女優・石原さとみさん（37歳）「短所を個性とごまかしたくない」と語る理由

幅広い世代から美と生き方のお手本として、熱烈に支持されている女優・石原さとみさんが、美STに初登場！その魅力はビジュアルだけではなく、内面からにじみ出る人間性も含めてのもの。家族が増えたことで、ますますチャーミングさを増した彼女が語る“未完成のままでいい”の先に見えたものとは？現在、そして未来の自分像について語っていただきました。

お話を伺ったのは…石原さとみさん（37歳）

「自分とはなにか？」ということも含めて、将来どうなっていたいかを事細かに考えて手帳に書き出したのは、20歳の時。元日に、20歳から65歳まで「〇歳の〇月には〇〇をやっている」と手帳に細かく書いていきました。

65歳で設定したのが「自分にはこういう家族ができていて、両親と自分の家族とお兄ちゃん家族で温泉旅行をする」というような内容だったかな。そのためには50代ではこう、45歳、40歳ではこうなって、と逆算でやるべきことをピックアップ。

20代の項目は、ほぼ仕事。20代で月9の主役をすること、化粧品のCMに出る時のイメージや、表紙をやりたい雑誌の種類まで事細かく文字にしました。私の仕事は需要の先を知ることが大切ですから、その時マーケティングもたくさん勉強しました。

やりたい作品については相手役まで書いていたので（笑）、一人だけ共演が叶わなかった方がいるんですが、それ以外は全て達成できました。

手帳に書いた細かな目標は20代までで、実はそのあとは漠然としていたので、そのあとに、マネージャーさんに10年計画を提出。そもそも、その通りにいかなかったとしても「これを目標にしています」と書いて人に見せることに意義があるんです。

明文化することの良さは、書く行為によって、関連する情報が入ってくること。それに、欲しいものは取りに行かないと手に入りません。待つだけで棚ぼた、なんてことは、ありません（笑）。

今37歳ですが、これからも常に成長していたい。私は同じことで悩んだり同じ失敗を繰り返したりしたくないんです。何かあるたびにちゃんと向き合いたいし、悩みからは逃げたくない。

幸せの定義って人それぞれあると思うけれど、私は幸せ＝充実だと思っています。その充実というものは困難を乗り越えて成長することでしか味わえないものかなと思います。

短所もありのまま認めるというのも素敵だけれど、私自身はたえず自問自答して理解を深めながら、なりたい私を目指していつも自分を鼓舞していたい。そして人に良い影響力を与えられるような、みんなを励ませるような人に近づけていけたら嬉しいですね。

ドラマ「Destiny」（火曜21時〜・テレビ朝日系）は3年ぶりの連続ドラマ復帰作として今大注目。石原さんは初の検事役に挑戦中。「愛する人は私がこの手で守り抜く」という信念を持った強い女性を演じている。共演に亀梨和也、安藤政信、仲村トオルらを迎えた“20年の時をかける先が見えないサスペンス×ラブストーリー”。どハマりする人が続出中。

映画『ミッシング』は「何が何でも吉田恵輔監督の作品に挑戦したい」という石原さんの一途な思いが実を結び、書き下ろされた社会派問題作。失踪した娘の事件が発端となり、誹謗中傷に巻き込まれていく母親役をほぼスッピンで熱演。演じるにあたり「髪もボディシャンプーで洗ってボサボサでやつれた感じに」したそう。5月17日より全国公開。

2024年『美ST』7月号掲載
撮影／生田昌士（hannah management）　ヘア・メーク／paku☆chan　スタイリスト／宮澤敬子（WHITNEY）　取材／柏崎恵理　再構成／Bravoworks,Inc.