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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。40歳の栄養士、環奈さん(仮名)は、臨床検査技師の夫・一馬さん(仮名、46歳)の浮気騒動で大喧嘩をして、それ以来セックスレス状態に。2人の息子の泊まりがけ合宿をきっかけに久しぶりに性交渉が復活したものの、今度はセックスレス以上のトラブルに見舞われ離婚を考えているそうです。
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環奈さんが一馬さんと出会ったのは15年前。長く付き合った「自慢の彼女」に振られた一馬さんを慰めようと、男友達が開いた飲み会で声をかけられたことがきっかけです。
「元彼女は同い年の看護師で美人だったそうですが、別れてすぐに医師と結婚しちゃったみたいです。飲み会で会った時には6歳年上の彼は大人に見えましたし、彫りの深い顔立ちの長身イケメンで、はじめから好みでした。女友達には『イケメンかなぁ? 顔が濃すぎるし昭和の床屋のポスターみたい』と言われましたが、私が一重の舞妓顔なので濃いタイプが好きなんです」。
一馬さんも当時25歳だった環奈さんを気に入ったようですぐに連絡先を交換。グループでのスキー旅行に誘われそこで告白されます。「こんなに年下と付き合ったのは初めて。かわいくてしょうがない」と一馬さんは環奈さんにぞっこんで幸せな交際がスタート。
「それから1年でスピード結婚しました。口が悪い男友達は、彼の元彼女がセレブ婚をした当てつけだ、と言っていましたが気にしませんでした。夫はちょっと天然というか、愛情表現も濃いほうで『愛している』『今日もきれい』なんて言われるのは日常茶飯事。私の誕生日にバラの花束を抱えて帰ってきたことも。性交渉も頻度が高く、楽しかったです」。
結婚からしばらくはレスになる気配もなく環奈さんは、30歳で長男、31歳で次男と年子を出産。
「年子育児は過酷といいますけど、私の場合、仕事も続けていたので本当に体力を削られました。夫は医療従事者なのでコロナ禍はワンオペになりがちでしたし、両親は近くに住んでいますがステイホームで遠慮してしまって、いつも右往左往していました」。
お互い疲れて性交渉は減ったものの、記念日などは2人でしっぽり飲むこともあり完全なレスではなかったコロナ禍を経て、ある事件が起こります。
「元々、夫は『お祭り男』と言われるくらいの生粋の陽キャ。コロナ禍が過ぎると、地域のお祭りの実行委員に立候補したりPTAのイベント企画に積極的に関わるなど、意識が外へ外へと向いてしまって。そこでPTA役員の20代のシングルマザーと不倫しているという噂が立ったんです」。
さらに環奈さんの母親が、一馬さんの運転する車の助手席に座る若い女性を目撃。
「しかも彼女はバラの花束を抱えていたみたいで。誕生日だったんですかね。20代までなら年の数だけバラをあげてもそこまで高額にならなくていいですよね……」。
環奈さんは、ママ友や周囲の気のおけない友人にも相談。
「ママ友に聞いたら『確信はないから言えなかったけどそんな気がした』と。夫は『不倫は断じてしてないけど誤解を与えるような行動をして迷惑をかけた。もう彼女と2人で会わないよう気をつける』と、私と私の両親に深く頭を下げて何度も謝罪しました」。
それからしばらくして、一馬さんと噂になったママには同世代の彼氏ができたそう。
「夫は気にしていないふりをしていましたけど明らかに落ち込んでいました。その若いママが長身の華やかなタイプだったことも私がカチンときたポイントで、『元カノみたいな派手な女性は懲りた。素朴な環奈が好き』って言っていたのも疑わしいなって」。
環奈さんは離婚も考えましたが、パパっ子の2人の息子のことを考えるとそうそう踏み切れなかったようです。
「浮気騒動があった直後は、夫のほうからスキンシップをとろうとしてきたり、息子たちが留守の時にバラの花束を抱えて帰ってきたこともありました。こちらも一生不仲にするつもりはなかったですが、やはりしばらくは腹が立つし、『よりによってまたバラかよ?』と思って『疲れているからやめて』と塩対応をしてしまいました」。
最初はしおらしく「わかった」と言っていた一馬さんですが、ある時決定的な口論が。
「『疲れている疲れているって、俺のほうが勤務時間も長くて疲れているのに、歩み寄ろうとしているんだ』と言い返されたのでムッとして、『勤務時間の問題じゃないでしょう。収入は変わらないんだし』と言い返しちゃって。ちょうど私の料理ブログが少し注目されたり、セレブ産院に転職したりして収入が上がったタイミングでした。厳密に言えば少し私のほうが多く稼いでいましたけど、大差はありませんし、彼の収入にも不満はないので言わなければよかったと思います」。
