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日本では、夫婦の半数以上がセックスレスだといわれています。歯科衛生士の愛可さん(仮名:50歳)は「性交渉はこの半年ないけれど、30代のころに1年以上なくて復活したこともある。このままなくなればレスだけれど、なにかきっかけがあって復活すれば“少ない”だけ。正直どっちでもいい」と話します。いま彼女の頭を悩ませているのは、自身のセックスレスではなく「他人のセックスレス」だそうで……。
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「私は神奈川出身で、いまも実家のそばに家を建てて地元に住んでいます。高校時代はコギャルっぽいお調子者でした。モテる子はほかにいましたし人気者ももっといたと思うんですが、とにかくフレンドリーなほう。そのせいか、いまでもSNSやLINEでつながっている同級生が多く、40代のころは同窓会を率先して仕切っていました」
愛可さんは西海岸系のサーフファッションが似合う華やかな雰囲気の女性。夫の平さん(仮名:55歳)は大手生命保険会社勤務で、元サーファーだそう。2人の間には、現在23歳と20歳の2人の息子がいます。
「長男は東京で一人暮らし中。次男は北海道の大学へ進学しました。夫とは普通に仲良く暮らしています。夫婦で旅行へ行くこともありますが、2人ともそれぞれ仕事や趣味で動き回るタイプ。夫はいまでもたまにサーフィンへ行きますし、私はというと短大時代の友人とアフタヌーンティーへ行ったりヨガへ行ったり」
そんな愛可さんが少し前までハマっていたのが、高校の同窓会を仕切ること。
「学年全体の大同窓会の幹事も30代で1度やりましたが、私が頼まれてよく仕切っていたのはクラス会。カラオケ店や同級生が営む飲食店やバーで集まる20人くらいの飲み会です。ほかに、所属していた女子バスケ部の集まりの幹事もしていました」
高校時代に同じクラスで現在は親の不動産会社を継いでいる康平さん(仮名:50歳)から、「男子バスケ部と女子バスケ部の合同で同窓会を仕切ってほしい」と頼まれたのは去年のことだそう。
「私の実家は地元では地主というか、元農家の家系で親戚が多いんです。康平も苗字が同じで親戚にあたります。彼はモデルをやっていた時期もあっていまでもイケオジ。高校時代からモテていました。元カノは同学年だけでも5人は知っています。断る理由もなかったので『同窓会にご興味のある方だけ返信ください』と、同時期にバスケ部だった女性たちへ声をかけました」
結果的に、男女それぞれ10人ほどが集まり、居酒屋で昔話に花を咲かせたといいます。
「それ以来、『またバスケ部飲みやろうよ』と康平からのLINEが来ることが増えました。半年に1回くらいなら懐かしいし楽しいんですが、3ヵ月に1回ペースになると正直めんどう。『私は仕事が忙しいからあとは自由に飲んで』と途中から離脱しました」
しかし、職場が近いバスケ部の後輩女性とランチをした際、思いがけない話を耳にしました。
「後輩から『本当かどうかわからないんですが、康平さん評判悪いですよ。女バスつながりで不倫飲み会をしまくってるって聞きました』と言われて、びっくりしました。もちろん大人の男女なので、飲んだ後に誰かと誰かがいい雰囲気になったとしても、知ったことではないんです。でも、話を聞くと『人妻と飲もう』みたいなノリで既婚の同僚まで誘っているとかいないとか」
愛可さんは、その時点では「自分が関わらなければいい」と流していたそうです。しかし数ヵ月後、再び康平さんから「幹事依頼」が。
「馴染みのバーで偶然会ったときに、『生徒会メンバーとも飲みたいな。田中さん(仮名)とか呼べないかな?』と具体的な名前まで出してきたんです。田中さんは、高校時代は地味で真面目なタイプでしたが、今は仕事で成功していて、少し知名度もある美女。実際、私は親しくしているんですが……」
そこで愛可さんは、思わず切り込んでしまったといいます。
「『それより後輩から、不倫飲み会になってるって噂を聞いたけど、どうなの?』って」
康平さんは「そんな大げさな」と苦笑い。「でも浮気したでしょ。私が開いた飲み会でそんなことされたら、奥さんに申し訳ないんだけど」と愛可さんが怒ると、康平さんはこう返したそうです。
「『嫁は気にしないよ。20年近くレスだし、こっちから歩み寄っても冷たいし、ATMとしか思われてないもん』って。50歳にもなる男性がすねたみたいな口調で『俺と遊んでる女の人もみんなそうだよ。家庭の憂さ晴らし』なんて言っていて……。こっちはいい迷惑です」
はからずも、「セックスレスに不満を抱える同級生たち」の不倫アテンド役のようになってしまった愛可さん。
「どうしてわざわざ同級生なのか……。そんな近場で遊んでいたら噂も回りやすいし、バレたときに迷惑をかける範囲も広くなるのに」
現在は、康平さんの妻と顔を合わせることを想像するだけで気まずく、親戚の集まる場所に行くのもおっくうになっているそうです。
「しばらく同窓会という言葉を聞きたくないですね。青春をともに過ごした仲間という感覚もなくなってしまったというか……。甘酸っぱい青春の思い出が、急に生臭くなった感じです」
愛可さんは、半ば趣味と化していた同窓会幹事役を、二度とやらないと決意したとのこと。
「やっぱり同窓会って、担任の先生を呼んでホテルでやるような、大規模なものだけで充分だったのかもしれません。会いたい友達とは普段から会っていますし。まさか顔が広いことを利用されて人を集めさせられて、その場が不倫の温床になるなんて。その言い訳が『セックスレス』だなんて、なおさら嫌でした。地元は大好きです。でも、地元に根ざした人間関係って、ある意味ではわずらわしいものなんだなと感じています。最近は、都内の短大時代の友人たちとばかり遊んでいますね」
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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