PEOPLE

芸歴35年超えの水野美紀さん「40代でやっと一般社会の一員になれた」と思えた理由

中学1年生で芸能界デビュー以降、ドラマや映画で数え切れないほどの役を演じてきた水野美紀さんですが、「社会人としてのスキル」がついたのは意外にも40代になってからだとか。「社会に出ている人たちが20代で学ぶようなことを、私は40代になって学んでいます」と語ります。そんな水野さんの人生においての大きなターニングポイント、子育てで得られた学びなどを、たっぷりとお話しいただきました。

お話をうかがったのは…俳優・水野美紀さん

《Profile》

三重県出身。’87年デビュー、’92年の化粧品のテレビCMで大きな注目を集め、以降ドラマ、映画など多数の作品で活躍。主な出演作に『踊る大捜査線』シリーズ、『探偵が早すぎる』シリーズ、『奪い愛』シリーズなど。アクションにも定評があり、主演作『ハード・リベンジ、ミリー』シリーズでは壮絶なバトルシーンを披露。演劇ユニット「プロペラ犬」を主宰するほか、近年はバラエティ番組「突然ですが占ってもいいですか?」など多岐にわたり活躍。2026年前期連続テレビ小説『風、薫る』に出演予定。

大変なことは自分で抱え込みがちなタイプ。でもなんとか前向きに乗り越えてきました

この仕事をしていて大変だったこと、辛かったことはいっぱいあります。この世界に入ったばっかりの時も大変だったし、妊娠出産、子育てや受験も大変ですし。この間、会社を立ち上げたんですが、それもめちゃくちゃ大変でした。どうやら勝手に自分でいろいろ抱え込んでしまうタイプみたいです。どんどん自分で抱え込んでいって、気づくとより大変なほうにいっちゃう性質なんですよね。
ただどこか楽観的なので、一番大変な渦中にいる時も一日一日を生き延びようとしているからなんとかなる。「今日一日頑張って、また明日頑張ろう!」って区切りをつけてね。夜もちゃんと寝ますし体力もあるほうなので、なんとか前向きに乗り越えられます。だから、すっごく絶望したことはないです。いろんな山を乗り越えて今振り返ってみると、あれをもう一回やれって言われたら絶対無理だ!と思うようなことはいっぱいあるんですけどね。自分でもよく乗り越えたなって思うようなこともありました。

43歳で出産。子育て、ママ友との繋がりから多くのことを学んでいます

ターニングポイントになったのは30代から40代になる頃ですね。30代前半で演劇ユニットを立ち上げて、事務所を独立したことは大きな節目になりました。そこから40代になって結婚、出産っていう選択をして。仕事にプラスαで家庭のことが乗っかってくる、子どものことも乗っかってくるのも大きなターニングポイントでしたね。

子どもを産んだことで私自身、すごく学びが増えています。特に保育園で知り合ったママ友たちという、ちゃんとした社会人である人たちとの触れ合いから学ぶことがものすごく多かったですね。働くお母さんたちが、どれだけのスキルを持って生活しているかっていうことを初めて知ることができて。
いかに自分が役者バカというか、演技のことしか考えないでやってきちゃったか、いかに世間知らずなところで今まで生きてきたかということに気づかされました。役者って、世間一般の仕事からはちょっと外れた特殊な仕事なんだなって改めて自覚しましたね。

子どもを産んだことで“自分はどんな人間なのか”にちゃんと向き合えた気がします

子どものためにやらなきゃいけない手続きもすごく多いので、40代にして社会との繋がりが太くなりました。その中からの学びがすごく多いんです。
役者って、役はいろいろ演じてきているけれど、じゃあ自分の実人生はどこにあるんだろうっていうのはすごく曖昧で。自分の拠りどころ、自分がどういう人間なのかっていうことにちゃんと向き合えずにきたのかなって、子どもができてから実感しました。
社会に出ている人たちが20代で学ぶようなことを、私は40代になって子どもを産んでから学んでいると感じることも多いです。偏った世界で生きてきたので、子どもを産んだことで自分が一般の社会の一員になれたと感じていますね。

水野さん主演の痛快ドラマもお見逃しなく

『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』
ママ友いじめが原因で娘を失った55歳の母親(水野さん)が、全身整形により25歳の新米ママ(齊藤京子さん)に生まれ変わり、ママ友グループに潜入。娘を死に追いやったいじめ加害者に一人ずつリベンジを果たしていく、壮絶かつ痛快な復讐ドラマ。火ドラ★イレブン枠にて毎週火曜23:00~カンテレ・フジテレビ系で放送中。

撮影/渡邉明日香(A-1) 取材/中畑有理 編集/浜野彩希

FEATURE

MAGAZINE

一生元気に!自愛ビューティ

芸歴35年超えの水野美紀さん「40代でやっと一般社会の一員になれた」と思えた理由

2025年12月号

2025年10月17日発売

FOLLOW US

HOT WORDS

PRESENT & EVENT

Topics増え続ける髪悩みに…【PR】