PEOPLE
磯村勇斗さんとAぇ! groupの末澤誠也さんがW主演を務める注目の映画『mentor』。劇中で、そして実際の撮影現場でもメンター的存在としてチームを牽引していたという綾野 剛さんの特殊メークも話題に。綾野さんへの思いや、相手について「立っているだけで可愛い」「年下の僕を広い心で受け止めてくれる」と語る磯村さんと末澤さんの関係性、お互いの演技に対する信頼感についてお話を伺いました。
磯村勇斗
1992年静岡県出身。2014年に俳優デビュー、翌年の『仮面ライダーゴースト』で大きな注目を集め、以降、数々のドラマ、映画で活躍。近年の主な出演作はドラマ『クロスロード ~救急救命の約束~』、Netflixシリーズ『ソウルメイト』など。10月22日配信開始のNetflixシリーズ『俺のこと、なんか言ってた?』に出演。
末澤誠也
1994年兵庫県出身。Aぇ! groupとして2024年にCDデビューし、グループのメインボーカルを担当。俳優としても活躍し、主な出演作はドラマ『彼女と彼氏の明るい未来』、映画『おそ松さん 人類クズ化計画!!!!!?』、ミュージカル『三銃士』など。Aぇ! groupの5thシングル『Emotion』が11月4日リリース。
磯村 末澤くんはお芝居に対して本当に迷いがないです。監督から求められることはまずやってみる。この姿勢が役者にとってはすごく必要な要素だと思っていて、それをすでに自分の中で持っている。本当に感性がいいんだろうなって現場で思っていました。
末澤 磯村さんはクランクインの日から本当に龍之介として現場にいたので、「あ、龍之介や」ってなりました。久しぶりに再会するシーンから撮影が始まったんですが、リアルに久しぶりに龍之介に会った感覚になって。その空気作りをしてくださったので、すごく自然でやりやすかったなって、めちゃめちゃ感じましたね。
磯村 初日のシーンは久々に再会した気まずさもありますし、劇中では僕らが子供の時に別れた後の時間は描かれていないのですが、末澤くんはその空白の部分を埋めてきたんです。彼の目が空白で死んでる具合、根暗な感じなど。そういったものをすでに初日から背負ってくださっていたので、すごく入りがよかったなと思います。
末澤 初日が再会のシーンだったので、作っていきやすかったっていうのはありますね。完成作を観て好きだなと思ったシーンは、予告映像にも使われていますが龍之介が車の中で叫んでるシーンかな。今までそんな感じじゃなかった龍之介が、あそこでようやくバーンって爆発する。あそこはやっぱり衝撃的でしたね。
磯村 僕もあそこが龍之介にとって一番大事なシーンかなと思ってやっていました。パターン違いで2、3回撮ったと思います。拓海について印象的なのは、言い方は悪いですが埜本(綾野 剛)に対する“金魚のフン感”といいますか。埜本が途中で突き放しても引き下がらない時のセリフの言い方だったり表情が、「本当にこういう人いるよな」と。なんかちょっとムカつく奴みたいな。
末澤 (笑)
磯村 いやね、それがやっぱり大事だと思う。「ムカつくわ、こいつ」って思うぐらいが(笑)。それが表現できていることがすごく面白かったです。
沼津駅前のシーンのポールにしがみつく動きもね、あんまりアイドルはやらないといいますか…。今回、本当に役者・末澤誠也がいたなって感じました。
末澤 アイドルじゃなくてもなかなか土下座はしないと思いますが、今回の映画で人生で一番、土下座したなと。一生分したんじゃないかな、そうありたいです。
磯村 多分そうだと思う。アパートの元住民へ土下座する謝罪のシーンは何テイクも撮って、ようやく僕らのリアクションが撮れて。それまでは本当に笑いが止まらなくて、「申し訳ない、申し訳ない」って言いながら。
末澤 そうですよね(笑)。
磯村 今回、なんのNGが多かったかというと笑っちゃうNGが一番多くて。
末澤 そうですよね、意外やと思うんですけど。ああいう空気感やからこそ、というのもあるし、実際変なことしてるので。
