PEOPLE
20代で「JJ」、30代で「VERY」、40代で「STORY」、50代で「éclat」と、その世代を代表する女性として雑誌の表紙を飾り続けてきた黒田知永子さん。昨年還暦を迎えてなお輝きを増す黒田さんに美しさと元気の秘訣を伺いました。
「美ST」の姉妹誌「STORY」の表紙モデルを長年務めたモデルの黒田知永子さん。毎月の表紙撮影は、業界では知られたここ、イイノ広尾スタジオだったそうで、思い出深い場所。昨年還暦を迎えても、明るくポジティブな人柄は変わらず。今日は、当時のままチコさんと呼ばせていただき、お話を伺いました。
ブラウス¥85,800、スカート¥85,800(ともにプラン シー/パラグラフ)
《Profile》
’61年東京生まれ。学生時代に「JJ」でモデルデビュー。その後「VERY」「STORY」「éclat」の表紙モデルを務め、現在も女性誌やカタログなどで活躍中。stand.fm「黒田知永子のchiko plusチャンネル」、不定期で「チコとハコのボンボニエール」配信中。
「JJ」2年、「VERY」5年、「STORY」6年、「éclat」8年。振り返ると計21年女性誌の表紙モデルを務めてきました。人生の3分の1以上。表紙はすべて保存してあり、「JJ」と「éclat」は雑誌のまま、「VERY」と「STORY」はやむをえずスクラップブックに。
そもそも何が何でも表紙モデルになりたいと思っていたわけでなく、女性誌の歴史が、そのまま私の年齢に合致して、たまたまその立ち位置にいさせてもらえたんだと思ってます。でも、どの時代を振り返っても、楽しかったし、本当に幸運だったなって。
同い年で仲良しの作家のハコちゃん(岩下尚史さん)に、「何の努力もしないでここまで来た女」って言われる(笑)。これはハコちゃん的にはほめてくれてるそうです。ある意味当たっているけど、モデルを職業にして以来、基礎的な顔のお手入れ、身ぎれいにすること、太らない工夫は、私の中ではごく当たり前で、努力を超えた習慣になっています。だって、サンプルの洋服の中にはすごく細いものもあるから(笑)。着られない服がないようにしていたい、その気持ちは昔も今も変わっていないですね。
もともとそんなには太らない体質。両親も太ってないし、それはありがたいですね。体重自体は変わってないけど、食べたいだけ食べると見た目が変わることに気づいたのが40代後半。実は甘いものや麺類が大好きで、好きなものはほぼ糖質。だから糖質制限やグルテンフリーなど、やってみたいし、やったほうがいいとはわかっていても、無理そうなので、60代になった今も好きなものを食べていますが、食べる量が変わりました。昔みたいにおせんべい1袋とか、一気にどかんと食べることがなくなり、わりとチビチビ食い!量で加減しています。
朝ごはんは、トーストにバターかオリーブオイル、卵料理とサラダとコーヒー。渋谷のヴィロンなど、美味しそうなパン屋さんがあれば購入して冷凍しています。パン・ド・ミーなんかが好きです。昼ご飯はうどん率が高いかな。お揚げとねぎに、冷蔵庫にお肉があればちょっと入れて。最近はどのだしパックも美味しいので、だしはそれで十分。どの食事もきちんと食器に盛り付けて食べるように心がけています。
運動はヨガに6年以上週1で通っています。モデルのSHIHOちゃんのような美しい姿を想像しないでね(笑)。世界観が全然違うから。体が硬いので、女友達3人とヒーヒー言いながらのヨガ。素敵な感じは1ミリもないのよ。拷問ヨガと呼んでいます。でも体を伸ばすのは気持ちがいいし、長生きしても寝たきりだと意味がないから、最後まで自分で歩けるように股関節周りをじんわり鍛えています。がっつり鍛えるジムは苦手。女友達とゴルフに行ったり、毎日犬の散歩をしたり、緩い感じの運動が好きですね。
