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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。ミドル世代になるほどその割合が上がる中で、社会福祉士のりかさん(仮名、50歳)と農業法人社員の大和さん(仮名、50歳)は、今でも月に4回から2回ほどの頻度で性交渉があるとのこと。再婚同士の2人が交際開始から8年を経てもレスにならない秘訣について伺いました。
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りかさんは、大学卒業後に病院に就職して医療事務の仕事をした後に、30代半ばで社会福祉士の資格を取得した努力家。
「今は都内にある総合病院で働いています。千葉から東京まで通っていますが通勤時間は1時間強で、さほど苦にはなりません。実はバツイチで、28歳の頃に10歳年上の銀行員と結婚したんですけど……。元夫は束縛が強く、殴りはしないものの怒ると肩を強く押したり恫喝したりするDV気質でした。結局2年で離婚して、千葉の実家に帰って社会福祉士の勉強をはじめました」。
ベビー・キッズシッターのアルバイトをしながら資格を取得したりかさんは、契約社員として病院に就職し、2年後に正社員に。仕事をはじめたタイミングで実家の近くに部屋を借りて1人暮らしも始め、充実した30代を送っていたそうです。
「もういい年だし、と自立をするつもりでしたが、結局実家のそばなので甘えていた面はあります。母親は頻繁にお米やお惣菜を持ってきてくれたりして、食費が浮くので貯金もできました。仕事の繁忙期もストレスもありましたが、福利厚生もしっかりしていたのでオンオフを分けて休む時は休む。10代から応援している劇団の推し活をしたりして、自由を満喫しました。東京に通い地元に住むと遊び仲間には困りませんし30代は楽しかったです。当時はもう一生結婚しなくていい、離婚して本当によかったと思いました」。
そんな気持ちに変化が生じたのは42歳の頃。卒業した中学校が取り壊されることをきっかけに開かれた同窓会。
「地元大好き民なので同窓会は喜んで駆けつけるタイプです。お酒とかを調達する実行委員にも立候補してはりきっていました。そこで中学2年生の頃に初めて告白してお付き合いした男子と再会したんです」。
同窓会に行く前から「彼に会えないかな」という淡い期待があったというりかさん。
「もちろん今更よりを戻したいと思っていたわけではなくて、なんとなく心残りがあって話してみたくて。私から告白してOKをもらって一緒に登下校するようになったくせに、私のせいで2ヵ月で別れちゃったんで。確かバスケ部のかっこいい先輩に話しかけられてポーッとして、『ふたりとも好き』とかよく分からないことを言って破局した気がします。14歳とはいえ申し訳ない(笑)。結局、バスケ部の先輩には彼女がいて付き合うことはなかったんですけどね」。
中学時代に初めて付き合った「初恋の相手」ともいえそうな大和さんですが、彼もりかさんと同じバツイチだったとのこと。
「私も夫の大和もバツがあって子供がいない同士です。彼はもともと車の整備士をしていて、元奥さんの父親が経営している会社で働いていたそう。そんな経緯もあって離婚と同時に整備士は辞めた、と言っていました。離婚原因は『端的に言うとケンカばかりしていたから。元妻のチャキチャキしたところが魅力だったけれど結婚となると性格が正反対で無理だった』と……」。
2人には「初婚は28歳」という共通点がありましたが、大和さんはりかさんより長く結婚生活を続けており38歳の時に離婚しています。
「離婚後は、私達の実家がある市から車で30分くらいの場所にある農業法人で働いています。再会当時は職場の近くで1人暮らしをしていました。社長さんが飲み仲間で、社員として米や野菜づくりからECサイトやSNSの更新、営業までマルチに担当しているみたいです。農業をしていますが世襲したわけではないので雇用形態はサラリーマンと変わりません」。
同窓会で再会して、すぐに2人で飲みに行く関係になったというりかさんと大和さん。