一馬さんはプライドが傷ついたようで、それから一切、誘ってこなくなったとのこと。子供を介しての会話はありますが雑談はめっきり減ったそうです。
今年に入って一馬さんは、土日に出かける頻度が急に上がったといいます。ただし前科があるので、その都度場所を報告して飲み会の写真を送ってくるようになりました。
「こちらが強要したわけではないですが私も誘ってくれていました。飲み仲間はかなり年上の男女が多いみたい。写真を見ると、ゴルフ焼けした夫婦やエルメスのバッグを持ったマダムがいつもいて、羽振りの良さそうな人たちだなと。『地域のヘルスケア関係の仕事の情報交換会だからよかったら環奈も来ないか?』と言われましたが、子供のこともあるしなんとなく面倒で断っていました」。
息子2人がそれぞれ泊りがけの合宿に行った連休に、一馬さんから「ホカンスに行こうよ」と都内の高級ホテルに誘われた環奈さん。
「正直うれしかったです。彼は浮気をしたけれど、私もプライドを傷つけることを言ってしまったから、これで仲直りして円満に暮らしていこう、と久しぶりにお気に入りのワンピースを着てウキウキして出かけました。2人でワインを飲んでホテルの日本庭園を散歩して、非日常の雰囲気に酔って性交渉もあって、このまま帰れればどんなによかったか……」。
ホテルの部屋で寄り添っている時に一馬さんはおもむろに「ずっとこんな暮らしをしたいね。子供もいつか巣立つから、鴨川か鎌倉あたりに一戸建ての家を買って大きな犬を飼って、バーかカフェを開きたいね」と夢のようなことを話し始めたそう。
「『そりゃあ素敵だけどどうやってお金を稼ぐのよ?』と聞いたら、アタッシュケースの中から英語で書かれた謎のパンフレットを出してきて……」。
昔から独学で英語の勉強を続けてきた一馬さんは最近、例の飲み仲間の紹介で英会話にも通っており、環奈さんは英語が大の苦手。
「最初はアメリカかどこかの健康食品や化粧品のパンフレット、ということしかわかりませんでした。でもよく見てみるとビジネスの説明のようなイラストが、いわゆるマルチ商法のアレに似ていることに気がついて頭が真っ白になりました」。
パンフレットには、白衣を着用した欧米人男性の写真が掲載されており、大学教授のような長い肩書も。
「夫は『このビジネスは、これから日本に上陸するから日本語のパンフレットももうすぐできるよ。今参加すると医療従事者や国家資格保持者は優遇されるんだ』と、入会するメリットを長々と説明してきました。いわゆるマルチとの違いも力説されましたが、私には違いがよくわかりませんでした」。
なるべく柔らかい言葉を使って「こういう仕事はあまり好きではないのでやめてほしい」と説得にかかったという環奈さん。
「彼は『こんなに素晴らしい提案をしているのに、なんで受け入れないんだ』というキョトンとした顔をしていました。交際当初は彼が年上で、勉強も彼のほうができたので、私は親を見つけたヒヨコみたいに言うことを聞いていました。そんな私が反対しても彼には全然響かないみたいで」。
自分の言うことを聞かないのなら、と彼の母親に相談した環奈さん。
「息子に甘く体が弱いお義母さんは丸め込まれていました。健康食品を使ってみて体調が良くなったように感じるとかで……。仮に品質が良くても私から見たら高すぎますし、販売方法が嫌だと言っているのですが。お義父さんはすでに他界していますし、どんどん周りを勧誘していく姿にため息しか出ません」。
実際に一馬さんは、今現在のところそれなりに利益を上げているといいます。その代わり、義理の母や義妹などが会員になり一族単位で考えたらそこまでお得感はないそう。
「デートに誘われて2人きりになるたびに『栄養士の環奈に幹部が会いたがっている』『環奈のお姉さんにも勧めてよ。彼女、顔が広いから』などしきりに勧誘してくる夫にうんざりしています。一概にネットワークビジネスが悪いというつもりはありませんけれど、私は平凡な栄養士で周囲に気を使うタイプなので周囲の人を勧誘するビジネスは苦手なんです。最近ではノイローゼ気味で、知人の弁護士にも『万が一離婚することになったら』について相談しています」。
来月は息子たちがキッズキャンプに行くので、高級温泉旅館に誘われているとのこと。
「籍を入れている夫にホテルに誘われているのに、断る理由を探しているなんて。本当になにがなんだか意味がわかりません」。
環奈さんはそう肩を落としていました。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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