SKINCARE
日々多くの美容成分が発見され、中にはノーベル賞受賞の成分も。さらにニューフェースだけでなく、昔から使われていた成分もどんどん進化してブラッシュアップしています。でも、どの美容成分がどこに効くか知っていますか?肌悩みに応じて賢くスキンケアを選びたいから、キレイになる王道&最新美容成分をチェックしましょう!
メラニンの生成を抑えてシミを防ぐだけでなく、真皮コラーゲンの産生も促進。独自発想の「巡らせる」美容液。月桃葉エキスの他に、水溶性ツボクサ、タンパク質着目成分も配合。美活肌エキス[医薬部外品]30ml(約60日分)¥11,000(再春館製薬所)
原産は東南アジアで、日本では九州の南や沖縄に生育するショウガ科植物の月桃の葉から強い生命力をもった植物で、その成分にはシネオールが含まれており、鎮痛・殺菌・抗炎症・新陳代謝を活性化する。肌においては、基底細胞、線維芽細胞の増殖を促進し活性化させることで、ターンオーバー促進や、コラーゲンの産生促進作用をもたらす。真皮のタンパク質の糖化抑制作用もあり、糖化によってできたシワ・たるみにも効果があるとされている。ポリフェノールも多く含む。また、幸せホルモンと言われるオキシトシンの働きを肌レベルでブーストするという研究結果もある。カネボウ「スマイル パフォーマー」、コーセー「雪肌精 クリアウェルネス」、資生堂やポーラ「B.A」の製品にも配合されている注目の植物成分。
過酷な環境を生き抜くオセアニック クリスタの始原細胞の力で肌のバリア機能を高め、なめらかでくすみのない肌へ。ひまわり種子オイル&ホホバ種子オイルも配合の美容液。P.C スキンミュティ セラム 50ml ¥24,200(ヘレナ ルビンスタイン)
リンゴ果実培養細胞エキスと天然ヒト型セラミド配合のクリーム。ほかにもビタミンA・C・Eをナノカプセル化した高浸透ナノカプセル等配合でハリと潤いのある肌に。ララヴィ アドバンスト リッチ クリーム 50g ¥8,800(アンズコーポレーション)
東京大学との共同研究を商品に反映してリニューアル。3種のヒト幹細胞エキスをブレンドし、成分を3倍にパワーアップ。ハリや潤い、美白などあらゆるエイジングケアに。フラコラ HITOKAN ヒト幹細胞 エキス原液LP 30ml ¥6,645(協和)※4/25発売
幹細胞を培養する時に放出される「天然のカプセル」エクソームの量と効果に着目し、新たな美容液を開発。ヒト脂肪由来のエクソームと胎盤由来のエクソームの組み合わせで、ハリのある美肌が実現。GEN-EKI EXO エッセンス 30ml ¥17,600(レカルカ)
幹細胞コスメとは、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養する際に分泌される「培養液」を成分として使用しているもの。ヒト由来のヒト幹細胞、豚や馬由来の動物幹細胞、植物由来の植物幹細胞があり、化粧品にはヒト幹細胞培養液と植物幹細胞培養液が多く利用されている。<ヒト幹>由来では、脂肪由来の幹細胞、胎盤、臍帯結、歯髄などから抽出されたものもあり、肌の細胞を活性化させ、よりよい肌コンディションにしていくことがわかっている。植物幹細胞培養液はリンゴやアルガン、バラ、マリンプラントなど過酷な環境下で生き抜く植物もあり、高い抗酸化作用と保湿効果が期待できる。
砂漠の塩湖でも自らの水分を逃さない極限環境生物が生み出す成分「エクトイン」配合。「高持続ケラチン保水処方」を採用し、独自の保湿成分「ATPスピラル」、ユーカリエキス配合。うるおいで満ち溢れたハリのある肌に。エスト ザ ローション 140ml ¥6,600(花王)
日本でクローズアップされたのは2017年発売の「エスト ザ ローション」。エクトインは、エジプトの沙漠の塩湖でも生き続ける極限環境生物が生み出す成分で、水を抱え込む力が強く、角層のケラチン線維の近くで持続的に保水力を高める。その他にも、タンパク質の安定化、酸化ストレスによる炎症緩和、また、損傷したタンパク質の代謝促進をするヒートショックプロテイン(HSP)の生成を促す、コラーゲン線維形成を促進する、ランゲルハンス細胞を保護し免疫を高める、などの知見があり、保湿ケアはもちろん、シワケアやエイジングケア分野でも注目の成分になっている。
最先端の美容成分として注目されているNMNを配合。さらに3つのヒト幹細胞培養液や7種の機能性ペプチドなどを配合。肌のターンオーバーを促進し乾燥小ジワを防ぎ、ハリと潤いを叶える。NMN SirteenSerum 30ml ¥29,040(インフィニクス)
NMNはニコチンアミドモノヌクレオチドと言われるビタミンB3に近い成分。体内でNADに変化する。NADは「長寿遺伝子」「若返り遺伝子」として注目を浴びているサーチュイン遺伝子の活性化を促す酵素で、1926年にノーベル化学賞を受賞 。NAD自体は肌に取り込めないため、NMNを体内で変換してNADの量を増やすことで様々なエイジング悩みに働きかける。スキンケアにおいては表皮のサーチュイン遺伝子を活性化することで、皮膚の老化を予防。現在、ハーバード大学医学部の研究グループがNMNの世界最先端。原料価格が下がり、製品が今後も増えそう。
人間の体が本来持っている因子で、注目のEFGを高濃度配合。加齢による肌の乾燥やハリ不足を根本からケアし、肌本来の力をサポート。手持ちの化粧品と組み合わせて使用可能。SUPER100 SERIES EFG 10ml ¥3,300(ドクターシーラボ)
1962年に発見された「上皮成長因子」と呼ばれる53個のアミノ酸からなるタンパク質の一種。1986年にアメリカの生物学者コーエン博士が、肌の再生に役立つことを解明した研究などでノーベル生理学医学賞を受賞した。以降、皮膚や骨、筋肉などの細胞の成長や代謝を調整する機能を持ったタンパク質として医療分野でも広く使われ、美容面では「ヒトオリゴペプチド−1」という化粧品成分として使用。表皮細胞の修復や成長を促進し、ダメージを受けた皮膚や粘膜を再生させる働きを持つ。ハリやシワくすみに効果があるエイジングケア化製品やサプリメントにも多く活用。
2022年『美ST』6月号掲載
撮影/河野 望 取材・文/大佛摩紀 イラスト/まるはま 編集・文/石原晶子
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