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更年期という未体験のシーズンに突入し、体や心の様々な不調が気になり始める40~50代。憂うつ感や気分の落ち込みを実感しつつも、多忙な日々に流され「年のせい」とセルフケアを怠ると、深刻なうつ状態に陥る可能性も。そんな中、昨今では更年期外来やオンラインカウンセリングなど、ちょっとした不調を気軽に相談できる場所が注目されています。更年期うつの気になる症状や対処法、病院やオンラインカウンセリングをはじめとする相談窓口について専門家に聞きました。
更年期うつの原因や症状、対処法などについて医療法人社団暁明会井上メディカルクリニック理事長/院長の井上憲先生にお話を伺いました。
更年期とは 45歳から55歳にかけて、卵胞ホルモン(エストロゲン)の減少とともにセロトニンが不足することにより起こる精神症状の一つと言われています。
更年期症状の典型的なものとしてはホットフラッシュや発汗などが取り上げられがちですが、実際は更年期うつ症状が最も多く、「自分が弱いだけではないか?」と思いこむことにより見逃されやすいものの一つです。「やる気が起きない」「感情の抑揚がなくなる」「自責の念にかられる」「集中力が続かない」など、一般的なうつ症状と区別がしづらく、責任感が強くいわゆる、仕事のできる完璧主義者の人に多く見られる印象があります。
45歳を過ぎて、「以前の自分とは違って感情のコントロールができなくなった」などの自覚が出始めた時には、まずは更年期うつを疑って、軽視せずに専門外来を受診してみることをお勧めします。
具体的な治療としては、下記のようなものがあげられます。
1.漢方療法
2.ホルモン補充療法
3.向精神薬治療
当院の更年期外来を受診される方の多くは、我慢に我慢を重ねてそれでも生活が厳しくなってきた患者様が多く、その方の症状に応じた漢方を選定し即効性のあるホルモン補充療法を併用する「ハイブリット療法」を検討します。症状が和らいできましたら、ホルモン剤を次第に減量しながら漢方を継続し環境に慣れるような治療をします。その医療機関の外来によって治療の選択なども様々ですので、自分に合った医療機関を選び、まずは受診し相談してみることをお勧めします。
医療機関以外に、オンラインカウンセリングを利用するという選択肢も。症状の予防・緩和のための「日常のストレス対策」として使うこともでき、医療機関と並行することも可能。すきま時間に自宅で専門家と気軽に話ができるwebサービス『BANSO-CO』に、オンラインカウンセリングについて伺いました。
ひとくちにオンラインカウンセリングといっても多種多様ですが、パソコンやスマートフォンなどを用いて、自宅にいながら時間や場所の制約を受けずにカウンセリングを受けられるサービスとして近年注目を集めています。
BANSO-COはご利用者様のメンタルヘルスの調子が良い時は良い状態を維持できるように、悪い時は良い状態に戻るように、必要なケアと情報をオンラインで提供するサービスです。オンラインでメンタルヘルスケアに関する資格をもつ専門家(臨床心理士・公認心理師、精神科医など。BANSO-COでは「ばんそうメイト」と呼んでいます)のカウンセリングを受けることができます。メンタルヘルス不調を感じていなくても、日常の「ちょっと困ったな」「ちょっとストレスがあるな」という段階でサービスをご利用いただくことができます。
BANSO-COの場合、利用者の方はばんそうメイトの予定とマッチングすれば、平日夜間・土日も含めて、セッションの3時間前までオンラインで予約ができます(予約キャンセルは24時間前まで)。ご予約は【予約日時・ご相談内容・ばんそうメイトの専門領域】からお選びいただきます。また、どのばんそうメイトが適切かわからないときは、お問い合わせいただければマッチングのご提案もしています。セッション後には、ばんそうメイトからセッションの振り返りシート(セッションで何を話したか、役立ちそうなサービスのご紹介、今後取り組む解決策など)をメールでお送りし、セッションを最大限有効に活用していただけるようにしています。
最大の特徴は、メンタルヘルス不調を【予防】することです。BANSO-COでは、各ばんそうメイトのセッションが高品質であることを維持するため、東京医科歯科大学において心理関係の研究を行うエグゼクティブ・アドバイザーらが作成・監修する研修を、すべてのばんそうメイトが受けています。この中にはメンタルヘルス不調の予防を行うのに必要な研修が含まれているため、ばんそうメイトは全員メンタルヘルス不調の予防について専門的な知識を有しております。