スキンケアはわりといろいろ使ってみるほうです。たまに変えたほうが肌の調子もいいような気がします。今は、10年以上通っている恵比寿のサロン・ド・メリッサのメリッサボーテのコスメラインを中心に、フェリーチェトワコ、ヴァルモンなどなどを使っています。最初にブースターで肌をしっとりさせた後、化粧水は首までを含めて手で3回以上入れ込んで、これからの季節は美白美容液をつけ、クリームで閉じ込めます。メリッサでは分子整合栄養医学に基づいて、1年に1回血液検査をし、足りない栄養素をサプリで補塡。今は亜鉛、ビタミンCなど数種類を飲んでいます。肌の調子もよくなり、風邪もひかず、体調も良く、花粉症も軽くなりました。更年期も50代前半に空気が止まっているような場所に行くとホットフラッシュを感じて、常に扇子を携帯していました。だから、可愛い扇子を買い求め、その暑さを乗り切った感じです。
最近は鍼治療のため表参道のハリッチへ。目が重いな、下がってきたなと感じる今日この頃ですが、施術後は頭も目もすっきり!1カ月はもたないけど、鍼は即効性があるのでオススメです。60歳になって四十肩にもなり、顔だけでなく体も見てもらっています。
メークは仕事以外のときも簡単にしています。すっぴんを自慢できるほどではないので!日々10分コースです。ファンデは艶々が好きではなく、韓国ドラマを観ていても、なんでみんなテカテカなの?って思っちゃう。普段はマットタイプの韓国コスメのクッションファンデ、きちんとメークのときはクレ・ド・ポー ボーテのタンフリュイドエクラのマットを。お粉はつけず、外出時にコンパクトおしろいで脂を押さえるくらいかな。アイシャドウはほとんどつけず、アイライナーはUZUの黒、マスカラはアンプリチュードの黒がお気に入り。最近はマスクが必須なので、口紅はほとんどつけないけれど、たまに気まぐれでつけているとやっぱり気分がいい~。ちなみにどこにも出かける予定がない日は、もちろん何もしません。
「STORY」のときにショートにして以来ずっとショート。撮影時はパーマをかけ、メッシュを入れて白髪がまぎれるようにしています。
ブラウス¥72,600、パンツ¥71,500(ともにプラン シー/パラグラフ)
モデルになったきっかけは、スカウトでした。街を歩いていると頻繁にスカウトマンに声をかけられましたが、知らない人についていくのは絶対にダメだと思っていたので進展はしなかったんです。ところが、ある雑誌の街角スナップに載ったとき、それを見たモデルクラブの女性の方から連絡をいただき、「学校も行けるし、部活も続けて、空いている時間にモデルのお仕事をしてみない?」と誘われ、事務所に所属しました。「JJ」に初めて出たのは短大生のとき。同じ年頃の学生の子が多く、最初は賑やかな部活のような感じでした。あまり明確な目標もなく、ただ楽しい時間が過ぎていきました。
その後、28歳で結婚して、29歳で娘を出産。当時は、その世代に合わせた女性誌もなかったので、また復帰して働こうという感覚もなく、毎日子どもと公園に行って、家中心の日々を過ごしていた33歳のとき、「JJ」時代にお世話になった編集の方から突然連絡がありました。「かつて『JJ』の読者で、その後主婦になった30代をターゲットにした女性誌を立ち上げるから、表紙をやらない?」と。「それ、絶対売れると思う。そんな雑誌ないもの!」と賛成しながらも、「私でいいの?」って言ったんです。すると「大丈夫だと思う」って。そんな曖昧な感じなんだと思ったけど、よく知っている編集の方だったから、「やってみようかな」と思いました。でも娘は幼稚園に入ったばかり。元夫に「やってもいい?」って聞くと、「やったらいいんじゃない」と。35歳のときに「VERY」が創刊。10年以上ぶりに表紙で復帰しました。瞬く間に忙しくなったけれど、家庭が最優先。母と義母の手も借りながら何とかこなし、仕事が終わった帰りの道すがら、今後の予定を考えながらスーパーで買物して、ばたばた家で夕飯を作る生活でした。
