PEOPLE
昔と変わらぬ明るいキャラクターで活躍する「元祖バラドル」松本明子さん。40代で父母を見送り、実家問題も解決した50代は楽しいことばかりだったそう。還暦を迎えた今はワクワクしかないという松本さんにお話を伺いました。
《Profile》松本明子さん
1966年香川県生まれ。’82年「スター誕生!」に合格し、翌年歌手デビュー。その後、バラエティ番組での明るく親しみやすいキャラクターで人気を確立。ラジオ「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(ニッポン放送)、情報番組「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(CBCテレビ)に曜日レギュラー出演中。
40代は特に家族のことで忙しかったですね。息子が小学生から中学生まで反抗期。ずっと無視され続けていました(笑)。家ではうどんみたいなイヤホンをつけ、100回話しかけても返事はなし。無視されて最初は戸惑いましたが、めげずに話しかけていました。京都の大学に入学したので、私も一緒に京都に住みたいと提案したら丁寧に断られ、めげずに月1で会いに行きました。部屋には入れてくれないので、ご飯屋さんで現地集合現地解散、日帰りです。
卒業後は東京でサラリーマンに。やっと帰ってきたんだから1年間は家にいてほしいと懇願。2年目に家の近所の物件を20件ほど斡旋しましたが、これまた丁寧にお断りされ、母親の息がかからないかなり離れたスカイツリーのさらに奥に引っ越していきました。しょっちゅうLINEを送るのですが未読無視。既読にすらなりません。男の子って、ホントいやんなっちゃう。
夫とは28年間連れ添っていますが、お互いを尊重しつつ束縛しない関係。夕飯だけは一緒です。喧嘩したのは1度きり。息子が5歳のとき、寒い日に外で遊ばせていたら、その日に限って鼻をたらし、「寒い日に公園に連れて行くからだよ」という夫の一言にカチンときて、食器をシンクにガンとぶつけて、エプロン姿のまま飛び出しました。夫は息子を抱えて追いかけてきましたが、まんまとまいて。でも3時間後には戻りました。
家にいると9割9分私がしゃべっていて、振り返るといないみたいな(笑)。でもそんな関係がありがたいですね。
37歳で父、41歳のときに母が他界し、母のときは介護疲れと人生の道しるべを失った喪失感で落ち込みました。同時に実家問題に直面。手放すまで10年かかりました。2人とも上京して同居していたので、実家は25年間空き家状態。父の「明子、実家のことを頼む」というひと言がずっしり重く、責任をもって管理しようと思っていましたが、リフォームを含めた維持管理にかかった費用は約1,800万円!51歳で実家じまいを決意しました。幸い買い手が見つかり、即家財や遺品の整理を始めました。親の大切にしてきたものに目を通したくて、業者には頼まず、1泊2,500円の健康ランドに泊まって、30年間二人三脚で歩んできたドライバーさんと2人で1週間かけて整理しました。やり遂げた気持ちと申し訳なさとが半々でしたが、今思うと体が元気なうちに実家じまいができてよかったとつくづく思います。
子育ても一段落、介護も終わって実家問題も解決し、人生のページがどんどんめくれていくような日々の中で50代になっていました。以前、萬田久子さんから「50代は楽しいよ」と聞いていましたが、まさに50代は楽しいことばかりでしたね。40代までは子どものため、家族のために走り続けなきゃいけないと自分のお尻を叩いていましたが、50代からは自分のために時間を使い、自分のペースで生きていこうと思えるようになり、ラクになりました。
今年4月2日に左足首を骨折しました。白髪染めに行くため、家を出ようと玄関の扉を開けた一歩目で滑っちゃって、開脚した状態でお尻から着地。左足首に激痛が走り、足があらぬ方向に向いているんです。家にいた夫に脇からそっと支えてもらい、車の後部座席に座って病院に行きました。即手術になり、ボルト12本と金属プレートを埋め込まれ、そのまま1カ月入院。仲間が45人もお見舞いに来てくれて、みんなから言われたのが、還暦で本厄の丙午だということ。森口博子ちゃんからは「骨折したということは厄が全部落ちたね。これから楽しいことばかりだね」と温かいメッセージをもらって嬉しかったですね。最初は落ち込んでいたのですが、還暦で新しく生まれ変わった今はワクワクしかありません。
骨折から退院した1週間後には断捨離をしました。日々の暮らしは最小限のものがあればいい。シンプルになりましたね。母から「足るを知る。充実している今の自分の人生に幸せを感じなさい」と教えられ、親同様に倹約家。自分に高価なものは不必要だけど、人づきあいには使いたい。私は本当に人が好きだから、それが私の幸せなんです。
NHK大河ドラマ「功名が辻」や連続テレビ小説「つばさ」をはじめドラマや映画、舞台など俳優業にも邁進。同時に子育て真っ最中でとにかく多忙な40代でした。
自分がやりたいことをやり続けるには、急がず、慌てず、ゆっくり着実に。そして骨折に気を付けることが何より大切。体が一番です。周りを気にせず、自分のペースで何事もこなしていってください。
撮影/鮫島亜希子(nomadica) 取材/安田真里 編集/和田紀子
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