「あの頃はよかった!」と言ってしまうのは典型的な老化です!|脳と心の老化について専門家に聞いてみた

いつまでも若いつもりでいても、物忘れが増えたりおばさんくさい考え方をしてしまうなど、40代50代になると日々「あれ、これって老化の兆し?」とドキッとしませんか?なんとなくそのまま過ごさずに小さな兆候に気付いて、少しでも意識することが若々しさを保つことにも繋がるはず!脳と精神の専門家に、メンタルの老化に関する疑問をストレートにぶつけてみました!

Q1:用事を思いついたはずなのに、その場所に行ったときには忘れてます。何度も同じことを聞いてしまうし、物忘れが激しいです。

A:関心の低い記憶は定着しにくくなります(加藤先生)

大人の脳は無意味記憶が定着しにくいのです。美ST世代は経験値が高いので関心の低いことを忘れてしまうもの。やりたいことが入れ替わり、記憶の低下が起きてしまう原因に。

Q2:同年代の友人と会うと不健康自慢が止まりません。

A:検査データに振り回されすぎないで(和田先生)

「脳ではなく体の老化。この年代になると体の不定愁訴が起きるもの。生物的な老化です。関心が不定愁訴に向かうのは体全体の老化のサインといえますね」(加藤先生)

Q3:せっかちになって堪え性がなくなりました。

A:脳の疲れが原因で人の話を長く聞くことが下手になってきているのかも(和田先生)

脳の老化のサイン。脳疲労を改善する必要がありますね。まずは睡眠不足に気を付けて。さらに規則正しい生活サイクルや運動不足を解消するなどして生活習慣を見直しましょう。

Q4:会話が「あれ、これ」ばかりになって名前が出てきません。

A:脳の情報整理が追い付いていないから(加藤先生)

「脳の前頭葉機能などの低下の可能性があるので、なるべく『あれ、これ』などの指示代名詞を使わないトレーニングをしたほうがいいかもしれません」(和田先生)

Q5:良くも悪くも他人の目を気にして「恥ずかしい」と思うことがなくなりました。

A:良い意味で「老人力」、それで思い切った行動ができるかどうか(和田先生)

「恥知らずと勇敢は別物」(和田先生)「老化ではなく脳の慣れ。経験値から脳の慣れが起き恥ずかしいという感度が低下。尻込みしないのは利点だが、感性を努力して保持するのも若さを維持するコツ!」(加藤先生)

Q6:最近人の話を遮って話しがちなことに気づきました。そういえば周りもそうかも...

A:感情の老化の可能性が(和田先生)

人の話に許容力がなくなってきたとすれば感情の老化の可能性が。他人はともかくとして、自分だけはなるべく最後まで話を聞く習慣をつけてください。それで好感度も増します。

Q7:昔話、それも「あの時代がいかによかったか」を語りがちです。

A:それ典型的なサインかも!(加藤先生)

典型的な老化サインの可能性が。脳の活性が足りず情報や記憶が新しいことに入れ替わっていないのが原因。過去の経験に頼らず新しい情報を入れ記憶を定着させてみて。

Q8:若い人から相談を受けると、途中から自分の経験談にすり替わって最終的に説教くさくなってしまいます。

A:若い人と心理的距離があるのでは?(和田先生)

若い人の立場になって、受容するということ=脳を柔らかくすること。若い人との距離を縮めたがらず、説教くさくなると、脳が老化し、おばさんくさくなるので注意を。

Q9:涙もろくなって、特に悲しい話よりも感動話で涙腺が崩壊します。

A:老化ではなく、人間性、共感性が豊かになったから(加藤先生)

涙もろくなるのは老化ではなく、自分の記憶と結びつけ共感力や人間性が豊かになったからです。年齢を重ねるということは人生経験が増えそれが定着すること。だから安心して。

Q10:気がついたら今年の流行曲を一つも歌えない、がここ数年続いてます。流行についていけません。

A:流行についていけないことより嗜好がワンパターンになるほうが感情の老化の徴候(和田先生)

トレンドよりも感情の老化に注意を。感情が老化すると脳や体の老化にもつながります。同じ曲ばかりを聴いたり歌ったりしているならバリエーションをつける工夫をしましょう。

Q11:最近人気の若い男女の芸能人グループ、みんな同じ顔に見えます。

A:興味がないと違いを見分ける力が低下(加藤先生)

老化というよりは若者とのジェネレーションギャップから。その世代と距離があると、違いを見分ける力が低下します。興味がないことにはどうでもよくなるものです。

Q12:他人の意見や価値観に共感しにくくなりました。特に若い人の意見は頭から否定しがちに。

A:肯定せずとも、どちらも一理あるというスタンスが思考の幅を広げます(和田先生)

「感情の成熟度を高めます」(和田先生)「新しいことを取り入れるのは脳活にも良し。若い人に共感するためには新しい用語を理解する、耳を傾けるなどの努力が必要」(加藤先生)

Q13:注意力散漫になり、うっかりポカが増えました。40代前半までは、スケジュール帳に書かなくても全ての予定が頭に入ってましたが、今はダブルチェックが必須です。

A:その姿勢が大切!物忘れを嘆くよりどう対処するか(和田先生)

記憶力、注意力も年齢とともに変化していきます。物忘れを嘆くより、その姿勢が大切です。どう対処するかでこれからの人生や仕事力に大きな差がつきます。

Q14:自身の年齢や子供の歳を言った時「え!若い!全然見えないー」という言葉が返ってくるのをどこかで期待してしまいます。周りの人にどう思われてるのでしょうか。

A:若々しくいたいという姿勢は感情が若い証拠。努力を続けてください(和田先生)

若々しくいたいという姿勢は感情が若い証拠でもあるので、若々しくいる努力を続けてください。そしてそれが難しくなったときには自分の老いを受け入れましょう。
答えてくれたのは……加藤プラチナクリニック院長 加藤俊徳先生
脳内科医・医学博士。脳の学校代表。MRI脳画像診断・発達脳科学・認知症の専門家。メディアで脳を解説。
答えてくれたのは……国際医療福祉大学教授・精神科医 和田秀樹先生
心理学、教育問題、老人問題、人材問題、大学受験、執筆などのフィールドを中心に様々な媒体で精力的に活動。

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2021年『美ST』10月号掲載
イラスト/室木おすし 取材/中田ゆき、佐藤理保子 編集/浜野彩希
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