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コスメ化で伝統をつなぐ。20代の組踊・琉球舞踊の役者が挑戦する取り組み

琉球コンパス合同会社

 コロナ禍に舞台活動はほぼすべて中止。伝統芸能をつなぐ人は活動の場を失いました。そんな中、役者の化粧下地”びんつけ油”に注目し、コスメで伝統を発信する。

 琉球コンパス合同会社は、コロナ禍をきっかけに、舞台で演じるほかにできることを模索し、琉球の伝統をもっと身近に。多くの人が、伝統に心を寄せながら暮らしや人生が豊かになる未来をつくるために挑戦し、取り組みます。

当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは琉球コンパス合同会社の夢です。


琉球舞踊の化粧の様子(リュウカツチュウ・国立劇場おきなわYouTubeより)
モクロウでできた化粧下地「びんつけ油」
 組踊と琉球舞踊とは 
⦅組踊⦆とは、唱え、音楽、踊りによって構成される歌舞劇のこと。今から約300年ほど前、1719年に初めて演じられ、中国から琉球王国の新しい国王を任命するためにやって来る冊封使を歓待する際の宴で上演していました。

⦅琉球舞踊⦆とは、琉球王国時代から沖縄に伝わる伝統舞踊のこと。琉球王朝時代に、宮廷芸能として育まれた古典舞踊や明治以降に創作された民俗要素を取り入れた庶民的な雑踊や創作舞踊があります。
 私と琉球の伝統との出会い 
神奈川県出身の私(琉球コンパス代表・高井賢太郎)が、琉球の伝統との出会ったのは日本体育大学に在学していた頃。その音楽、踊り、歴史を知れば知るほどにのめり込みました。「学ばなければ、人生後悔する。」と、気づけば移住していました。

ずっと願っていた沖縄生活は毎日が充実し、毎日が不安と挫折の日々。知らない自分、できない自分、よそ者の自分。人は1人では生きていけない、改めて沢山の人に支えられて生きてきたと実感しました。

沖縄に住んで7年の今。この島の芸能の魅力は?と聞かれれば、“人“ と答えます。
作品はもちろんのこと。何よりこの島の人が、文化が創ってきた伝統芸能には、この島の心がつまっている。等身大のあたたかさと人間味を感じます。そんな伝統と人に私自身の人生が、毎日の暮らしが支えられました。

この伝統芸能に、人に、文化に触れて、支えられる人、背中を押される人は私だけではない。きっと国籍も性別もアイデンティティも関係なく、等しく心豊かにしてもらえるだろう。

だからこそ、沖縄の伝統芸能でなければならないし、そんな想いこそが、弊社が琉球芸能にこだわる理由であり、琉球芸能を発信しつづける理由です。


高井賢太郎|琉球舞踊・組踊 立方玉城流敏風利美の会。仲間若菜、安次嶺利美に師事。沖縄県立芸術大学 大学院 音楽芸術研究科 舞台芸術専修 琉球舞踊組踊専修 修了。琉球新報 琉球古典芸能コンクール 琉球舞踊部門 最高賞 受賞。国立劇場おきなわ 第五期 組踊研修修了者。国立劇場おきなわ主催公演はじめ県内外での舞台出演やワークショップや組踊の普及活動に取り組む

 コロナ禍ですべてなくなった 
伝統芸能従事者にとってコロナ禍は苦しい日々でした。舞台は軒並み中止。仕える事がなくなったわけです。伝統芸能を生業とする者は生きていくために、芸能から離れ、別の何かに仕えるほかありませんでした。

2019年、首里城火災でカタチある宝ものを失ったとき、多くの支援と想いが集まりました。その数か月後、コロナ禍でカタチない宝もの歌や踊りをつなげられなくなりそうだったことを、どれだけの人が知っていたでしょう…。

琉球王朝時代に首里城で生まれた、組踊や琉球舞踊をはじめとする歌や踊りも、沖縄が沖縄であるための大切な宝ものです。
 ピンチをポジティブに、役者の化粧に注目 
そんな伝統芸能を、新しいカタチで、もっと暮らしの近くで感じることはできないか。舞台で、劇場で演じられるほか、伝統芸能に触れる機会をつくれないか。

あたりまえがあたりまえでなくなったコロナ禍はピンチであり、新しい発見や挑戦に取り組むチャンスでもある!と信じ、組踊や琉球舞踊の役者の化粧に注目しました。