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レーザーで取っても同じところにまたシミが出てくるのは何故?紫外線への備えを万全にしても出てくるのは何故?美白コスメは各社の最新の研究結果を詰め込んで製品化されますが、開発の原点はそんなユーザーの悩みや疑問です。一つの美白ブランドが長く信頼され続ける理由には、使うに値する確かな効果と、私たちの望む美しさに誠実に応えようとする姿勢があります。
ホワイトショット SXS [医薬部外品]20g ¥13,200(ポーラ)。取っても出てくる〝不屈シミ〟に対応する部分用美容液。2021年に「ホワイトショット CXS」で、血管領域(血管に蓄積する老化色素に、メラニンの黒色と糖化の黄色が重なると頑固な濁りになる)にアプローチしたのに続き、今回は神経に着目し、シミに集中する「アグレッシブノイズ」を解決する。処方設計においては、美容成分が安定に共存できるよう適正なpHや成分の相性などを考え抜き、今まで開発してきたホワイトショットの成分も含め、優れた技術でそれぞれ必要なところに届ける。ルシノール®EXとビタミンC誘導体(アスコルビン酸誘導体)のW美白有効成分配合(ルシノール®は、チロシナーゼの鍵穴にチロシンが入るところにルシノールが入ってメラニンをロックしシミを作らせない、という働きをする)。力強い膜感を残しながら、サラッとしたものにするため、プライマーなどをヒントにして肌との一体感を目指した。2022年1月26日発売。
\ここがすごい/
1:シミの要因は紫外線だけではなかった
2:繰り返し出てくるシミには神経が関係している
3:肌全域にわたって必要な成分を正しい場所に届ける
せっかくシミをレーザーで取ってもまた出てきたという経験、あると思います。私も二度レーザーで頰のシミ施術をしたのですが、同じ部分に復活……だから最近は〝美白コスメでケア派〟に。毎年年明けから美白の新製品を試し始め、一段落する夏の終わり、何を使おうかという時に、私はいつもポーラの「ホワイトショット」に戻ります。自分の肌に合い、効果をしっかり感じられる、美白コスメは相性が大切です。赤くなったり痒くなったりするのは論外ですが、確かに効くけれど1本完了した時に肌の質感がなんか嫌だわー、と思うものもありますから。「ホワイトショット CXS」と、今回リニューアルされた「ホワイトショット SXS」、両方使いで、明らかに肌のトーンが上がり、シミの色もかなり薄く。密着感はあるけれど、前作に比べてよれにくいのでメーク前でもOK、朝にも使えるようになったため効果が出るのが速いのかも。しばらくして「肌が白くなりましたね」と言われました。
さて、冒頭に書いたしつこく復活する〝不屈シミ〟、これはいったいどうしてなのか?そこから新「ホワイトショット SXS」の開発が始まりました。まず、日光(紫外線)が当たる顔のゾーンとシミのできやすさとの関係を調べます。すると最も紫外線が当たるのは額なのに額にシミはほとんどできず、シミが一番多くできているのは頰でした。日本人は頰骨だけが高いので日光が集中して当たりシミが頰に出やすいのでは? と考えがちですが、彫りが深い西洋人も頰にシミができるのです。つまり紫外線だけがシミの要因ではないということ。さらに、他の要因である炎症やエイジングまでケアしても、特定のゾーンにシミができる。だったら今までアプローチしてこなかった何かに要因がある、と考えました。
そして、シミのできやすさの分布が三叉神経の分布に似ているという事実に行き当たります。皮膚の外的感覚(触覚、痛覚、温度覚)は三叉神経によって脳に伝わります。三叉神経は脳の触手のようなもので、三叉神経痛の痛みは肌で生じているように感じても、実は脳に近いところで三叉神経の障害が起きています。しかし、三叉神経が皮膚の神経として「出し手」としても何かしているようだ、ということが今回新しく発見されました。調べてみるとシミがある部位に神経が密集しており、そこから放出された物質が過剰になり、メラノサイトに働きかけていたのです。その部分ではメラニンが多く産生され黒くなっていました。神経の「アグレッシブノイズ」と名付けられたその現象が、レーザー治療で取ったシミがまた出てしまう原因の一つだったのです。
神経が密集して増えると分泌物も増えるのだから、だったら神経を減らせば? という考えは化粧品の領域ではありませんし、神経が多いことで良いことがあるのも確かです。そこで、シミに関するものだけを抑制する成分として効果があったのが、ヒメフウロエキスでした。ヒメフウロは昔から薬草としても使われ、そのエキスは高い保湿効果や酸化抑制をはじめ、炎症を引き起こす原因となる酵素トリプターゼの働きを抑えたり、Ⅳ型コラーゲンの分解を抑制したり、さまざまな効果を持っています。ヒメフウロエキスを配合したポーラ独自成分「Nクリアエキス」を添加すると、神経の分泌活性が約50%抑制されました。
加えて、表皮上部から順に、細胞の代謝が困難になるメラニンキャップ(メラニンの塊)を壊して排出する「SCリキッド」(2015年)、停滞したメラノサイトを移動させる「m-Aクリアエキス」(2018年)、ポーラ独自の美白有効成分「ルシノール®️」(1998年。現在はルシノール®️EX)、過脂化メラニンキャップを分解する「m-シューター」(2015年)、過脂化メラニンを分解・排出する「クリアノール」(2013年)が効いていきます。今回の「Nクリアエキス」はより深い部分へ。肌全域の必要な場所に必要な成分を届けます。
シミの研究は歴史が長く進化は目覚ましいものの、常に解決されない悩みがまだあります。表皮研究だけでは改善しきれないなら、表皮より深い神経領域に進んでいく。前回にも書いたように、肌における神経の研究は新しい分野です。例えば、「アグレッシブノイズ」に関しても、卵と鶏の関係のようにシミと神経の密集のどちらが先なのかなど、未知な部分はまだありますが、その現象がトラブルの原因だと判明したら、まずそれを解決することが第一。そうやって一つ一つ進めていくのです。ざっくりとこれくらいのユーザーに効けばいいやと満足するのではなく、一人一人のなりたい肌、思い描く美白に応えるためにブランドを高めていく。「ホワイトショット」のような信頼と期待が大きいブランドがそうやって研究を続けていくことは、とても心強いです。
\使っています♡/
私はゆらぎ肌なので、使ってみて「ダメだ~」と思う美白コスメはわりとあります。でも「ホワイトショット」は大丈夫。ストレスなく使えて効果もあるから、ずっとリピートしています。前の「ホワイトショット SXS」(写真後方)を使い終えてから切り替えました。洗顔後、ブースターと化粧水をつけてから、シャバシャバな「ホワイトショット CXS」を全顔に、スポッツ用の新「SXS」を気になる頰の部分につけています。さまざまな種類がある「ホワイトショット」は、それぞれ単品で使っても効果があるエキスパート設計なので、ラインで使わねばならないわけではないけれど、「CXS」「SXS」の組合わせは鉄板です。気になるシミ1カ所につき小さめの真珠大(直径約0.5cm)を朝晩使用で3カ月ほどもちます。私は、ゾーンでつけているので、それを3粒くらい朝晩使って1カ月ほど。黄色を基調にした外箱は、てんとう虫が太陽に向かって飛び立つイメージだそう。前の赤よりも明るい感じがいいですね。
30年間ビューティ担当 編集 I
『JJ』時代から美容を担当。 スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。
2022年『美ST』6月号掲載
撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子
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2024年12月16日(月)23:59まで
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