30代後半になり、41歳で「STORY」が創刊され、47歳まで表紙をやって卒業。半年後に集英社の「éclat」の表紙が決まりました。長年光文社で育てていただいたので、他の出版社で働くことに最初は不安もあったけれど、雑誌の作り方もスタッフも全然違うから新鮮で、今に繋がる新しい友人もたくさんできました。私は何事もポジティブに捉え、流れに逆らわない道を選ぶタイプ。だからこそ今まで続いてきたのだと思います。
40代前半はまだ娘に手がかかる時期で、毎日が慌ただしかった。45歳で離婚。シングルマザーになってからは、落ち込む暇もなく、無我夢中であまり覚えていないけれど、むしろ頭の後ろがすっきりして、心身ともに元気になれました。離婚の理由は1つじゃないし、いろいろあったけれど、結婚していたその時間は大切なひとときだったと思っています。自分自身で考えて出した結論。決して衝動的ではない納得した結論です。もし悲しくて、自分が落ち込むなら別れなければいいわけでしょ。当時まだ高校生だった娘には申し訳なかったし、娘にも思うことはいっぱいあっただろうけれど、私には何も言わなかったですね。
唯一残念だったことは、離婚しても子育てをし、ご飯も作り、掃除をして、主婦としては何も変わらないのに、女性が離婚をすると、世間的には主婦じゃなくなるの。女性として見てくれるものはOKでも、ファミリー向けの仕事はダメ。全部織り込み済みではあったけれど、それはすごく残念でしたね。離婚して幸せでも、日本の社会では、家庭円満で幸せそうな女性がいちばん良しとされる。抗うことはできなかったです。でも、私自身は結婚していようがしていまいが、今の自分が幸せだと思えればそれでいい。そう思い直し、それによって失う仕事があっても仕方がないと割り切りました。そもそもが引きずらない性格。というか引きずりたくない。嫌なことはなるべく早く忘れるようにして、後ろは見ないの。いつも前を見てきました。
昨年還暦になりましたが、今は日々本当に幸せ。生活の中に〝プチ幸せ〟をちりばめています。マンション5棟持ってますっていう幸せもきっとあるけれど、私はそれを持っていないし、よく働いたのに、お金どこに行っちゃったの?って思うけど(笑)。ソファに猫2匹と犬1匹と寝っ転がりながら韓国ドラマを観る時間、夕飯を素敵なお皿にのせて可愛くして食べる時間、どれもが至福。
ロケで地方に行くと、その土地の素敵なお店だったり、取材で窯元に伺ったりすると、その作家さんの器を、といった具合に購入していたら、気が付けば食器棚が満杯に。税理士さんから「お店でも始めるのかと思ったわ~」と冗談まじりに言われたことも(笑)。コロナ禍の緊急事態宣言中に、ニトリのオンラインで便利グッズを購入して整理整とんしました。便利なものが盛りだくさんで感激。ちょっと楽しかったです。
女友達とのゴルフは、ちっともうまくならないけど楽しくてしょうがないし、部活の同級生との旅行とか、友達との時間は本当に幸せ。そんなプチ幸せが毎日いっぱい。女性の美しさって、スタイル抜群で顔ピカピカがいいわけじゃなく、私は屈託なく笑う人が好き。意地悪な人って顔に出るでしょ。私、犬だから、そういう人を感じると近寄らないようにしているの。くんくんくん。
買物はもちろん好き。ファッションが大好き。ブランドも好き。いつまでもオシャレをしていたいし、していようね、みなさま!今後も何かしらオシャレに関わっていきたいと思っています。
自分に対して何かしら気を使っていると、それがおのずと美しさに繋がると思います。毎日のお手入れ、規則正しい生活の積み重ね、小さな幸せを日々見つけることが大切。
2022年『美ST』6月号掲載
撮影/佐藤航嗣(UM) ヘア・メーク/徳田郁子 スタイリスト/佐伯敦子 取材・文/安田真里 構成/和田紀子
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