SKINCARE

《連載》マスク荒れの特効薬:【マイクロバイオーム】が誰でも分かる〈30年間 美容エディターのコラム〉

編集Iの「30年目のコスメ愛」第19回

肌力、肌力、と言いますが、それはいったい何でしょう? つきつめれば、「バリア機能が正しく働いて肌の中に水分を保持すること」だよね、とマスク着用で不調な肌を見ながら思っています。

定番を定番のままにしない、常に新しいと発信できるロングセラーコスメ

そのために何が必要なのか、今、注目を浴びているのは肌の常在菌です。
その研究にいち早く取り組み、最先端の研究を行っているのがランコム。みなさん、おなじみの大ヒットコスメ「ジェニフィック アドバンスト N」の提唱する「美肌菌」がまさにそれ。

だいたいスキンケアは登場した時が「最新」で、後の新製品に更新されるのが常ですが、中には常に最新であり続けるコスメがあります。それは製品の秘めた力をさらに解き明かす研究と発信をメーカーが続け、定番を定番のままにしておかないからです。2020年10月1日、フランス、パリにて開催されたランコムのオンラインスキンケアシンポジウムを見て、そのことを実感しました。

この3つの言葉だけ覚えましょう

肌の上にはいつも菌があってそれが美肌に作用するんだな、とざっくり知っている方、それ正解です。そこでもうひと押し、カタカナの羅列にめげす用語を3つだけ覚えましょう。

【マイクロバイオーム】

生きている微生物(菌)の有益な生態系。成人になると1,000種類を超える菌があって、皮膚2cm四方に200万個も存在。DNAや指紋のように人それぞれ異なる。それがバランスよく働くのが大事。加齢、外部からの刺激、汚染物質、紫外線、ストレス、薬の服用、食生活によって、バランスが崩れると役割を発揮できない。

【プレバイオティクス】(以下「プレb」)

栄養素として「マイクロバイオーム」に使用される成分。善玉菌を増殖させる働きを持つ、オリゴ糖、食物繊維の一部など。

【プロバイオティクス】(以下「プロb」)

人の体に良い影響を与える生きた善玉菌。乳酸菌、ビフィズス菌など。

ところで、マスクの下はどうなっているの?

マスクは顔を覆って皮膚を閉塞します。マスクの下の皮膚は、高温、汗、鼻や口からの湿気でいっぱい。それによって悪玉菌も増殖しています。また、マスクの接触刺激や、マスクを取ったときに急激に乾燥することも肌にはマズい。これらすべてが皮膚バリアの弱体化につながり、肌炎症を起こして、慢性的な乾燥肌、ゆらぎ肌になってしまいます。実はバリア機能は、悪い外的要因から肌を守るだけでなく、肌に良いものは取り入れる働きもするんですね。だから壊れてしまうと外的ストレスに攻撃されるだけでなく、スキンケアの成分も取り入れにくくなってしまいます。

そこで「マイクロバイオーム」が重要になる

しかし、マイクロバイオームがバランスの取れた機能を発揮すると、正常な免疫反応があり、良好な創傷治癒があり、感染症に抵抗することができるのです。
皮膚の表面積はどれくらいあるか知っていますか? ものの本によると日本人成人では約 1・6平方mと言われるのですが、成人の体には約500万個の毛穴があり、皮膚内の毛穴や毛包も含めて計算すると、実際には25平方m ほどになるとか。つまり肌は、菌の集合体「マイクロバイオーム」の人間最大のインターフェース。だからこそケアすることが重要です。

菌たちは互いに会話して私たちの肌を守っている

『もやしもん』という漫画がありますが、なんとその漫画の世界のように、菌が互いに通信できることも発見されています。多くの菌が互いに話し合ったり、人体に話しかけたりして、バランスを保ち、外界から私たちを守り、病気を予防します。面白い! 菌は私たちと一緒に働いていて、目には見えないけれど皮膚の健康のためにとても重要な役目を果たしているのです。

おなじみの美容液で、「マイクロバイオーム」の威力を感じられる

ランコムの「ジェニフィック」は2009年に登場し、2019年9月6日に「ジェニフィック アドバンスト N」にリニューアルし、3種のプレbと4種のプロb由来成分が入っています。プレbは2種類の複合糖で、マイクロバイオームのエネルギー源になり善玉菌を成長させ、病原菌を抑制します。また、実はすべてのプロbが肌のマイクロバイオームに有益であるわけではないので、この美容液に配合されているのは、何百もの組み合せを研究して最適だと選択されたもの。それらを高分子量のヒアルロン酸と合わせたのが「ジェニフィック アドバンスト N」です。

スポイトぶん1滴で、約3千万ものプレbとプロbを肌に届けることができるなんて、withマスクの肌サポートのためには使い続ける価値がありますね。

1:抗菌力と抗酸化による保護、2:炎症を緩和する制御、3:表皮の結合力を高め肌バリアを補強する回復、という3つの役割が、バランス良く生息しているマイクロバイオームにはある。そのような肌環境に整えて、皮膚の防御力と回復力を高める美容液。ジェニフィック アドバンスト N 30㎖ ¥10,000、50㎖ ¥14,000(ランコム)

Information

ランコム https://www.lancome.jp/

編集I/ビューティ編集歴29年。愛ある視線で厳しく化粧品を選ぶ。アジアエンタメ、「NODA MAP」、「大人計画」関連好き。糖質コントロールで9キロ減量(後、2キロ増えてまた1キロ減)。美ST本誌で連載「新・名品コスメの殿堂」が2020年1月号から再開され、連載中です。Netflixで配信になった「秘密の森 2」を見始めました。夢のあるラブストーリーとは違ってシビアな現実を描いた社会ドラマですが、「1」同様脚本が秀逸なのと、主演の検事役であるチョ・スンウの、無表情(子供の頃、脳手術を受けた影響で感情を出せないという設定)の中にチラっと「あ、今、怒ってる」「ちょっと嬉しいらしい」と感じさせる演技がすばらしいです。

FEATURE

MAGAZINE

一生元気に!自愛ビューティ

《連載》マスク荒れの特効薬:【マイクロバイオーム】が誰でも分かる〈30年間 美容エディターのコラム〉

2025年1月号

2024年11月15日発売

FOLLOW US

HOT WORDS

PRESENT & EVENT

Topics本当は怖い<皮脂>の真実【PR】