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日本では、半数以上の夫婦がセックスレスに陥っているといわれています。しかし、世の中にはセックスレス期間の少ない半生を過ごしてきた女性も。50歳の美恵さん(仮名)は「18歳のときから、2年以上レスだった時代はない」と語る恋愛体質。バツ2のシングルマザーである彼女は、大学生の娘と実父・実母の4人で暮らしており、現在は週末婚状態の恋人がいます。
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「セックスレス夫婦が増えるのは、レスになった相手と別れないからですよね。時間の経過と共に家族の要素が濃くなって性欲に直結しなくなるのは自然なことだと思いますが、私はパートナーとのスキンシップも大切だと思うタイプなので、レスになったらパートナーチェンジをする生き方をしてきました」。
25歳で最初の結婚をして29歳で離婚、30歳で再婚して31歳で出産、36歳で二度目の離婚をしたという美恵さん。
「恋愛感情は4年しか続かない、という説を聞いたことがありますが、過去の私に限ってはけっこう当てはまります。最初の夫とはモラハラで別れたので会うことはありませんが、娘の父親である2番目の夫とは今でも友人。別れた後も協力して子育てをしてきました。娘の親として元夫に家族愛は感じていますが、性の不一致っていうんでしょうか? レスになったらお互いに新しいパートナーを探したほうがいいと思って離婚をしました」。
美恵さんは元々、アーティストのバックダンサーをつとめたり、プロスポーツを盛り上げるチアチームにも所属していたダンサー兼振付師。
「専門はジャズダンスですが、アメリカの大学でダンスをみっちり勉強したので、ヒップホップやチア、ヨガやピラティスまで教えられます。自分が前に出て踊る第一線を退いてからは、実家の建て替えに乗じてスタジオを作り、ダンススタジオやダンス講師派遣会社を経営しています」。
美恵さんの実家はもともと下町の地主で、娘が生まれてからは敷地内で親と同居。元夫・明夫さん(仮名)は当初、マスオさん状態でした。
「元夫もダンス講師で、ダンサーとしては後輩。3つ年下で、顔立ちがかわいくおっとりしているところが好きで結婚しました。でも彼はそもそも性欲が強いタイプではなかったみたいで、娘が生まれた後は性交渉に消極的になりしばらくして完全にレスに。『セックスレスを解消したい』と単刀直入に話し合おうとすると、『たまにならいいけど今は子育てモードであまりその気にならない。うちの両親も俺が小さい頃は寝室は別だった』と及び腰でした」。
自身のことを「比較的性欲が強いほう」と自己分析する美恵さん。「不倫するのも世間体が悪いし子育ては一緒にするとしても籍を抜こうか」と明夫さんに離婚を提案したそうです。
「元夫は、最初は『娘と離れるのは嫌だ』と渋っていましたが、『別にうちの隣の賃貸物件に住んでもいいし娘と離れなくてもいいよ。むしろ子育ては手伝ってほしい』と言うと承諾してくれました。実家はマンション経営もしていて、そこの賃貸物件が1部屋空いていたんです」。
明夫さんとは離婚後2年は近居をしていましたが、彼は新しい交際相手ができたタイミングで自分の実家のある近隣の区に引っ越し、数年後に再婚したそうです。
「元夫が再婚をしても娘にとっては父親ですから、子育ては協力してくれました。小学生の頃までは、月に1日か2日は彼の家に泊まりに行ったりしていましたね。今の奥さんも優しい方で子供も懐いていますし、元夫の家は彼の実家とも近いので親族総出で子育てができて、おかげさまで娘も元気に育ちました」。
美恵さんは常に恋人が途切れずシングル期間は短いものの、再婚は考えていないようです。
「うちの母が、祖母の離婚と再婚で連れ子差別されて苦労した人なので、『孫が義父に気を使うなんてかわいそう。変な男を連れ込まないで』としつこく言ってきます。こっちだって変な男となんて付き合う気がないですけど、確かに私の男性関係に娘を巻き込むのはどうかと思うので、彼氏ができても家には呼びませんでした。娘がパパの家に行っている時にデートをしたり、たまにはキッズシッターをお願いしたこともありましたが、基本は娘優先。それが嫌だという相手とは長続きしませんでした」。
現在のパートナーの輝さん(仮名)は珍しく、交際4年を過ぎてもレスになっていないそうです。彼もバツイチで、同じ年のジムインストラクター・パーソナルトレーナーです。
「彼も元アスリート。性欲が強い肉食同士なのかもしれないですね。離婚して初めて『娘が自立した後なら事実婚同居もアリかも』と思えた相手なので、娘が高校生になったタイミングで3人で食事をしました」。
食事は始終和やかな雰囲気で、豪華なホテルのビュッフェにテンションが上がった娘の美香さん(仮名)は「再婚しちゃえばいいのに」と言うほど上機嫌だったそうです。
「真に受けたわけじゃありませんけど嬉しかったです。でも気は使っただろうし、内心は複雑だったのかもしれません」。
エスカレーター式の女子校に通っていた美香さんは、附属の女子大学への進学することに。
「大学は家から1時間程度ですが、本人から一人暮らしをしてみたいと言い出しました。タイミング悪く敷地内の賃貸物件は満室でしたが、女子学生向けのワンルームマンションに住んでもいいというので、少し寂しく思いながらも大学に近い部屋を契約しました」。
美香さんの一人暮らしと併せて、輝さんが泊まりに来る日も増え、卒母の喜びを噛みしめていたという美恵さん。
「ところが、一人暮らしをしてみたものの日当たりの悪い狭い部屋に住んで家事をしたりすることが思ったより不自由だと気がついた娘が『やっぱり実家から通う』と言い出して。彼氏が泊まりに来られなくなるのは別にいいんです。こっちが彼の家に行けばいいだけですし。でも娘の希望を聞いてお金を出して部屋を契約したのだから『最近は輝くんもよく泊まりに来ているし、せめて契約更新の時期までは頑張ってみたら?』と伝えると、『娘より男をとる毒親』とキレられて」。
今でも美香さんの部屋はそのまま残してあり、大学に実家から通うのは問題ない。もし部屋さえ空けば隣の賃貸物件に住まわせることもやぶさかではないという美恵さん。
「ただ毒親という言葉は傷つきました。今まで私は、娘より男を優先したと言われないために細心の注意を払ってきたつもりです。娘を優先したことで別れた相手もいました。それでも『母親の女の部分を見たくなかった』と言われると、確かに私は女性ホルモンという意味の『女の部分』は強い人間ですし、娘の気持ちもわからないことはないんですよ」。
美恵さんは「とりあえず3か月頑張って無理なら帰ってきなさい」と言って、輝さんの私物は輝さん自身のマンションに移し、デートの時は彼の家で会うライフスタイルに戻したといいます。
「3か月経って娘はやはり家に帰りたがったので、実家に呼び戻しました。メンタルが心配ですし、娘は本当にかわいいんです。とはいえですよ、父親はとっくに再婚していてそれをすんなり受け入れた娘が、売り言葉に買い言葉とはいえ、なんで母親の恋愛だけ否定して毒親と言うのか、そこは納得がいっていません」。
輝さんに「新生活のストレスでお母さんに甘えたいんだよ」と諭され、なんとか娘の気持ちに寄り添おうとしているという美恵さん。
「娘は大事ですよ。でもいつかは離れていきますし、自分の人生も大事にしたい。子供を産み終わった女性がセックスレスにならないように暮らしていくというのは簡単なことではないんだなぁ、とあらためて実感しています」。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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