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「婦人科検診に抵抗がある」という女性は少なくありませんが、性交渉の経験がない場合にはなおさら。また長年セックスレスの場合にも、婦人科での内診はハードルが高いと感じる人は少なくないのでは。「セックスレスや性交渉未経験だと痛みを感じやすいか?」など婦人科検診の気になる疑問を、医療法人社団暁明会・井上メディカルクリニック理事長・院長の井上憲先生に伺いました。
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「性交渉の経験がない女性は、処女膜の状態や骨盤底筋の緊張などの影響で、内診時に痛みを感じやすい傾向があります。特に初めての検診では、診察台に上がった時点で緊張して体がこわばり、その結果として痛みが強くなることも少なくありません。
そのような場合、経腟からの超音波検査が難しいと判断されると、肛門からプローブを挿入する『経肛門的アプローチ』が選ばれることもあります。これは細い器具を使って子宮や卵巣の状態を確認する、安全で体への負担が少ない方法です。
また、子宮がん検診の際には、もっとも細いサイズの膣鏡(クスコ)に潤滑ゼリーをたっぷり塗布し、できるだけリラックスした状態でゆっくりと挿入することで、多くの方が問題なく検査を受けられています。性交渉のご経験がない方でも、安心して婦人科検診を受けていただける体制は整っています」
「セックスレスであるということに限らず、更年期に入ると、卵巣機能の低下によって女性ホルモンの分泌が少なくなり、それに伴って膣の潤いが減ってきます。その結果、膣の粘膜が乾燥・萎縮しやすくなり、内診時に痛みや引きつれを感じることがあります。
そのため、検診の際には潤滑剤を多めに使い、患者さんと会話をしながらリラックスできるよう配慮しています。ほとんどの産婦人科医は、こうした事情を理解したうえで、やさしく丁寧に診察を行っています。不安なことがあれば、どうぞ遠慮せず検査前に相談してみてください」
「子宮頸がんの主な原因とされるHPV(ヒトパピローマウイルス)は、性交渉を通じて感染しやすいため、『性交渉の経験がなければ検診は不要』と思われがちですが、それは正確ではありません。性交渉経験がありHPV感染がある女性が必ず子宮頸がんになるわけではありませんし、逆に性交渉未経験者は子宮頸がんにならないということではありませんので、性交渉の有無にかかわらず、リスクがゼロとは言い切れないのです。
また、子宮体がんに関しては性交渉の有無は関係なく、女性ホルモン(エストロゲン)の影響によって発症リスクが高まります。とくに以下のような方は注意が必要です。
・閉経前後の女性
・ホルモン補充療法(HRT)を受けている
・肥満傾向にある
・月経不順がある
こうした背景をふまえると、40〜50代の女性は性交渉歴に関係なく、定期的に子宮体がん検診を受けていただくことが大切です」
「40代以降のミドル世代は、仕事や家庭の忙しさから、自分の体調をつい後回しにしがちです。『もうすぐ閉経だから大丈夫』と思われる方もいらっしゃいますが、実際にはこの年代こそホルモンバランスが不安定になりやすく、婦人科系の不調や病気が起こりやすいタイミングです。
今は症状がないからといって安心せず、定期的に婦人科を受診することが、将来の自分の健康を守る第一歩になります。旅行や趣味、家族との時間を楽しむためにも、健康は何よりの土台です。だからこそ、症状のない“今”が、検診を受けるチャンスとも言えます。ご自身の体を大切にする気持ちで、婦人科検診を生活の中に取り入れていただけたらと思います」
教えてくれたのは…医療法人社団晚明会井上メディカルクリニック院長 井上憲先生
産婦人科医師。『医療法人社団暁明会井上メディカルクリニック』理事長/院長。慶應義塾大学医学部卒後研修修了、日本産科婦人科学会認定専門医、母体保護法指定医、東京産科婦人科学会学術編集委員、杏林大学医学部非常勤講師。日本産婦人科学会評議員。井上メディカルクリニックH P Instagram: kyomeikai-ime.com 院長ブログ:https://ameblo.jp/kyomeikai-imc/
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