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【元宝塚トップ・綺咲愛里さん】のネガティブ思考をポジティブに転換する方法とは?

退団後もさまざまなフィールドで活躍し、輝き続ける宝塚OG。今回は、 今回のゲストは愛くるしい容姿で星組のアイドルだった元娘役トップ綺咲愛里さん。可憐なたたずまいに時折垣間見えるブレない芯の強さは、メイクにも生き方にも表れていました。

足りない時間もネガティブに捉えず気分を上げながら集中していきます

お話を伺ったのは……綺咲愛里さん

《Profile》
兵庫県出身。幼い頃からピアノとバレエを習い、ピアノの先生にすすめられ宝塚を受験し、合格。2010年に96期生として入団し、星組に配属。早い時期から可憐な舞台姿が注目を浴び、新人公演ヒロインを重ね、2016年紅ゆずるさんの相手役として『THE SCARLET PIMPERNEL』で星組トップ娘役に就任。コメディから悲劇まで幅広くこなし、2019年退団後も、舞台『ポーの一族』や『Endless SHOCK』など話題作への出演が続く。趣味はスポーツ観戦。

──舞台で役に入るためにメイクでスイッチを入れるそうですね。

宝塚は幕間の30分でメイクも衣裳も全部変えないといけなくて、とにかくギリギリ。それをネガティブに捉えず気分を上げたいと思って。メイクをしながらその役に集中していくようにしたら、すっと切り替えられるようになりました。役作りのうえで特に重要なのが眉。カーブひとつで印象ががらっと変わる。オフのメイクもその日に合わせて眉から描きます。眉を変えることでオン&オフを切り替えられるんです。

──美容・健康のために特にしていることはありますか?

仕事でお弁当が続くとすぐ肌に出るので、家ではフルーツや野菜など、加工されてない生の食べ物を摂るようにしています。最近は代謝を上げるために、よもぎにハーブを数十種類入れたフィトスチームに通っています。もちろん大量に汗をかくんですけど、デトックスだけでなくリラックス効果も高くて。その時間だけは携帯もオフにして、心も体もリセットします。

──高校では演劇を専攻されていましたが、宝塚音楽学校受験前はほとんど宝塚の知識がなかったとか。

宝塚は受験を勧められてから初めて観劇しました。全部で5組あってそれぞれトップスターがいるということすら知らなかった。受験の過程でも驚くことばかり。音楽学校は宝塚を目指して努力を重ねてきた人が入るところ。間違ったところに来てしまった……と最初は戸惑いましたね。でも何も知らなかったからこそ、教えていただいたことは1から100まですべて吸収するしかないという気持ちで臨めたのが、良かったのかもしれません。

──早くから新人公演ヒロインに抜擢され注目を集めましたが、プレッシャーもあったのでは?

感じている暇は全くなかったです。目の前にある壁をなんとか越えなきゃということで頭がいっぱい。ただ、娘役トップに就任したときは、今まで通りにと思っていても、組の看板を背負うという責任も生まれて、立ち居振る舞いから気をつけるようになりました。それまで猪突猛進だったのが、もう少し俯瞰で見るようになったというか。立場が作っていってくれたものは大きいです。

──紅ゆずるさんとコンビを組まれ、フレッシュさと凜とした魅力を兼ね備えた娘役として愛されました。

娘役はこうあるべきという正解はないので、結局自分が信じたものを取捨選択していました。相手役の紅(ゆずる)さんの存在は絶対。夫婦と同じでずっと一緒に舞台に立つうちに、紅さんがどこに向かおうとしているのか次第にわかるようになって、迷いがなくなりました。演じることを楽しむということを教えていただいた気がします。

──最後に、綺咲さんにとって“美しく生きる”とは?

「素(もと)」です。どんなにメイクしても素顔は変えられない。それをどう生かすかが大事ですし、食事もいい素材を体に入れたぶん美しくなっていく。きれいになる近道は他にもありますが、噓のない、「素」から美しくなる努力をしたいなと思っています。

綺咲さんからのメッセージ

「素」からにじみ出る噓のない美しさを大切にしたい

大の阪神ファンでスポーツ観戦からも素のエネルギーチャージをするそう。「発散されるエネルギーからもらえるパワーがすごい!舞台と同じで生の力というのは唯一無二だなって思います」

《衣装クレジット》
ジャケット¥92,400 チュールスカート¥74,800(ともにカオス/カオス丸の内)シャツ¥70,400(デガージェ/カオス表参道)サンダル¥130,900(セルジオロッシ/セルジオロッシカスタマーサービス)右手薬指に重ね着けたリング(指先)¥322,300 右手薬指に重ね着けたリング(付け根)¥660,000 左手人差し指のリング¥424,600 左手中指のリング¥539,000(すべてTASAKI)

2024年『美ST』2月号掲載
撮影/八木淳(SIGNO)〈人物・静物〉ヘア・メイク/田中宏典 スタイリスト/朝倉豊 取材/稲益智恵子 編集/石原晶子

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2024年6月号

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