MAKE UP
29年間、見続けても飽きない美容の奥深さ。新作コスメ、定番コスメ、食、メンタル、押し芸能人……女の人生に、美に関係ないことはない! と思う今日この頃です。これから美ST ONLINEでビューティに関することをコスメ中心に、ゆるゆると書いていこうと思います(完全に趣味で書くので、コスメ以外の話題もいろいろ)。連載第1回目は、ブランドが終了してしまうキッカの製品を買いだめしたこと!
こんにちは、編集Iです。「キッカ(CHICCA)」が今年の秋から順次販売終了になることは、コスメファンならご存じのはず。新宿伊勢丹のストア最終日を覗いてみたら、お客様が並んでいて店員さんと「寂しいですね」とお話しされていました(涙)。
今まで苦手だったメークを再開するきっかけになった、キッカのアイテムがあります。
それはアイライナーとマスカラ。
前者は「リキッドアイライナー W」で、後者は2019年8月14日に発売された「シェイプディファインマスカラ」です。「リキッドアイライナー W」は今までいろいろ語ってきたので、
今回はマスカラの話を。
私は
・目に水分が多いのか、マスカラをつけると落ちてしまうことが多い
・まつ毛が下を向いているのか、目の下に付いてしまうことが多い
・敏感肌のため、マスカラによっては瞼が腫れる
という三重苦があり、「ああ、もう付けなくていい!」とここ数年マスカラ無しで過ごしてきました。
しかし、このマスカラは落ちないのです。目の下にも付かないし、にじまないし、カスが目の中に入らないし、瞼にも影響なし。まったくストレスなく付けられます。それに、表面にデコボコがなく、エナメルのようにツヤツヤするのがいい感じ。
以前、ブランドクリエイターの吉川康雄さんに別件で取材した際に「今、開発中のマスカラ」の話をお聞きした、その製品がまさに「シェイプディファインマスカラ」でした。艶肌を基本とするキッカはマスカラまでも濡れた黒髪を目指しているんですね。光があたったら、髪もまつ毛も光って美しく見えるのが自然の道理。「リキッドアイライナー W」も実は艶が出るアイライナー。まつ毛の生え際を強調するためのアイラインとマスカラを艶で繋げて、一体化させます。
また、日本人の〈まつ毛が短い・細いコンプレックス〉は、まつ毛の先にだけマスカラをつけるようにさせるので、そのためにマッチ棒みたいなまつ毛になってしまうのですが、本来は根元の密度が濃くて先はスッと細くなるのがきれい。だから、マスカラブラシも目の際まできちっと入り込む極細。大人の目力はまつ毛の長さよりも、ラインのように見える目の輪郭をふち取る力にある、というのが吉川さんの考えです。
1997年にRUMIKOさんの「RMK」、2003年に田中宥久子さんの「スック(SUQQU)」、2008年に吉川康雄さんの「キッカ」、2009年にAYAKOさんの「アディクション(ADDICTION)」と創設された、日本人アーティストによる化粧品ブランドは、〝使える〟大人なモードコスメとして、本当にありがたい存在でした。その後、リブランディングしたり、クリエイティブ・ディレクターが変わったりしながらも続いていたので、キッカも、3月に吉川さんが退任した後もきっと続くと思っていたから、とても残念です。
いやもう、つくづく、このマスカラ&アイライナーがなくなったら困るよねえ、と思っています。やっと出会った愛用コスメは一期一会、他のものと代えがたいですよね。
おまけ:
ビューラーをやめた人が回りに多いけれど、新しいキッカのビューラーはまつ毛を折り曲げず、幅が小さくまつ毛を根元から持ちあげて、とても使いやすいです。
〈Information〉
私と同じように考える方が多いのか、今は欠品アイテムも多いのですが、年内は随時入荷し、ECサイト(@cosme shopping Amazon.co.jp LOHACO)では2020年秋まで販売されるそうです。
撮影・文/編集I
PROFILE
編集I/ビューティ編集歴29年。愛ある視線で厳しく化粧品を選ぶ。アジアエンタメ、「NODA MAP」、「大人計画」関連好き。糖質コントロールで9キロ減量(後、2キロ増えてまた1キロ減)。美ST本誌で連載「新・名品コスメの殿堂」が2020年1月号から再開されます。
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