紫外線や近赤外線はエイジングの大敵だから、カットするのが重要! というのは、美ST読者なら周知の事実。ただ、太陽光の中にも波長の長さによっていくつかの種類が。中には、肌を活性化させる「赤色光」という波長の長い光があることが判明しました。取り入れる光と避ける光を選べば、太陽さえもスキンケアの味方につけることができるんです。
太陽光の中には避けるべき光と
取り入れるべき光がありました
太陽光のうち、避けなければならないのは、角層から表皮近くまで届くUV-Bや真皮まで届くUV-Aといった紫外線のほか、ブルーライトや、皮下組織にまで届く近赤外線。でも実は肌にいい影響を与える光も存在しています。それは、可視光の中で比較的波長の長い赤色光。これまでは存在自体が見過ごされてきましたが、この赤色光を活かす研究が進んでいます。
皮下組織の中で肌を支える極太の線維束=RC構造。肌をマンションにたとえると、RC構造は倒れないように持ち上げて支える地下くいのような役割を担っていて、たるみのない立体的な顔立ちの鍵となります。
RCを繋ぎ合わせ、太く強固にする役割を持つ重要なたんぱく質MFAP4。赤色光はこのMFAP4を生み出す皮下腱細胞を活性化する役割が。赤色光がMFAP4の産生力を向上させ、RC構造を強化することでハリや弾力を高めます。
一方、近赤外線は、MFAP4を分解して減少、RC構造が裂けてしまう恐れが。RC構造が壊れるとたるみやハリの低下に直結。さらに、近赤外線や紫外線は表皮や真皮にもダメージを与え、乾燥や糖化の原因に。しっかりカットする必要があります。
「太陽光が肌を老化させる」という常識が、防御の意識で行動を制限していたのが、改めて光の持つ力が見直されているのです。今後は太陽光の中には避けるべき光と取り入れるべき光があることに着目して、「太陽とともに生きていく」という美容の新常識が当たり前になっていくでしょう。