60代夫婦「週末だけ一緒。第二の新婚生活を楽しみます」

子育てにゴールが見え、不安を感じ始めた時こそ夫婦関係を見直す絶好のチャンス。妻・まりさんのアトリエオープンを機に、夫婦のルールを見直して“第二の新婚”生活をエンジョイする辻本さんご夫婦に取材しました。平日はお互い仕事優先で週末だけ一緒に過ごすことの良さや、夫婦円満のための新しいルールについてたっぷり語ってくれました。

平日は干渉しない! “週末家族”の 距離感がちょうどいい

(左から)夫・辻本敏郎さん 60歳、辻本まりさん 60歳、娘・辻本卯咲さん 22歳
《辻本まりさん Profile》
Atelier carino 代表取締役 60歳
日本フラワーデザイナー協会のNFD1級認定講師のほかyspdなど数多くのディプロマ取得。フラワーアレンジメントアトリエ経営。

離れることでかえって夫婦の時間が愛しいものに

設計事務所を経営する主人は心の優しい、周囲を和ますために冗談を言って笑わせるような人です。穏やかな家庭で育ったんだなって思うと、私もそんな家庭を作らないといけないと、家庭を守る母親として心に誓ってきました。娘が成長し、夢に一歩一歩前進していく姿は頼もしく、でも一方で旅立つ日を思うと「寂しくなるだろうな」とこれからの心のよりどころに不安も。

そこで、フラワーアレンジメントの資格を生かして芦屋川近くのビルの2階に教室をOPEN。暫くして1階の広い店舗が空いたとき、主人に相談したら「やってみたら」と言われ、翌朝起きるとテーブルの上には、昨夜主人に語った理想の店舗設計図が置いてありました。実際オープンすると想像以上の忙しさで毎日くたくた。私が仕事で遅くなると、主人がクックパッドを見ながら料理を作る日が増えました。娘から主人へ贈った60歳の誕生日プレゼントはエプロンと蒸籠でした。

平日は仕事優先で、お互い干渉しないという新しい夫婦のルールを作ったことで、対等な立場で家事も分業しています。そうなるとかえって、夫婦の時間が愛しく感じるようになりました。ちょうど主人の会社の保養所があまり使われていなかったので、手を入れて週末に家族が集まるための別荘に。二人の意見を取り入れ、少しずつ手を入れながら、2度目の新婚のような夫婦の時間を楽しんでいます。

夫婦円満のための新ルール

1:一週間の予定を日曜の朝食時に確認

誰とどこで、どんな仕事をしているのかをいちいち問いただすことはご法度にしています。ただ、お互いの居場所とおよその帰宅時間だけを報告し合うのが二人の新ルール。

2:別荘は二人の意見でアップデートする

昔は主人の会社の保養所だった施設を、家族用の別荘と貸しコテージにリノベーションしました。夢だったツリーハウスを作りたくて、主人に相談しながら作り足しています。

3:別荘へ行くのも現地集合でOK

私は芦屋のアトリエから、主人は大阪の設計事務所からお互いの車で現地集合。運転が好きだから、お気に入りの曲を聴きながら一人時間をたっぷり楽しむことにしています。

お互いを尊重しながら精神的に自立することが新しい夫婦関係のスタート

教えてくれたのは……夫婦問題研究家 岡野あつこさん
離婚相談救急隊代表。36,000組以上の夫婦問題の相談、解決をしてきたエキスパート。自身の離婚経験を生かし夫婦問題の悩みに寄り添う。
「子供が成人してからは、お互いが精神的に自立することが大切。愛情はあるけれど依存しすぎず、上手に寄り添うようにしたいですね。

また、新しい環境や暮らし方、関わり方も必要です。子育てしていたときとは違うライフスタイルを選んでいくと未来が開けてくるはず。ただ、その場合はどちらかが一方的に進めるのではなく、夫婦二人で決めることが重要。

最後にやはりスキンシップ。とはいえ無理なスキンシップではなく、出かけたときに手を繫ぐ、家の中でも
ソファに寄り添って座るなどで充分。ちょっとしたことで夫婦のいい関係が長続きするはずです」(岡野さん)

【辻本さん夫婦のここがいい!】場所を変えると会話も気持ちも新鮮に

「子育てをしてきた家とは異なる場所で改めて一緒に過ごすのは、気持ちも新鮮になって会話も弾むはず。凝り固まった家族観を自然にほぐしてくれるのでとてもおすすめの方法」(岡野さん)

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2022年『美ST』7月号掲載
撮影/吉澤健太、浜村菜月(LOVABLE)、渡邉力斗 ヘア・メーク/Sai、城生なみ子(+nine)、川岸ゆかり(Luck.) 取材/中田ゆき、八尾美奈子、古川延江 編集/長谷川 智