FEMTECH
日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。アパレル企業で働く里美さん(仮名:38歳)は、商社勤務の守さん(仮名:38歳)と結婚5年目。4歳の男の子を育てるワーキングマザーとして忙しい日々を送っています。里美さん曰く、第1子妊娠以降性交渉は復活せずロマンチックな雰囲気になることもないそうですが、それ以上にモヤモヤするのが義理の姉の存在。守さんの姉の亜美さん(仮名:40歳)から「30代でレスなんてダメ」「浮気されるよ」とダメ出しされ、さらに「うちは夫から誘ってくるけど?」とマウントまでとられるそうで……。
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里美さんと義理の姉の亜美さんは、もともと同じ会社の同僚同士。スキーで骨折し入院していた亜美さんのお見舞いに行った際に、その弟の守さんと出会い、その後結婚に至ったそう。
「顔が好きだったんです。私世代のサブカル系女子にファンが多い、メガネがステキなシンガーソングライターに少し似ていました。同僚の弟という安心感もありましたね。義理の姉の亜美とは会社の同期ですが、私は専門学校卒、彼女は4年制大学卒なので彼女のほうが2歳年上。弟である夫とは同じ年でした」
守さんはよく言えば「かわいい」、悪く言えば「子どもみたい」な無邪気な性格だそう。
「息子のことはかわいがりますが、たまに私が息子を優先するとすねることも。偏食も多く、マイペースというか、わがままというか…。家事も“言われたことだけ自己流にやる”指示待ちタイプ。共働きの正社員夫婦としては不満だらけです」
結婚前は一人暮らしをしていた守さんは「家事はひととおりできるよ。子どもを一戸建ての家の庭で遊ばせたいから、ふたりとも正社員のままでいいんじゃない?」と話していたそうです。
「私も福利厚生の充実した会社を辞める気はなかったので、出産後は産休をとって会社に復帰しました。ただ、結婚直後も薄々感じていましたが、産後は彼の『家事はできる』がかなり限定的だと気が付きました。家事も育児も分担しているつもりが、ついつい私が我慢できなくなって多くやってしまうことになるんです」
守さんは主に家庭内で掃除を担当していますが、彼の書斎は「変な虫がわいて怖いからバルサンたいて」と里美さんに頼ってくるほどの汚部屋。キッチンやリビングはパッと見は許容範囲ですが、よく見るとモノを箱や収納に無理やり突っ込んだだけで中はぐちゃぐちゃだそう。
「私がそれを畳んだりほこりを払ったり消毒したりすると『神経質だ』と言われます。正社員同士なのに家事の分担が私のほうが多いと文句を言うと、『俺は床にゴミがなければキレイだと思うし、洗濯物も畳まなくていい素材のものを買ってカゴに放り込んでいるので合理的だ。お前が勝手に畳んだりアイロンをかける』と、私の負荷は『好きにやっているだけ』扱いです」
お互いに小遣い制にして財布は里美さんが管理しているとのことですが、それも「めんどくさくなった夫に頼まれたから」だそう。
「最初は生活費以外は別財布でしたが、子供が生まれて一緒にしました。夫は理系なので得意かと思って任せていたら、勢いで散財したり運用のための大事な書類をなくしたり、もうグダグダ。結局私が担当することになり、負担が増えました」
住宅の購入についても、里美さんは通勤しやすい都内のマンションがいいと考えていたそうですが…。
「結局は夫の意見に折れて、東京の私の職場まで1時間の千葉県に家を買いました。家は駅近で気に入っていますが、千葉寄りの東京に会社がある夫のほうが得なんですよね。つわりで苦しい時期に家を決めてしまったので、夫に任せた私の責任でもあるんですけど。そのあたりもモヤモヤします」
そんなことが積み重なって最近ではケンカも増え、お互い「性交渉を」「2人目を」という話になることは考えにくいといいます。
「毎日ケンカしている家族と性交渉なんて胸焼けがしそうです。向こうも同じだと思います。子育ては、子どもと遊んではくれますが、おむつ替えも汚れ掃除も言わないとやってくれませんでした」
子育てに関する怠慢だけは、里美さんが文句を言うと一応は謝るそうですが、すぐに忘れて平気で飲みに行くという守さん。
「彼は出張も多いので、浮気だってしているかもしれません。でも、もはやこうなると、実家の弟に彼女がいるのかいないのかっていうのと同じレベルでどうでもいい。それより家事をしてほしいし、子どもをただ“見ている”だけでなくきちんと見守ってほしいんです」
そんな里美さんがさらにモヤモヤしているのが、義理の姉となった亜美さんからの小姑マウントだそう。
「同期で友達なのが悪かったんですかね。亜美だけでなくほかの同期と飲んだときにセックスレスの話になって、『ないねぇ、もう立ち仕事だし眠くて』と友達が言った後に『うちもー』と言っちゃったんです」
その場では笑っていたという亜美さんですが、後日サシ飲みに誘われて「差し出がましいようだけど」と話を切り出されたそう。
「実家のお義母さんが、内孫の2人目として女の子を期待しているとかなんとかで。それはまぁいいとして、亜美が『30代でレスは統計的にも離婚が多いよ。それか浮気されるって。男は性欲があるんだから』と不安をあおってきたことが嫌でした。お酒のせいもありますが、いきなりセンシティブな話題をふられて唖然としました」
亜美さんは、「里美と弟が離婚したら、里美とも甥とも会えなくなるのがさびしいし、気まずいし嫌なんだもん」とセックスレス解消案を出してきたそう。
「甥を預かるから2人でホテルに行けだとか、アロマを勉強して肩をマッサージしろだとか余計なお世話です。重ねて『うちはレスじゃないよ。月に2回はある。やっぱり男として見ることが大事だよね。ゴキブリを見つけたら“きゃー”って頼ったり、重いものを持ってもらって“すごい”とかかわいく言ったりする』と、悪気はないんでしょうがアドバイスされました」
里美さんは、亜美さんが弟の人間性をまったく理解していないことにあきれてしまったといいます。
「亜美の家はご主人が6個年下でお若いこともあるんでしょうけど、うちには当てはまりません。こっちは虫は私が殺して、さらに死骸を掃除する担当。重いものだって登山みたいなリュックに入れて私が自分で持ちます。夫は営業なので人脈が大事とかで、昼間から飲みに行っちゃいますから。弟の生活見たことあるのか? とため息しか出ません」
亜美さんに心配されている離婚について、里美さんは「今は考えていない」と話します。
「忙しいし、今すぐ離婚して仕事も育児も全部一人で背負うよりは、ダメな夫でも夫婦として生活を回していくほうが現実的だと思っています。もし夫のほうから『彼女ができたから離婚してくれ』と言われたら、家をくれるのなら悪くないですね。私は今はもう、仕事が恋人です。息子は夫に懐いているので、子どもが小さいうちは今の状態でなんとか回していきたいです」
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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