元宝塚男役スター「退団から2年。やっと女らしさの免疫がつきました」

退団後もさまざまなフィールドで活躍し、輝き続ける宝塚OG。今回はセクシーな流し目でファンを虜にしてきた元雪組・彩凪 翔(あやなぎ しょう)さんが登場。 男役時代よりソフトになったまなざしの向こうに変わらない芯の強さが見えました。

何でも楽しんでやってみる。その先に違う景色が見えるはずだから

お話を伺ったのは……彩凪 翔さん
ジャケット¥62,700、スカート¥42,900〈ともにダブルスタンダードクロージング〉ニット¥28,600〈ソブ〉(すべてフィルム)ネックレス¥71,500(ファビアナフィリッピ/アオイ)左手バングル¥19,800(ワンエーアールバイウノアエレ/ウノアエレ ジャパン)左手ブレスレット¥30,800、左手リング¥42,900、右手リング¥94,600、ピアス各¥16,500(すべてイー・エム/e.m.アオヤマ)靴¥130,900(セルジオ ロッシ/セルジオ ロッシ カスタマーサービス)
《Profile》
大阪府出身。中学2年生のときに宝塚を初観劇し受験を決意。2006年92期として入団、雪組に配属。華のある容姿と実力で早くから注目され、新人公演などで主演に抜擢される。2021年に惜しまれつつ退団。同年6月に行ったセルフプロデュースコンサート『Wings』以降、数々の舞台に出演。今年2月には『舞台「刀剣乱舞」禺伝 矛盾源氏物語』が大きな話題に。ときどき飛び出す関西弁もチャームポイントのひとつ。

──とても瑞々しい肌ですが、宝塚時代はほとんどスキンケアをしていなかったとか?

そうなんです。まったく何も塗らない日もあって、肌断食とか言ってましたけど、ただ面倒だったというのが本音(笑)。でも年齢的にもエイジングを未然に防ぐケアをと、遅ればせながら美容液も使い始めたところです。

──他に退団してから美容のために始めたことはありますか?

運動量ががくんと減ったので、妃白ゆあちゃん(元星組)のジャイロトニックのレッスンに参加したり、星乃あんりちゃん(元雪組)に家でできるバレトンを習ったりしています。滝のように汗をかくんですよ。新たなチャレンジをしているみんなも応援したいし、体も動かせて楽しいです。

──コロナ禍中での退団でしたが、振り返ってみていかがですか?

再開してはまた休演、の繰り返しで、公演中の入り出待ちもないしお手紙も受け取れず、ファンの方々との交流がほとんどない状況。舞台への反応は拍手から感じるしかなかった。退団の時期は心に決めていたし、やり切って卒業したつもりですが、16年やってきてこの終わり方でいいのかなと、そこだけ引っかかっていました。

──今日のコーディネートはロングスカートでしたね

やっぱり今でもパンツのほうがポーズは取りやすい(笑)。退団から2年たって少しずつ、女性らしいスタイルにも免疫ができてきました。宝塚的な男役はやり切った感があるので、突き詰めたままの状態で封印しておきたい。舞台でも男役として学んだことを強みにしつつ、私らしい柔らかさも出していきたいです。

──退団後、演じるうえで変化はありましたか?

人を演じるという点では変わらないです。ただ、宝塚の男役は低い声を必要とされやすいので、退団直後は高くすると感情が声に乗らない感覚があったんです。でも感情を優先していったら、自然に声が上がっていって。やはりまずは人として成立させることが大事だと改めて感じましたね。

──次作『PRINCESS TOYOTOMI』ではヒロインの淀君役ですね

戦国時代というと男性中心のストーリーが多い中、陰で支える女性にスポットが当てられている作品です。着物の所作が難しくて。日本舞踊の先生に教わって特訓中です。戦乱の世を強く生き抜いた淀君の凜としたものを表現できたらと思っています。

──最後に、彩凪さんにとって「美しく生きる」とは?

どんなことにも楽しんで向き合っている人。誰にだって大変なことはあるけど、その中でマインドをコントロールして楽しんでいる人は輝いているし美しいと思います。今も波はめっちゃあるし、女性を演じるうえでの苦難はあるけれど、凹んでいる時間がもったいない。違う方法でやってみようとか、切り替えられる自分でいたいと思っています。壁にぶつかっても、その向こうにいい景色が見えるかもしれないし、引き出しが増えるかもしれない。だから少し先を見て楽しむ。その積み重ねだなって思います。

彩凪 翔さんからのメッセージ

「コロナ禍での退団の時、今、何ができるのかと考えて、パソコンを習ったり、勉強して資格を取ったり、常にマインドを前に向けていました。自分の心をコントロールして、楽しむことの強さを持っていたいと思います」
2023年『美ST』9月号掲載
撮影/八木 淳(SIGNO)〈人物、静物〉 ヘア・メーク/CHIHARU スタイリスト/久保コウヘイ 取材/稲益智恵子  編集/石原晶子
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