磯村 終わってからもおかしかった。しかも、すごくきれいな土下座を彼はするので。見たことない、あんなきれいな土下座する人(笑)。本当に素晴らしかった、本当に良かった。綾野さんは普段からお世話になっているので、今回も現場入りの前から「『mentor』よろしくね」みたいなお話をしていたのですが、実際に現場で立ち姿と歩き姿を見た時に「あ、剛さん、こう作ってきたんだ、面白いな」と、まず見とれました。細かいところまで徹底して作ってるなって。いざ対峙してみるとまた面白くて、普段から知っているからこそ、「今回はこっちで来たか」と。現場でOKが出てもさらにいろいろ追求されていて。いろんなアイデアが飛び交う中でお芝居ができて、本当にメンターのように現場を先導してくれました。「今回の綾野さんは、まるでショーン・ペン(『ミスティック・リバー』(03)で最愛の娘を惨殺された父親役でアカデミー賞主演男優賞受賞)だな。感覚としてそれぐらい振り切ったな」と、勝手ながら思っていました。素晴らしいなと思いました。
末澤 拓海は埜本とのシーンが多かったので、どのシーンも綾野さんが台本を開いて、監督も交えて「ここはこういうアプローチで。拓海もこういう声を作ろうかな」みたいに、すごくいろいろ提案してくださいました。監督からOKが出ても「もうワンパターン、試していいですか」って、どのシーンも一切妥協なく追求される方なのですごく刺激を受けましたね。撮影以外の時間では気さくにいろいろ話をさせていただいて、常に引っ張ってくれました。場の空気を支配するというか、やっぱり圧倒的な存在感がありますし。引き出しの多さという意味でも、本当にテイクごとに違うお芝居をされる方なのですごく見習いたいなと思いました。
(「劇中や作品SNSでも使われている「mentor語録」のような「磯村語録」「末澤語録」はありますか?」という質問に対して)
末澤 ウォルト・ディズニーの座右の銘ですごく好きな言葉があるんですけど、「夢を追い続ける勇気がある限り、夢は必ず叶う」。僕は「努力すれば必ず叶う」のではないと思っていて。努力がどうとかではなくて、ずっと追い求める勇気を自分が持てるかがすごく大事だと思うんです。僕がCDデビューするまでもそうでしたし。自分の気持ちが途切れないように、ずっと一つのものを追い求めることはすごく大事だなと思います。
磯村 僕は、座右の銘を持たないんです。座右の銘を否定してるわけではないのですが。ちょっとこっぱずかしい。
末澤 せこいっす(笑)。俺が先に言った後に「こっぱずかしい」って(笑)。
磯村 でも、僕は名言を残したい人ではないので…。
末澤 俺が“名言残したい奴”みたいになってるんですよ(笑)。それは違う、聞かれたから答えただけなので。普段から言ってるわけではないです(笑)。
磯村 普段から言ってるわけではないんだ(笑)。座右の銘はないのですが、言霊はあるなと思います。だから、やりたいことは口にしているといずれ叶うっていうのは本当なんだろうなって。座右の銘もある意味、言霊だと思うので、「ずっとそう思ってきたからこそ、今ここにいるんだな」っていうのは説得力があるよね(笑)。
末澤 笑いながら喋ってますよね(笑)。
磯村 (末澤さんは)立ってるだけで可愛いですよね。オーラというか雰囲気がもう人に愛されるといいますか。言葉にするのは難しいのですが、きっと愛されて育ってきたと思いますし、人を愛する心もあるんだろうなってすごく思います。そのへんもすごく「弟っぽいな」って感じます。
末澤 僕にとっても磯村くんはお兄ちゃんというか。年齢が近いこともあるし、年下の僕を広い心で受け止めてくれる。お芝居もそうですし、普段の会話でもそうですね。磯村くんとW主演させていただいて、すごく良かったなって思っています。
『mentor』

『空白』『ミッシング』『四月の余白』など、話題作を次々に発表している𠮷田恵輔監督の最新作。子供の頃の花火遊びでアパートを全焼させてしまった龍之介と拓海、その火事で妻子を亡くし、自身も大やけどを負った埜本の3人が15年後に再会するが…。アーチェリーのオリンピック代表を目指す龍之介を磯村勇斗さん、事件後はほぼ引きこもりになった拓海をAぇ! groupの末澤誠也さんが演じ、事件の被害者ながら“メンター”的存在となる埜本を綾野 剛さんが演じる。10月16日より全国公開。
取材/中畑有理
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