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【夫のED】の原因となる男性更年期障害に効果的な対策とは?

夫のEDで夫婦関係がうまくいかず寂しさを感じているなど、もどかしさや寂しさを抱えていませんか?実は、EDは男性の更年期障害が原因で起こることがあります。女性の更年期障害は認知度が高いですが、男性の更年期障害は男女ともに知らない方も多くいます。本記事では、男性更年期障害とEDについて詳しくご紹介します。

1:勃起のメカニズム

勃起状態になるには、血液の働きと神経の働きの連動が必須です。性的刺激や性的興奮の刺激が脳から脊髄、副交感神経を通って陰茎に伝達されます。刺激が伝わった陰茎は一酸化窒素を放出し、それが信号となって陰茎海綿体に血液が集まり勃起が成立します。よって、神経の伝達、血液の働き、どちらかが欠けると勃起は成り立ちません。

2:40代以降のEDは更年期が原因かも?

EDの原因にはストレスといった心因性のものなど様々なものがあり、男性更年期障害もその一つ。男性更年期障害は男性ホルモンである「テストステロン」の減少が原因です。テストステロンには「性欲を湧かせる」「脂肪を減らす」「血液を作る」など多くの役割があり、勃起にも深く関わっています。また、興奮作用がある神経伝達物質「ドーパミン」を分泌したり、一酸化窒素放出に関わっている一酸化窒素合成神経機能を促進したりする働きもあります。先ほど、神経の伝達によって陰茎海綿体が一酸化窒素を放出し、血液が集まって勃起状態になるとお話ししましたが、これらの働きは男性ホルモンが機能しているからこそできることです。男性ホルモンの分泌量減少は動脈硬化を引き起こす要因の一つであるため、動脈硬化により血管が硬くなると血液の流れが悪くなり、EDに繋がります。

夫が更年期障害の可能性があるのか、チェック項目としてテストステロンの減少により現れる男性更年期障害の症状を以下にまとめました。チェックしてみましょう。

【テストステロンの減少により現れる男性更年期障害の症状】
・怒りっぽくなる
・うつ状態になる
・意欲的でなくなる
・骨粗しょう症になる
・太りやすくなる
・体がほてりやすい
・汗をかきやすくなる など

3:男性更年期障害に対して妻ができることとは?

男性更年期障害である夫に対し、何かしてあげられることはないかと考えている方のために、妻であるあなたができることを5つご紹介します。ただし、更年期に入った男性は非常にナイーブな状態になっているので、そっと見守ることも必要です。様子を見ながら行いましょう。

①更年期について夫婦で話し合う

更年期のつらさは人それぞれ。どのようなことをされると嬉しいのか、または嫌なのか、自分はどのような気分なのかなどを話し合い、お互いに理解を深めることが大切です。更年期になるとメンタルが不安定になり、感情的になりがちです。話し合う際は冷静に話ができるよう「感情的にならない」「相手を否定するようなことは言わない」といったルールを設けておきましょう。

②夫婦でストレス発散できる機会を持つ

ストレスは更年期障害の症状を悪化させます。夫婦でショッピングや散歩をしたり、ランチやディナーを楽しんだりするなど、ストレスを発散できる機会を作りましょう。共通の趣味を探して楽しむのもおすすめです。

③自分(妻)のメンタルケアをする

夫のメンタルケアも大切ですが、あなたのメンタルケアも非常に大切です。言葉にしなくても、感情や雰囲気は人に伝染するという研究結果があります。負の感情を持っていれば近くにいる方もピリピリしてしまい、関係がギクシャクしてしまうことも。夫にイライラするといった更年期障害の症状が現れると、妻であるあなたもイライラしてしまうことがあるかもしれません。そのような時は、夫と距離を置いたり好きな番組やドラマを観たりして気持ちを紛らわせ、気分が上向きになるように努めましょう。

④病院の受診を視野に入れる

更年期障害や更年期障害によるEDは、治療が可能です。もし、相手が話を聞いてくれそうであれば、病院の受診を視野に入れ話し合うと良いでしょう。主な治療方法として、更年期障害にはテストステロン補充療法、EDにはバイアグラなどのED治療薬の処方があります。体質や既病歴などによっては治療ができないケースもありますが、それらも含めて医師に相談し、治療方法を見つけていきましょう。

⑤漢方薬を飲む

男性更年期障害の治療には漢方薬が処方されることも多くあります。男性更年期の生殖泌尿器機能や体力の低下に対しては、ホルモンバランスの乱れを整える、血流を良くして生殖泌尿機能を回復させる、からだを温めて内臓の機能を回復させる、消化・吸収の機能を良くして疲れをとるなどの作用がある漢方薬を選びます。また、精神的な不調には、自律神経を整える、睡眠の質を上げてストレスを改善するなどの作用のある漢方薬を選びます。漢方薬は心と体全体の機能回復を目的とするため、EDだけでなく、男性更年期の様々な不調改善に働きかけてくれることもメリットです。

<男性更年期障害に用いられる漢方薬>

・補中益気湯(ほっちゅうえっきとう)

虚弱体質で、元気がなく胃腸の働きが衰えて疲れやすい人に。胃腸の働きを整えることで体に気力を充実させます。

・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

気分が塞ぎがちで喉や食道部に異物感があり、ときに動悸やめまい、吐き気などがある人に。胸部や咽頭部の滞った気(エネルギー)を取り除くことで、精神を安定させます。

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

疲れやすく四肢が冷え、尿量減少や多尿があり、ときに口の乾きがある人に。生殖器系・泌尿器系を司る腎の働きを高めるため、EDに用いられます。

4:男性更年期障害によるEDには根気よく向き合いましょう

男性更年期障害によるEDの原因は主に、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量減少が挙げられます。更年期障害はストレスで症状が悪化することもあるため、夫婦で発散方法を見つけたり、話し合ったりして歩み寄ることが必要です。また、治療も可能なので、病院を受診してホルモン補充療法や漢方薬の服用で改善を目指すこともできます。更年期の心身状態は非常に繊細なので、更年期障害やそれに伴うEDの改善は夫婦に合った形で目指していきましょう。

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。あんしん漢方(オンラインAI漢方)はこちら

 

編集/岡村宗勇

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