PEOPLE
令和初の真打(しんうち)に昇進し、182㎝の長身とイケメンっぷり、異色な経歴からあっというまに世間の注目を浴びた落語家・瀧川鯉斗さん。17歳で地元名古屋で暴走族の総長にのぼりつめ、総長を卒業後は俳優を目指して東京へ。当時新宿にあったイタリアンレストラン「赤レンガ」主催の落語会でのちの師匠、瀧川鯉昇さんと運命的な出会いを果たします。やんちゃ坊主から真打落語家へとなった令和のシンデレラ・ボーイ、瀧川さん。「将来は人間国宝になるんでしょ?」というお席亭の言葉に「まあ、なれれば」照れ笑いを浮かべる一幕も。そんな瀧川さんにとってなじみ深い場所、新宿末廣亭を舞台に、落語のことやこれからの展望、気になる恋愛や結婚まで、たっぷりと伺いました。
〈Plofile〉
愛知県名古屋市出身。 15歳から暴走族として過ごし、17歳で地元暴走族の総長となる。 2002年、役者になることを夢見て上京。 新宿の飲食店でアルバイトをしているときに現在の師匠瀧川鯉昇の落語独演会を見て感銘を受け、すぐに弟子入りを直訴。2019年5月、「令和初」の真打となる。テレビやファッション誌など、高座以外の場でも幅広く活動する人気落語家。
2019年の5月に真打(=寄席のプログラムで一番最後に出る資格をもつ落語家のこと。弟子を取ることもできる)に昇進し、今年で5年目になります。真打昇進披露興行は、おかげで連日大入り満員と上々なすべり出しだったのですが、「さあこれからだ!」という時にコロナ禍に。寄席はのきなみ休業となり、ぼく自身3、4ヶ月仕事がない状態になりました。いやぁ、そりゃあ不安を感じましたね。真打になる前は、当たり前にお客様が寄席に来てくださっていたのに、それがぱったりとなくなった。落語界はこのさきどうなってしまうのかな?と…。仕事がない間ですか?飼っている白い手乗り文鳥に遊んでもらいつつ(笑)、自室でひたすら噺をさらったり、稽古する日々でした。今、ようやく少しずつこれまでの日常が戻りつつあり、お客様がまた寄席に来てくださるように。僕らはお客様に寄席に来ていただき、落語を聴いていただいてこそなんだ、と改めて強く感じています!
落語家の昇進と言っても、落語になじみがないと、いまいちピンとこないかもしれないですね。落語家には3つの階級制度があって、「前座」、「二つ目」、そして「真打」です。前座は大体4年くらい。それが終わると二つ目になり、紋付袴を着ることが許され、番組表にも名前が載り、世間に顔が出るように。僕は二つ目から真打になるまで、10年ほどかかったのですが、前座時代が一番大事だったなと感じます。前座は1日の大半の時間を師匠と一緒にいることで、自然と落語家の動きが身についていくんですよ。それから、前座時代に培われたことは、「人様から可愛がっていただく」ことです。僕が所属する落語芸術協会は、規則で前座はアルバイト禁止なのですが、そのかわり協会から1日1,000円がもらえます。それでも1ヶ月30,000円。あとは、師匠のかばん持ちなどをしてお小遣いをいただくくらい。とても生活できないですよね。(笑)
僕は前座時代、上京してからアルバイトをしていた、イタリアンレストラン「赤レンガ」の皆さんにお世話になりながら、師匠や寄席の方々、世間さまに可愛がってもらって、ごはんをいただいたことも。僕の師匠である瀧川鯉昇から言われたのが、「いいか、この世界に『いいえ』はないぞ。何でも『はい』と答えるんだ。例えば、「落花生を目で噛め」、と言われたら『はい』と答えて、目に落花生を近づけて瞬きする。そして『やっぱり出来ませんでした!』と言えば、可愛がってもらえるからな」って(笑)。
真打になってからのプレッシャーですか?それはもちろんありますよ!(笑)二つ目の時は、自分が上がった高座で笑いをとれなくても、トリを務める師匠がケツを拭いてくれました。でも今は階級的には師匠と同じなので、誰もそんなことはしてくれません。これまでとは違った緊張感や責任感があります。
17才で地元の暴走族の総長になった、という経歴は確かにインパクトがありますよね。そこの部分を、テレビや雑誌などの様々な媒体でお話をしてきましたし、自叙伝にも書きましたけど、さすがにもういいかなって(笑)。もう真打になって5年目ですからね。いち落語家としての僕を知っていただけるきっかけにはもちろんなっていますが、寄席に来ていただいたら、落語の芸で楽しんでほしいですね。落語が醸し出す人情や気持ちって、日本人同士なら共感出来るものばかりだと思うんですよ。そういうものを寄席で感じてほしいですね。
落語に興味はあるけど、敷居が高いなと感じる方もいらっしゃると聞きます。でも落語は元々庶民の娯楽。何なら寝そべって聴いたっていい!もちろん他のお客様のご迷惑にならないようにという前提ですけど(笑)、人それぞれでベストな聴き方がありますので、変にかしこまらないで欲しいな、と思っています。
ありがたいことに、真打となってから、落語以外のお仕事もたくさん挑戦させていただいています。よく言っていただいている、イケメンというルックスはもう両親に感謝ですね(笑)。先日も、ボッテガ・ヴェネタとのタイアップ撮影がありました。各方面の超一流がそろった現場は緊張感があり、自分自身が磨かれているのを感じます。雑誌や広告でモデルとして出る時は、目線や立ち姿など、テレビのバラエティ番組だとボケやツッコミであったり収録の空気など、他の畑での仕事も全力で楽しんでやらせていただいています。
2021年にはかねてからの夢だった俳優としてドラマ『日本沈没』に出演しましたが、もうこれはめちゃくちゃ嬉しかったですね。落語は高座で1人演じるものなので、一本調子になりがちなんですが、相手役がいての演技は「間」の勉強になるし、「あ、こんな間だったな」と自分の落語にも活かされています。
僕、映画がすごく好きなんですよ。俳優がその役をどう演じるのかを観るのが面白いですね。中でも好きなのが、『アメリカン・ヒストリーX』などのエドワード・ノートン。彼が以前出演した映画でひとり二役を演じていたのですが、その役の切り替え方など、落語の役作りの参考にしています。
撮影/平井敬治 ヘアメーク/川村友子 編集/長谷川千尋 取材/キッカワ皆樹
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