「あの頃から中年同士でしたけど、『やまくん』『りっちゃん』と昔の名前で呼びあって、地元の盆踊りに行くために浴衣を着て公園で待ち合わせをしたり……。はたから見たらイタい中年カップルだと思いますけど、本人たちは楽しんでいました」。
2年半交際した2人は「地元にいい物件を見つけた」ことをきっかけに45歳で入籍します。
「私と彼の地元はちょうどお互いの職場の中間地点。千葉寄りの都内に通う私と、逆方面に出る彼。だったら地元で家を買わない? という話になって。地方都市あるあるですけど、スーパーもチェーン店も病院もなんでもあって便利なのに山も川もあるし、一度落ち着いちゃうと離れられない快適さがあります。しかも家や土地も安いですし」。
そこで問題となったのが、お互い「好きな時に恋人や友人と会って好きなように働いて趣味を満喫する」というライフスタイルに慣れたこと。
「2人とも前の結婚で束縛やしがらみに疲れ切っていました。彼は前の奥さんのご両親と二世帯ではない完全同居をしていたみたいで。仕事の応接室にしていた離れにも泊まれたとは言っていますが、プライバシーがなさすぎて結婚後1年も経たずに完全にセックスレスになったと言っていました。私も、前の結婚はすぐレスになりました」。
そこでりかさんが思いついたのが「二世帯住宅を買ってそれぞれが1階と2階に住む」というライフスタイル。
「地元はもともと東京のベッドタウンで、高齢化が進んでいたので、昭和後期・平成初期に建てられた一戸建てがけっこう売りに出ていて。その中には二世帯住宅もあって。そんな中古住宅をリノベーションすればちょうどいいかな、と思いました」。
りかさんと大和さんが気に入ったのは、駅からバスで10分の住宅街にある二階建ての二世帯住宅。
「もともと建築の仕事をしていた御夫婦のお宅だったとのことで、木造のモダンな作り。築30年とは思えないくらいきれいでした。売り主の御夫婦は介護付きマンションに転居するタイミングで売りに出た物件です。歩くと駅まで坂道があるのがネックといえばネックですが、運動にもなりますしね」。
一番気に入ったのは「二世帯なのに壁がない」という珍しい仕様。
「売り主さんのご家庭は当初、祖父母が和風の1階、若夫婦と子供が洋風の2階を使っていて壁で仕切られた2世帯だったんですが。子供がばあちゃん子なので、階段の後ろで2つの家を分けていた板を取り払ってドアにしちゃったって聞きました。ドアを開ければ会えるしお風呂もトイレも台所も2つづつあるし、理想的な環境だと思いました」。
結婚生活も5年が経ち、子供のいない夫婦が2世帯住宅に住むメリットとデメリット、両方を実感しているというりかさん。
「基本的に満足していますが、あえてデメリットをあげるならシンプルにお金はかかります。どっちか片方に住めば光熱費も水道代も半分になるのになと思うことはありますね。とはいえ最近面倒になってきて、お風呂や夕飯は私のいる2階で、ということが増えました。料理は私がすることが多いですが、彼は職業柄食材を持ってきてくれるので公平かなと。ただあまり使わない方のお風呂やトイレも掃除しないわけにいかないので維持する手間はかかります」。
もちろんメリットも多いというりかさん。
「まずセックスレスになっていません。体が健康なのが第一かもしれませんが、『週末はこっちに泊まりに来なよ』っていうテンションなので、適度な距離感がいいのかもしれません。ミステリアスな部分も保てますし、それでいてお弁当は私が2つ作って渡したり、夫婦っぽいこともしていてそれもいまだに新鮮です」。
地元の友人から「それなら事実婚や別居婚でいいのではないか」と言われたこともあるそうですが、入籍するとやはり安心感があるそう。
「同棲よりも親が喜びますしね。今のところはいいとこどりですが、もちろん年をとりますし、ずっと独身気分でいられないことは分かっています。職業柄いろいろな例を見てきていますし、体が動かなくなったらこの体制はキープできないなと思っています。財布は別々ですが、共通の口座に少しずつ貯蓄するくらいしか今は対策できていません」。
りかさんは、今後は投資についても勉強して老後に備えてゆきたいと話していました。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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