ご参考までに、BANSO-COでは1回のセッションは45分まで、ご利用料金は個人ユーザーの方は原則として1回5,000円になっております。より質の高い予防的支援を行うために研修中であるメンタルヘルスケアの有資格者”ジュニアばんそうメイト”によるセッションは1回1,500円になります。セッションはGoogle meetで行いますので、PCでもスマホでも簡単にご利用いただけます。
予防のためには、不調が顕在化していないときからご利用いただくことが重要です。弊社は、些細な困りごと・ちょっとしたストレスの段階でご利用いただく工夫も心がけております。「ちょっと困った」段階で話していただくことで、その問題が大きくなる前に解決策を一緒に探し、メンタルヘルス不調の予防や悪化を防ぐことができると考えています。そのため、できるだけ「軽いお悩み」のうちに気軽にご利用いただくことが大切と考えております。
はい、対応しています。更年期の悩みと言っても幅広いので、ご相談内容に合った専門家をご自身で選んでいただくことができます。ご相談内容も「対人関係」や「体の不調・生活習慣」など様々で、誰しもが「ちょっと困った」を感じやすいことが中心となっております。
BANSO-COでは、更年期の問題については上記のばんそうメイトに対する研修の中で、更年期の心身の状態の変化を含む女性のライフサイクルに関する知識や、その変化に対するケア方法に関する研修も行っています。
BANSO-COでの例になりますが、一番意識している点は社名にもあるようにご利用者様一人ひとりに「伴走」することです。ご利用者様を継続的に見守り、寄り添い、良き理解者であるよう、関係性を築いていくことから始めます。ばんそうメイトは生活に役立つスキル・知恵をたくさん持っていますが、伴走できる関係性でなかったら、ただ一般的なアドバイスをするだけになってしまい、ご利用者様それぞれの状況に合わせた最適な解決には向かいません。伴走する関係性を保つことで、何か問題があれば即時に最適なケアを提供でき、また、問題が解決した後も定期的にご利用者様のご様子について伺って、今後問題になりそうなことの予兆に早期に気づく機会を持つことができます。これは、BANSO-COが目指す「予防」につながります。
実際にオンラインカウンセリングサービスを利用しているという45歳の主婦ゆうさんにも話を伺いました。
ゆうさんは7年前に産後うつがきっかけで食事がとれなくなり、重度貧血で救急搬送された経験があります。「メンタルの不調を放置すると命に関わる」と実感したゆうさんは、更年期世代になった今でも「軽い心労」の段階でプロに相談するようになりました。発汗やうっかりミスなどの「具体的な症状」に関しては、行きつけの婦人科の更年期外来を受診。血液検査をしてホルモンの状態を調べ、漢方を処方してもらうなどの対策を行っています。
最近ではそれにあわせて、生理前に少しメンタルの調子が悪くなった時にオンラインカウンセリングを利用。「年のせいか仕事のミスが増えた」「近所の人に皮肉を言われた」「子供に怒鳴りたくなる気持ちを抑えたい」など、誰にでもある日常的な悩みを心理士に相談。オンライン相談を受ける前には、「こんな軽い悩みでも大丈夫だろうか」という緊張感もあったとのことですが、相談相手はプロなので、傾聴しながらも「悩み」を引き出すテクニックが豊富だったそう。共感を示す相槌で心が解れ、仕事や友人、子供との距離のとり方についてアドバイスをもらいリフレッシュしたとのことです。
40代、50代は女性にとって多忙な年代。仕事や子育て、介護などが重なりがちで公私ともに忙しく、ストレスに悩んでいる人も少なくありません。新たなライフステージに移行する時期ということもあり、無理は禁物。更年期外来やオンラインカウンセリングなどを臨機応変に利用して、早め早めの対処を心がけましょう。
■取材協力
「医療法人社団暁明会井上メディカルクリニック」https://kyomeikai-imc.com/
「BANSO-CO」https://www.banso-co.co.jp/
■その他オンラインカウンセリングサービス
「生きづらびっと(SNS相談)」https://yorisoi-chat.jp/
「あなたのいばしょ(チャット相談)」https://talkme.jp/
「こころのほっとチャット(SNS 相談)」https://www.npo-tms.or.jp/service/sns.html
「NAGON(オンラインカウンセリング)」https://morikei-nagon.com/
取材/星野星子 編集/安岡祐太朗
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2024年12月16日(月)23:59まで
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