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《研究の背景》
皮膚のリンパ管は、皮膚の老廃物を回収するという特徴があり、リンパの流れの開始点として表皮の直下に多数存在することがこれまでの当社の研究で分かっています。また、加齢でリンパ管の密度が減少することにより、皮膚に老廃物が蓄積することが様々な研究から分かっていました。
一方で、加齢に伴い、健やかな表皮細胞の源である表皮幹細胞の数も減少することは分かっていましたが、その原因は解明されておらず、皮膚内の老廃物の蓄積が表皮幹細胞にダメージを与えているのかについて、実証されていませんでした(図2)。
そこで、当社は加齢によって表皮幹細胞が減少する原因を解明し、リンパ管が回収する老廃物の一つである炎症性因子が表皮幹細胞へどのような悪影響を与えるのかを検証することで、新たなスキンケアアプローチにつなげることを目的としました。
《炎症性因子により、表皮幹細胞の若返り能力が抑制される》
まず、表皮幹細胞の自己複製能の指標となる、コロニー形成能(細胞の若返り能力)を検証しました。培地にIL-8を培養し、形成されたコロニーの数を比較しました。その結果、対称と比較して、IL-8を添加した群において顕著にコロニー形成能が低下していることが分かりました(図3)。
次に、表皮幹細胞のマーカーとなるLrig1遺伝子の発現量を調べたところ、IL-8を加えた場合には遺伝子発現量は顕著に減少しており、表皮幹細胞の幹細胞性が失われていることが示唆されました(図4)。
《炎症性因子により、表皮細胞の老化は促進する》
IL-8の細胞老化への影響を確認する目的で老化細胞を特異的に染色する実験(βガラクトシダーゼ染色)を実施しました(図5)。この結果、表皮細胞に炎症性因子を添加すると老化細胞※が増加することが分かりました(図6)。
※ 老化細胞; βガラクトシダーゼ染色の陽性細胞。
《炎症性因子により、皮膚バリア機能は低下する》
皮膚モデルに炎症性因子(IL-8)を添加し、5日間培養すると皮膚バリア機能を維持するためのブレオマイシン水解酵素(NMF産生酵素)の発現量が減少することが確認されました。この結果、IL-8により、肌のバリア機能が低下することが示唆されました(図7)。
《まとめと今後》
今回の研究から、皮膚の老廃物の一つである炎症性因子が皮膚内に蓄積することによって、表皮細胞は老化し、また表皮のバリア機能も低下することが明らかになりました。
このことから、皮膚内に蓄積する老廃物の回収機能を高めるケアを行うことで、老廃物の蓄積を防ぎ、表皮幹細胞や表皮細胞の機能を正常に保つことができる可能性が示唆されました。
今回の研究成果を元に、皮膚細胞の若返りに重要な役割を持つ表皮幹細胞の機能を正常に保つことで皮膚老化の改善に繋がる新たなアプローチによるスキンケア技術の開発に繋げていきます。
《関連する主なニュースリリース》
・資生堂、世界初・リンパ管の機能低下と「たるみ」の関係を解明(2015年)
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000001834/1834_a4z87_jp.pdf?rt_pr=trh43
・資生堂、リンパ管を立体的に捉える可視化技術を確立(2020年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002997&rt_pr=trh43
・資生堂、世界で初めて皮膚のリンパ管の老化メカニズムを解明(2020年)
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002998&rt_pr=trh43
▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003024&rt_pr=trh43
▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trh43
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