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華々しく復活を遂げた、美STのアイドル・ホルモンヌちゃん。前回、「女性ホルモンはエストロゲンと黄体ホルモンの2種類」「特にエストロゲンは髪や肌も美しく保ってくれる」「女性ホルモンは月経周期で分泌量に波があり、年代によっても変動する」「女性の守り神・エストロゲンを味方につけてうまく自分の心や体と付き合っていくことが大事」と学び、改めて女性ホルモンの大切さを痛感。
女性にとって大切な役割を持つ女性ホルモン・エストロゲン。妊娠や出産に適した体づくりに必要であるだけでなく、血管をしなやかに保ち、代謝の維持や精神状態を安定させるなど、女性の健康を維持する上でも欠かせない存在であり、動脈硬化の予防や、内臓脂肪の代謝を促してくれますが、40代以降はそのエストロゲンが大きく減少します。エストロゲンの低下はストレスや食欲をコントロールする「セロトニン」などのホルモン分泌量と相関関係にあることから過食につながりやすく、同時に脂質代謝の低下により、悪玉コレステロールや中性脂肪が溜まりやすくなるため、お肉のつき方が「皮下脂肪型」から「内臓脂肪型」へと変化してしまうのです。皮下脂肪型肥満とは、腰回りや太ももなど下半身を中心に皮下脂肪(皮膚のすぐ下の皮下組織にできる脂肪)が多く付くタイプの肥満のことで、「洋ナシ型肥満」とも言われています。
肥満度のチェックはBMIという体格指数が一つの基準となります。BMIは「Body Mass Index」の略で、体の肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数。計算式としては「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で算出できます。厚労省では、BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされており、25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものに。女性は年齢を重ねるにつれて肥満と判断されるBMI25以上の割合が増えることが報告されています。
今までよりなんとなく動くのが億劫になり、ついつい食べ過ぎてしまうことも増え、気がつくと体重は限界点を超えて元に戻らなくなった……。それは、女性の健康を支えるエストロゲンの様々な恩恵を得られなくなってきた影響の一つかもしれません。失った守り神のパワーを補うために、今からできるセルフケアを取り入れるなど対策を講じる必要があります。
年齢を重ねてからの体重増加はカロリー過多が原因の可能性も。実は人が生きる上で最低限必要になるエネルギー消費である“基礎代謝”は年齢とともに低下します。つまり若い頃と同じ食べ方、同じ量を摂取しているとカロリーが余ってしまうことに! また、運動習慣がなかったり食べないダイエットで筋肉量が減少すると、消費エネルギーが低下し、ますます太りやすくなるという悪循環を招くことにもなりかねません。40代以降は日々の食生活における必要以上のカロリー摂取に気を付けること、適度な運動をしっかり行うことが大切です。
エクオールとは大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて生み出される成分。でも、すべての人が腸内で産生できるわけではありません。エクオールを生み出すには、エクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌が必用不可欠で、2人に1人が産生菌をもっています。ただ残りの半分の方は腸内でエクオールを作れないのです。そしてこのエクオールに関して驚きのデータが! エクオールが作れる人は作れない人と比べて肥満の割合が低いという研究結果があります。
美ST世代の女性に理想的なエクオールの摂取量は1一日10㎎。大豆食品に換算すると、豆腐なら 2/3 丁(200g)、納豆なら1 パック(50g)、豆乳はコップ1杯(200g)が目安です。しかし、エクオールは体内に溜めておくことができず、 1~2日で体外に排泄されてしまうため、エクオールを作れる人でも、毎日これだけの量の大豆食品を摂取する必要があります。作れない人はもちろん、作れる人でも直接エクオールをサプリメントなどで補う方法もオススメです。
エストロゲンが大きく減少する40代以降、年齢を重ねるにつれて脂質代謝の指標であるLDLコレステロール値と、材料であるコレステロールが余ってしまうと、脂質代謝の指標である悪玉コレステロール値が増加し、糖代謝の指標であるHbA1c値も増加します。増加が進むと、動脈硬化をはじめ、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常など、メタボリック症候群、略して「メタボ」の発症リスクが高まってしまいます。
メタボ外来へ診察に通う女性でエクオールを作れない方※を対象とした試験によるとエクオール10mgを12週間継続して摂取することで糖代謝や悪玉コレステロールの値が改善されたという報告があります。栄養バランスの良い食事・良質な睡眠・適度な運動といった普段の生活習慣の改善に加え、エクオールを摂取することで、病気リスクを抑え、美ST世代の健康につながるかもしれません。※薬物治療実施中の肥満症、メタボリック症候群の外来患者
イラスト/今井久恵 図/大塚製薬提供 取材・文/柏崎恵理
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