SKINCARE
化粧品は、ライフスタイル、環境の変化、美しさの価値観などさまざまな理由で生まれてきます。もちろん「売れる」ことは重要ですが、作っている時に当事者はそんなことをあまり考えておらず、ただ「女性の肌を美しく見せるのに役立つ製品」を作ろうと思っている――それが28年間、化粧品を見続けてきた私、編集Ⅰが化粧品を愛する理由です。この10年間の目覚ましい進化のトピックを交えて、番外編をお届けします。
レベルの高い研究の継続性が資生堂の凄さ。この3代目である新「ル・セラム」にも最新知見が応用されている。資生堂は約30年にわたり表皮と真皮の境にある基底膜の研究を行っており、基底膜がダメージを受けると表皮幹細胞は減少するが、ラミニン511(たんぱく質の一種)がその減少を抑え維持に関わることを、今回、世界で初めて発見した。加齢や紫外線によって減るラミニン511を産生促進し、表皮細胞を生み出す「ケルプレックス」という3種の海藻抽出液を配合。ル・セラム 50㎖ ¥25,000 レフィル¥24,500(クレ・ド・ポー ボーテ)2019年8月21日発売。
「洗顔の後に化粧水」は長い間の常識でした。しかし、2002年に出たソニア リキエル ボーテの「イドラ プルミエール」がヒットしてから、「ブースター」という言葉と多くの製品が生まれました。そして10年前の2009年にランコムから「ジェニフィック」が発売。導入目的のみならず、それ自体が大きな効果をもたらすアイテムをスキンケアの最初に使うことが普及していったのです。その最高峰と言えるのが2013年に登場したクレ・ド・ポー ボーテの初代「ル・セラム」です。この時から常に傍らにある私の〝人生コスメ〟になりました。使った翌朝に肌の見た目から変わりましたから。
2017年に2代目が、2019年8月に、外的・内的ストレスと加齢による細胞エネルギーの低下に対応する新生「ル・セラム」が発売。鍵になるのは〝肌知性〟と言える表皮のセンサー。健康な肌にはイオンバランスが重要ですが、今の環境では紫外線や乾燥などの外的ストレスを多く受け、肌の中では+イオンが増え常に興奮状態に。また、疲れや悩みなどの内的ストレスが多いとイオンの出入口が壊れ、+イオンが減少。それらが肌知性を低下させ、悪循環のもとになります。
肌細胞一つ一つに肌知性があるから、肌が求めるものを選択して届け、肌自体の修復力と防御力を高める。その働きに加え、「ル・セラム」は新たに表皮細胞を生み出して肌を覚醒させ、次に使うアイテムをより効かせる。それこそが最先端の1stステップの役割です。
\使い切っています!/
スライド左/初代「ル・セラム」の7カ月半分のレフィル。スライド右/初代の赤い限定ボトルは今も取ってあります。新「ル・セラム」は発表会から即使用。50㎖は1回3プッシュ、朝晩使用で約50日分。
2019年『美ST』10月号掲載
撮影/河野 望 編集・文/石原晶子
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