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40代から要注意?【男性更年期】の症状&対処法

「最近、夫の元気がなくて心配している」「男性にも更年期ってあるの? 」「男性更年期の対処法とは? 」。このような悩みや疑問を抱えていませんか?「更年期は女性特有だ」と思われがちですが、実は男性にも「やる気が出ない」「急に汗をかく」といった更年期症状が起こりうるのです。今回は、男性更年期の原因や、その対処法についてご紹介します。

1:男性特有の更年期。その原因は?

男性特有の更年期の原因は、男性ホルモンである「テストステロン」の減少です。

加齢やストレスなどの要因によって男性ホルモンが減少すると、気分の落ち込みやイライラ、筋力低下などの症状があらわれます。

女性の更年期障害は閉経前後のおよそ5年の間に起こり、閉経後は徐々に症状が治まります。

一方男性の場合、40代以降から更年期症状がみられますが、女性と違って終わりがありません。症状と長期的に付き合っていく可能性が高いことも男性更年期の特徴のひとつです。

2:男性更年期の主な症状

以下では、男性ホルモンの低下によって生じる男性更年期の主な症状を3つご紹介します。

2-1.気分が沈みやすくなった
男性更年期では「意欲」や「体力」などに関係するホルモンである「テストステロン」の分泌が低下します。そのため、不安感や気分の落ち込み、ネガティブな発言が増えるといった症状があらわれることがあるのです。

2-2.太りやすくなった
テストステロンには肥満を抑制する効果もあります。そのためテストステロンが減少すると、内臓脂肪や皮下脂肪が増えて太りやすくなるのです。

2-3.眠りが浅くなった
男性更年期では、テストステロンの低下によって自律神経が乱れ、睡眠に影響が出る場合があります。

3:妻も知っておきたい! 男性更年期の対処法

「夫の更年期症状が心配」という方へ、男性更年期の対処法を3つご紹介します。

3-1.タンパク質の豊富な食事をとる
男性更年期の対策として、肉や魚、卵などから艮質なタンパク質を摂取することが大切です。
また、テストステロンを作るために必要なアミノ酸を含む、ニンニクやタマネギもおすすめです。ニンニクはタンパク質と一緒に摂ることで効果が増すため、ニラレバ炒めやガーリックステーキなどのメニューを食卓に取り入れてみましょう。

3-2.運動を習慣化する
テストステロンの分泌を促進するためには、運動を習慣化することが大切です。とくに、筋肉を鍛えることで成長ホルモンとテストステロンの分泌が促され、ストレス解消にもつながります。
普段は運動習慣がない方も、腕立て伏せやスクワットなどを少ない回数からはじめてみましょう。

3-3.質の高い睡眠をとる
男性ホルモンは、睡眠中の副交感神経が優位な時に分泌されるため、質の高い睡眠をとることが大切です。
PCやスマホの液晶画面のブルーライトは、眠りを浅くしてしまいます。寝る前にPCやスマホを操作するのは控えましょう。

3-4.漢方薬を活用する
男性更年期対策として、男性更年期の外来でも使われている漢方薬を活用するのもひとつの方法です。
漢方では、男性更年期は腎臓などの機能が低下することで、老廃物がからだに蓄積され、ホルモンバランスが乱れることが原因と考えられています。
そのため、栄養や精をつけて、腎臓や膀胱の機能を良くする働きを持つ生薬や、からだを温めたり、水分の巡りをよくしたりして腰痛やしびれを改善し、老廃物や毒素を排出する作用を持つ生薬を含む漢方薬が選ばれます。
血流や水分の循環を良くすることで、男性更年期のさまざまな症状を同時に改善することができるでしょう。

以下では、男性更年期の症状を緩和する漢方薬を2つご紹介します。

<男性更年期にお悩みの方におすすめの漢方薬>

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

頻尿で夜間排尿が多く、疲れやすくて、四肢が冷えやすい方におすすめです。からだを温め、腎の機能を補うことでからだ全体に活気やうるおいを与えます。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

比較的体力がなく、だるさや食欲のなさが気になる方におすすめです(※1)。補中益気湯は血中のテストステロン値を上昇させたという研究結果もあります(※2)。

漢方薬を選ぶ際に重要なポイントは、自分の状態や体質に合った生薬を選んでいるかどうかです。症状や体質に合っていない場合は効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が起こることもあります。

男性更年期を乗り越え、夫婦で楽しく過ごそう!

今回は、男性更年期の原因や対処法についてご紹介しました。男性にも更年期症状が出るなんて意外ですよね。
更年期症状を緩和するためには食事や運動などの日々の工夫も大切ですが、根本から体質改善を目指せる漢方薬の活用もおすすめです。
更年期以降の人生を夫婦で楽しく過ごすためにも、生活習慣の改善に加えて漢方薬の力も活用し、心軽やかに過ごしましょう! なお、漢方薬を服用する場合は、自分にあった漢方薬を知るためにも専門家に相談するとよいでしょう。

北陸大学薬学科卒業後、製薬企業や調剤薬局に勤務。
様々な経験をする中で、対症療法ではなく、漢方による根本治療の大切さを実感する。漢方薬の力をより多くの方に広めるために、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選び、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」で情報発信をしている。AIを活用し、漢方のプロが自分に適した漢方を見極めてお手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」も可能。「あんしん漢方」(オンラインAI漢方)はこちら

参考文献

(※1)くすりの適正使用協議会 くすりのしおり「ツムラ補中益気湯エキス顆粒(医療用)」https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=8542

(※2)加齢男性性腺機能低下症に対する補中益気湯の効果の検証 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/64/3/64_160/_pdf

 

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編集/安岡祐太朗

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