水泳部の仲間。卒業の時に女子マネージャーにカミングアウトした時は隠していた罪悪感で号泣しました。でも彼女たちは笑って「なんだ、そんなの知ってるよー! 良いじゃない」と一蹴。

友人や家族に受容してもらうことはメンタルヘルスの改善に役立つと国際的な研究でも発表されていますが、僕もとても気持ちが楽になりました。

大学では初めての彼氏ができ、手を繋ぐだけでキュンとする気持ちを初めて味わいました。この頃、世紀の大発明、マッチングアプリが登場したり、周囲の理解も進み始めて今はほんとに良い時代に生まれたと感じました。

その後、カメラマンの兄の紹介で師匠のシバタロウさんに出会ったのですが、女性の先輩から「只友君ってそっちだよね? 隠さなくていいよ」と背中を押され、キャラとしてもう自分を全開にしていくことに決めました。

師匠の現場にアシスタントとして参加させてもらった時に、師匠が話を振ってくれて、流れでテレビ番組でカミングアウトしました。オープンにしてからの方が楽しく生きられている気がします。

女性の気持ちに寄り添えることや、美に真剣に向き合えることは自分の長所。周囲の人にも、時代にも恵まれた今、誰かの“ありのまま”を照らせるヘアメイクであり続けたい–−それが僕の次の目標です。

子供の性自認&性的指向の記事に多くの反響が


2025年3月号
「自分は女の子かも」と小5長男から、「彼女ができた」と大学生の娘からの言葉、ゲイコンテストに出る息子、それぞれの母3組の体験談に反響が寄せられました。

本記事は、美ST編集部が取材・編集しました。「美ST」は16年以上にわたり、40代&50代女性の美容とライフスタイルを追求してきた月刊美容誌です。
『美ST』2025年9月号掲載
取材/佐藤理保子 再構成/Bravoworks,Inc.

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一生元気に!自愛ビューティ

【心と体と性】「“そっちだよね?”に救われた」若手注目ヘアメイクが自分らしさを見つけるまで

2025年10月号

2025年8月16日発売

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