SKINCARE
光文社で30年以上美容を担当し続けるベテラン美容編集部員が語る、イチオシの殿堂コスメ連載です。今回は大人のエイジング悩みシミ・シワ・たるみのケアが1本でできるマルチ美容液がテーマ。選ばれたコスメはランコムの「レネルジー HCF トリプルセラム」です。
「ジェニフィック アドバンスト デュアル コンセントレート」、「クラリフィック」に続いてランコムからまた面白い製品が出ました。最新科学を目に見える形にした商品デザイン。手に出した時の楽しさ。「レネルジー」ラインはマトリックスを構築しリフトアップするクリームが今まで有名でしたが、今回はラグジュアリーで美しい美容液が花形に。欲しいものを一度で叶えてくれる名品です。
レネルジー HCF トリプルセラム 50ml ¥23,100(ランコム)。次世代ヒアルロン酸「ウルトラフィラー」(アセチルヒアルロン酸Na)と、ロワール渓谷とフランス南西部で栽培されたリンシード(亜麻仁)エキスから抽出されたレネルジー共通成分のグルコペプチドを合わせてシワ対策に、ビタミンC誘導体とナイアシンアミドがシミ・くすみ・色ムラ対策に、純度99.9%のフェルラ酸が抗酸化を防ぎエイジングケアに。その3種が別々に、完成まで3年ほどかかったというハイテクながらラグジュアリーな容器に収納されている。1プッシュで同時に出てきて、フレッシュな状態で肌に塗布できる画期的な美容液。2022年1月1日発売。
\ここがすごい/
1: すべての目標は「最大効果を得る」ため
2:3種の効果を最も生かすベストな組合わせと配分
3: 効果を実現するために最適な美しいパッケージが不可欠
スキンケアのステップが多くなり、重ねる化粧品の数も増え、その順番もややこしいことになっています。オールインワンはありがたいですが、悩みが多すぎて残念ながらメインにはならないなあ、と思っていたら、こんな化粧品が出ました。ランコムの「レネルジー HCF トリプルセラム」。3つのノズルから出てくるフレッシュな異なる美容液を、使う直前に手のひらで混ぜ合わせる。これ一つでSST(シミ・シワ・たるみ)すべてOK。それぞれの悩みに専門的に効きつつバランスも良く、肌が高め安定するようになりました。
ランコムの「レネルジー」はシワやたるみ悩み、肌の弾力・ハリにアプローチするシリーズとして1991年に誕生。2010年発売の「レネルジー V セラム」からメイン成分として、宇宙実験に持ち込まれるほど生命力が強いリンシード(亜麻仁)のエキスが配合され、数々の製品を開発してきました。リンシードの中に存在するグルコペプチドは、線維芽細胞を活性化しコラーゲンをアップ、基底層を強化して表皮と真皮をしっかり繫ぎ、肌の土台を構築します。さらに、H(ヒアルロン酸+グルコペプチド)、C(ビタミンC誘導体+ナイアシンアミド)、F(フェルラ酸)という組合わせで誕生したのが、この美容液です。
HCFは肌の中でそれぞれが補いながら一緒に働くことはわかっているけれど、ヒアルロン酸とグルコペプチドは水の中で働き、ナイアシンアミドとビタミンC誘導体は低pHで働き、フェルラ酸は無水ベースで保存すべきもの。一緒に混ぜると安定せず、各々の効果がうまく発揮できない、という問題がありました。それをなんとか一つに、と推進したのは「最大効果」を得るという命題のため。先端医療である「再生医療」、利用者がますます増えている「美容医療」は、ともに自分の中に持つ力を利用し最大化させることで結果を得ます。それを化粧品でできる最大の範囲で実現したい、という強い意志をもって、混ぜるのが無理なら別々に収納して一つの容器にしよう、とパッケージ開発に3年もかけて実現したのがすごいですよね。
最新科学を形にしたような容器だけでなく、当然、成分も考え抜かれています。
H:主にシワケア。配合されている次世代ヒアルロン酸は、バイオテクノロジー、グリーンケミストリーを用いた発酵製法で作られ、より分子が小さく、アセチル基をつけて肌への浸透性を高め、13倍も長く肌の中に留まります。そこに前述のリンシードエキスから抽出されたグルコペプチドを配合しています。
C:主に美白ケア。この美容液のビタミンC誘導体はエチルアスコルビン酸。他のビタミンC誘導体は、皮膚内でアスコルビン酸に結合させた成分が外れてから効果を発揮するのでタイムラグがありますが、これはそのままの型で美白作用があるため、即効性と持続性を備えており、チロシナーゼの活性を抑制します。ナイアシンアミドはエチルアスコルビン酸と相性が良く、肌を落ち着かせ色素沈着を防ぎます。
F:主にエイジングケア。フェルラ酸は、グリーンケミストリーによって米の胚芽もしくは米ぬかから抽出された、認知症にも効果があると注目されている抗酸化成分。バリア機能の酵素を活性化して強化します。技術的に難しい純度99.9%のものを配合。
しかも私が面白いと思ったのは、ナイアシンアミドが入っているのに医薬部外品ではない理由です。医薬部外品かどうかは濃度の問題なので、多く入れるよりもコンビネーションと効果を優先。逆にフェルラ酸は濃度が高いほうが皮脂の酸化をより防ぐことができるので、なるべく高濃度に入れました。3種が容器から出てきて肌に塗布された時のベストな組合わせと濃度の最適化(ある成分を強めたり弱めたりする)を考えて作られているのです。ランコムでは「バイオエンジニアリング」という基礎研究を1979年から行ってきました。化粧品も基礎研究あってこそ。一気に進化したのではなく、自分の肌力を活性化できる成分を見つけ、肌の中で一番うまく働かせる、その目的をけして忘れず蓄積してきた各分野の賜物なのです。
この美容液は時短というよりもマルチタスク。今の私たちは欲しいものが多すぎます。しかも一回で全部欲しい。それを叶えるために最先端科学によって、女性が簡単に速くきれいになれることを追求し、貪欲に、現在マーケットにないものまで作ってしまう姿勢に感嘆します。
\使っています♡/
手に出した時に、クリーミーな「H」、半透明のエマルジョンである「C」、透明なジェルの「F」がちゃんと分かれて出てくるのに感動。この3種は濃度も質感も違うのに、ちゃんと1プッシュで必要量が出るのがすごい。ここまで来るのに大変だったろうなあと思います。フェルラ酸はゆらぎ肌の私に欠かせない「ジェニフィック アドバンスト デュアル コンセントレート」のキー成分で、これが入っていることで敏感肌にも対応できるのがありがたいです。2プッシュでデコルテまで使い、約2カ月は持ちます。過去のランコムはスタンダードで質の高い製品というイメージがあり、ロレアルグループの中ではヘレナ ルビンスタインが「フォースC.」や「パワA.」など面白いコスメを作っていたと個人的には思うのですが、「デュアル コンセントレート」以降、ランコムに面白くて見た目も美しい製品が出てきたのが楽しいです。この近未来的かつアートな容器がまたフランスっぽくていいですよね。
30年間ビューティ担当 編集 I
『JJ』時代から美容を担当。 スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。
2022年『美ST』7月号掲載「新・名品コスメの殿堂」
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子
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2024年12月16日(月)23:59まで
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