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日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。しかし精密機器メーカー勤務の栞さん(仮名、40歳)は9歳と2歳の男の子の母親ですが、配偶者と定期的に性交渉があるそうです。同じ会社の別部門で働く夫の久志さん(仮名、41歳)とはバスケットボール観戦が趣味という共通点もあり仲良くなった縁。栞さんは、子供ができても性交渉が途切れない秘訣について、「年の差姉弟育児のコツと似ている」と話します。
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「夫とは独身時代から同じ会社でしたが、働いているビルも離れていて友人の紹介で出会ったので、社内恋愛という意識はありませんでした。お互い恋人募集中のときに友人を交えて会食をしてすぐに意気投合。30歳と31歳で結婚して、1年目に長女が生まれました。当初、夫は『僕は単身赴任もあるし東京は教育費も高いし、1人っ子でいいよね』と言っていたんですが、いざ子供が大きくなると赤ちゃんが恋しくてもう1人ほしくなりました。高齢出産になるので婦人科に相談しながらタイミング法で妊活をして、7歳差の長男が生まれました」。
IT系部門の栞さんは本社勤務ですが、研究者の久志さんは転勤があり、昨年まで単身赴任をしていました。
「子供同士の年が離れていると、ワンオペでも上の子が手伝ってくれるので、さほど辛くないというメリットはあります。ただ、長女は両家で初の孫で、まさにお姫様待遇で7歳まで育ちました。祖父母も初孫ハイで、歩けばかわいい、食べればかわいい、一挙手一投足を褒められる状態。それなのに待望の男児が生まれてアイドルの座を奪われてしまいました。7歳の頃、自分の話を聞いてくれず弟をあやす祖父母に絶望して、『じいじとばあばのバカーッ!』と2階に駆け上がって号泣したこともありました」。
これではいけないと思った栞さんは、長男を久志さんや祖父母に預けて積極的に長女との時間を持つようになったといいます。
「正直に言えば、よちよち歩きの2歳の男の子のかわいさは生意気ざかりの小学生とはやはり違います。愛情の量は同じでも、大人パンダと赤ちゃんパンダくらいの差があるわけで……。でも、あえて子パンダが目に入らないところに行けば、長女だってまだまだ赤ちゃん時代の面影を残しています。ふっくらほっぺをなでながら『世界一かわいい』『きゃー歩いてる、かわいい』『ママの最初の天使ちゃん』なんて言いながら、うざがられています」。
うざがられはじめたら大成功と考え、意識して長女にしつこく絡んでいるそうです。そんな栞さんは大の子供好き。
「小さな子供がいる生活が幸せすぎて、できれば3人目もほしいと思っています。年も年なので『タイミング法でコウノトリが来てくれたら』くらいのテンションですが妊活をしています。経済的にも今より大変になるとは思いますが、幸い会社は育児休暇や時短勤務の制度が充実していますし、我が家は例えば海外旅行には行けなくなっても近所でピクニックするだけで幸せなタイプなので」。
タイミング法で妊活となると当然セックスレスでは成り立ちませんが、そこは問題ないという栞さん。
「我が家も産前産後に年単位でレスになったことはありますし、妊活がなければ特にレス自体に悩むこともなく甘んじていたと思います。それくらい淡々とした友達夫婦です。でもアラフォーの今に限って言えば、『やろうと思えば問題なく成立する』ので、基礎体温をつけて月1くらいの頻度で性交渉をしています」。
栞さんによると、レスにならない秘訣は「単身赴任時代に培った絶妙な距離感」と「脳をだますこと」だそう。
「距離感に関しては単身赴任時代に久しぶりに会うとなんとなく嬉しい気分になったので、その時の効果を忘れずに、『夫に個室を使わせて普段は別部屋で寝て、タイミングをとる時は彼の部屋に行く』『普段は淡々と。タイミング法の前は飲酒をしてこっちから距離感を縮める』とかですかね」。
「脳をだます」という方法は、年の差姉弟育児に似ている側面もあるようです。
「誰だって出会った頃は恋人が素敵に、もしくはかわいく見えていますよね。私も恥ずかしながら交際初期は夫を『ひーくん』と呼んでいて、『ひーくん、もぐもぐ食べてる、かわいい』『ひーくん、マリオカートうまい、かっこいい』とか言っていました。さすがにもうそのテンションは無理ですが、『愛する長男に顔が似ている。これはやはりかわいい』と思いながらハグしたり、『顔が小さいんだよね。この遺伝子は増やしたい』とキスしたり。酔いに任せていちいち言葉に出しています」。
妊活モードではなく、ソファでアニメを見ている時ですら「夫のことは好き」だと感じるという栞さんですが、そんな時は「性交渉にスライドするのは無理」なんだそうです。
「たぶんお互い様ですが、長く一緒にいたらそれなりに意識してテンションをあげないと、身体的にも繁殖モードにはなりません。少なくともうちはそうです。優しくて淡々としたマイホームパパから、出会った頃の『かわいい男性』に脳内で戻ってもらうには、脳をだましていくことが大切。妊活を続ける限り、私はこちらから積極的に声を出していこうと思います」。
育児でも、どれだけ2歳男児が天使だとしても、9歳女児にも「お姉ちゃんかわいい」という言葉をかけ続けたいという栞さん。
「最初は、実際にかわいいかどうかなんてどうでもいい、テンションをあげる心理テクと割り切っていました。でも不思議なもので、かわいいと言い続けると、本当に表情なんかがどんどんチャーミングになっていくんです。夫も、長女も。もちろん『かわいい』ではなく、『かっこいい』でも『なんか好き』でもいいんです。第3子が生まれたらどうなるかはわかりませんが、とりあえず、声に出して人を褒めて困ることなんて何もないと思いますから」。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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