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《研究の背景》
資生堂では、約25年前から、アトピー性皮膚炎の増悪因子の一つである黄色ブドウ球菌と健常肌に常在する表皮ブドウ球菌とのバランスに着目した技術開発を行うなど、健康な肌状態の維持と皮膚常在菌との関係に着目してきました。
近年、技術革新により可能になったマイクロバイオーム(菌叢)解析の手法を用い、当社では、安定して解析結果が得られる方法を確立し、健常肌における皮膚常在菌を解析するとともに、皮膚の細胞と皮膚常在菌が相互作用しながら共存する皮膚のエコシステムを明らかにすることで、新たなスキンケアのソリューションの開発を進めています。
《皮膚常在菌叢と肌状態との関係》
(1) 20歳代から30歳代の健常肌の被験者41名の頬から皮膚常在菌を採取後DNAを抽出し、次世代シークエンサーを用いた16S配列解析法*3 により、皮膚常在菌叢の解析を行いました。各試料中の菌の相対存在比率と各種皮膚生理指標との相関性を解析した結果、表皮ブドウ球菌の存在比率が高いほど、肌水分量も高いことが分かりました(図1)。
*3 16S配列解析法: 細菌のゲノム中にある16SrRNAをコードする部分配列を解読することにより、どの菌が相対的にどれくらい存在するかを調べる方法
(2) 次に、皮膚常在菌叢と肌の赤みについて20歳代から40歳代前半の健常肌の被験者36名の額について皮膚常在菌叢の解析を行った結果、各試料中で表皮ブドウ球菌の存在比率が高いほど、赤みが低いことが分かりました(図2)。

《敏感肌と非敏感肌の皮膚常在菌叢の違い》
健常肌の中から、乳酸による刺激に対する感受性を指標に選ばれた敏感肌、非敏感肌の被験者各22名について、上記と同様な方法で頬の皮膚常在菌叢の解析を行いました。菌叢の多様性評価に用いられるシャノン多様度指数*4 では、敏感肌は非敏感肌と比較して有意に菌叢の多様性が低く(図3)、さらに一般的に検出される皮膚常在菌であるアクネ菌に対して、表皮ブドウ球菌の割合も低いことが分かりました(図4)。
*4 シャノン多様度指数: 菌の種類の多さ、存在比率の両方からどの程度の偏りがあるか、それぞれの皮膚での菌叢の多様性を評価する指数

《プレバイオティクス成分の開発と肌改善効果》
(1) 試験管内培養系において、表皮ブドウ球菌の増殖を促進し、かつ黄色ブドウ球菌の増殖には影響しないようなプレバイオティクス成分を探索し、サッカロミセス抽出エキスを含む有効な組成物を見出しました(図5)。
(2) 上記(1)で効果の確認されたプレバイオティクス成分を基剤に配合し、27名の被験者に連用テストを行い、肌生理指標の測定を行うとともに、額および頬から皮膚常在菌を採取し、同様な方法で菌叢の解析を行いました。その結果、全ての肌において水分量が改善し、連用開始時に菌叢の多様性が低かった肌で特に、キメが改善されることが分かりました(図6)。また、表皮ブドウ球菌を含む病原性のないブドウ球菌属の菌数は連用により増加することが分かりました(図7)。


以上の結果より、皮膚の細胞と皮膚常在菌が相互作用しながら共存する皮膚のエコシステムをより深く理解し、解明していくことは、肌をより良い状態に保つための新たなスキンケアのソリューションの実現に繋がると考えられます。
今回の研究成果で得られた皮膚常在菌に関する知見は今後のスキンケア製品へ応用していきます。
▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000002960&rt_pr=trg58
▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trg58
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